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獣篇Ⅰ

作者:Gabriella
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17 人の話は、最後までキッチリ聞きましょう。

_「あのぉ~…オレ、ただ自慢しにきたわけじゃないから。たまたま通っただけだから。たまたま~」

自慢げだ。


_「いいなぁ~…ちょっと、ちょっとだけ素振りさせてくださいィッ!」

_「あぁ~、もちろんいいよ :)」

_「ナハァーン)やっぱ違うわ、ブランド物は。」

_「しかも、防水加工らしいよぉ~、なんか。
  別に自慢してる訳じゃないけぉ~…」


そこで、私たちが現れた。

_「オーィ、なぁにを騒いでるんでィ?オメェーらァ?」

_「お、沖田隊長!
見てくださいよ、山崎さんのか…
お…あぁ、その刀はァァッ!菊一文字RX78!…
 デジタルミュージックプレイヤー搭載で、連続再生時間最大124時間にも及ぶ大技物。菊一文字RX78!!」

_「長船の倍の値段だよぉッ!
さすが隊長格は指してる獲物が違う!」


なんだよ、ただの自慢のしあいじゃん。苦笑



_「あーこれ、そんなにすごいんだァ~。
  抵当にもらってきたから知らなかったァ~。アレ?
  その棒、山崎なに?買ったの?その腐りかけの棒。」


そりゃあ、ないわ、汗)


_「隊長、一回だけ素振りさせてください!」




すごい興奮な様子。


_「やっぱスゴいわ、一級品は!!」

_「元が前々違うわ、重低音がスゴいィィィッ!」


近)オイ、何だ?朝から騒々しいぞ、


と、ここで局長の登場。


_「局長!すいません、あのぉ…
あァァァァッ!その刀はァァッ!虎鉄Z-Ⅱ!
  デジタル音楽機器としての機能はもちろん、柄に特殊カバーを装着させることにより、部屋を掃除するコロコロとしても使える大技物ッ!菊一文字の3倍はするぜ!?
  スゲェー!!!」

そんなにスゴいものなの、それらは。
カタカナの連続にしか聞こえないわ、苦笑



_「オメェーら、そんな安い刀使ってんのか?
  刀は武士の魂だ。そんなヒョロイ物使ってるなんざ、テメェーらの魂も知れたもんだなァ、、、」

_「スゲェや、近藤さん。敵わねェや、
  オレたちも頑張ってあれくらいの技物持てるようにならねェとなァ?
  近藤さん、ちょっとだけ素振りさせてもらってもいいですかねェ?」

なんか、嫌な予感しかしない。
だって、沖田(かれ)の目が死んでる。


_「あァ、別にいいけどォ?」


近藤が絶叫する。

だから言ったじゃん、嫌な予感しかしない、って。



_「あ、すいやせーん。
  これなら岩も両断できると思ったんですけど、
  ダメでしたァ~。」

_「オメェ!!!絶対ワザとだろォォッ!?
  オレの虎鉄ちゃんに嫉妬してェェェッ!」


……御愁傷様です。汗)


そこで、副長が現れた。
そして、私を連れて、鍛冶屋に行った。


私は、あくまで付き合いだったから、店の外に立っていたが、この店からは何か、変なものを感じる。

店主のおじさんが、何か怪しい。
一応、話は聞いておくことにした。


_「相変わらず無茶してるようだなァ。
  刀は鍛えりゃまた使えるが、人間はそうはいかんぞォ。」


_「人間も折れなきゃ、また叩き上げられるだろ?」

_「刀がこんな様になっちまう戦い方してたらァ、
  そのうちオメェさんも、ポッキリ折れる、と言っておる。」



いや、副長(かれ)はもはや、話を聞く気がない。

_「いい刀だなァ。
じいさん、オレのが治るまでコレ使わせてくれェ。」

_「ソイツァ、ダメだ。

ソイツァ、ちょっと曰く付きの刀でなァ、」


_「何だよ?
音楽聞けたり、コロコロになったりするッつーのか?」


地味にあの話、聞いてたんだ。笑


_「恐ろしく斬れる刀にァ、ちげぇねェ。
  だが、呪われとる。」

_「呪い?冗談よせよ。」

_「並の使い手じゃあ、逆に刀に魂食われちまうじゃろうてェ。オメェさんじゃあ、使いこなせまい。少し、昔話に付き合ってもらえるか?
  その妖刀に纏わる悲しき輪廻の物語を。」


んなこと言っても、副長(かれ)には話を聞く気なんか、ないと思います。苦笑



後ろをついていってから、当たりをうろついていた時、何やら信じられない声が聞こえてきた。

_「すいまっせーん!汗)」



え?
すいまっせーん?


この声は…副長!?


…どうしよう…副長が…!
副長が危ない!!


駆けつけたときには、あり得ない光景が広がっていた。

_「オイ、
  真選組隊士が襲われている、と思って
  駆けつけてみれば…
こんなところで何をやっているんだァ?
…土方くん?」



ここで私の存在がバレてはならないので、
気配を消して、物陰にかくれる。


しばらくして伊東がその場を立ち去ったのを確認してから、副長の元に駆け寄る。

_「副長!大丈夫でしたか?
お怪我が酷いようですね。
早く、屯所に戻りましょう。」

それから、屯所に帰って次の日を迎えた。
 
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