ジオン公国転生記
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第43話 銀河漂流バイファム編
俺は機体から降ろされ、ギレン兄の執務室に連れて行かれた。
ガルマ兄は人当たりが良いと言う事で、ジェイナス号のみんなの接待役に命じられたらしい。
ギレン「いい訳でも聞いてみるか」
ユーリ「別にございませんけど」
キシリア「なんですかその態度は」
ユーリ「平常運転でございますが」
ドズル「こいつ、調子に乗りおって」
ユーリ「エンジンもス-パーパックもすべてお返ししましたが」
ギレン「ふん。そんな物とっくに解析済みだろうが、下手な演技までしよって」
ハマーン「演技! 何故そんな必要が」
ギレン「知れた事こいつの事だ、ジェイナス号とRV強化の為に戻って来たと言うところだ」
ユーリ「下手な演技で悪うございました。言う通りだよ。あいつらを少しでも早く強くしてやりたいからだよ。あいつらは2つの星の架け橋になる奴らなんだから。艦とRVをもう少しましにしてやらないと死人が出るだから戻って来た」
ギレン「艦とRVはすでに手を入れさせている」
サスロ「だが問題は『イレギュラー』の方だ。同格がいるのならそう簡単にはいかんぞ」
ギレン「お前の作ったエンジンとスーパーパックと慣性制御装置を図面で出せ。どうせパワーアップしているんだろ」
ユーリ「はい。これが今現在の図面だよ」
ドズル「カイザーの4万倍・スーパーパック1万・慣性制御装置は10倍になっておるが兄貴足りるのか?」
ギレン「足りんな、スロットル30%で死亡だな。慣性制御装置は少し待てもう少しで2万になる」
ユーリ「だけど格上はこれでも足らないカイザーの100万倍がいる。それ程の奴なんだ」
ギレン「1度カイザーの世界へ行って兜博士と話をしてくる。お前は慣性制御装置1万5千を付けておけ。ただしスロットル70%までだ。フルスロットルにはするな、おまえでも命の保証は出来ん」
俺は『ブラッディ』にカイザー4万倍・スーパーパック1万・慣性制御装置1万5千を組み込んだ。
工房では遺跡の調査が行われていた。
親方「こりゃスゲーな、殆んど見えない溶接で止めてある」
ケイト「それではグラインダーか何かで削れば仲が」
クレーク「いやもし自壊装置や自爆装置が付いていると危険だ」
親方「ユーリ様に見せたんで」
ケイト「写真では」
親方「実物を見せりゃそく設計図にしてくれますぜ」
ユーリ「呼んだ?」
クレーク「ユーリ君。君は透視能力でも使えるのかい」
ユーリ「多分使えると思うけど。今は内部図面が欲しいのでしょ」
ケイト「お願いできる」
ユ――リ「ちょっとごめんね」
俺は遺跡に触れると集中して内部を解析ペンダントで図面を出した。
それも小さい部品の拡大図まで中身のすべてを図面化した。
ユーリ「出来たよ」
クレーク「ありがとう。ユーリ君これで研究が進むよ」
ユーリ「部屋は俺の部屋を使ってください」
ケイト「いいの」
ユーリ「構いませんよ。足りない物ががあれば親方に頼んで」 俺は部屋を出る際一言注意した。
ユーリ「あっそれ無理に開けると自爆するから注意してね」
俺は接待役をガルマ兄と変わる為子供達のとこに行った。
ガルマ兄はひどくお疲れだった。
ユーリ「ガルマ兄交替に来ただけ度どうしたの?」
ガルマ「4歳児の体力に負けただけだ}
ユーリ「お疲れ様」
スコット「ユーリ! 大丈夫かい何もされなかったか」
ユーリ「大丈夫。俺この国の第5王子だからね」
女性陣一同「「「「えっえーーー嘘よイメージがね・・・」」」」
ユーリ「悪かったな!イメージぶち壊して」
ペンチ「さっきの人は王子様よ」
マキ「そうだね」
クレア「あの人はイメージぴったりだわ」
カチュア「かっこよかったですね」
俺は少し心にダメージを食らっていた、カチュアぐらい味方してくれてもグスン。
ユーリ「ところでちび達とロディ達は?」
クレア「小さい子はそこでお昼寝タイム、ロディ達にはお買い物頼んじゃった。ありがと」
ユーリ「何故にお礼を言われるので?」
クレア「だってガルマ様がいくらでも買いなさい。支払いはユーリの貯金から出るのでって」
マキ「いっぱい頼んじゃった」
ユーリ「まあ喜んでくれるならいいよ。ジェイナス号の1隻や2隻買っても大丈夫だから」
俺は次にRVの様子を見に来た。
整備士長「ユーリ様。何ですこれ」
ユーリ「この世界のMSみたいな物だよ」
整備士長「へえーこんなんで大丈夫ですか」
ユーリ「14歳が乗るんだからね。防御は完璧にしてあげて」
整備士長「14歳まだ子供じゃねいですか。分かりました完璧に仕上げてに見せて上げます」
整備士長子持ちだからな、魔改造はしないだろう。
ユーリ「それからギレン兄から慣性制御装置貰ってるから付けて上げて」
さて問題はジェイナス号だが、ギレン兄が陣頭指揮を執っている。
めちゃくちゃ怖いね、うん俺は知らなかったことにしよう。
そして10日後ジェイナス号再び航海に出た。
ラル隊31名も同行して、31機も乗らないので大半はペンダントに入れて保管しておいた。
ジェイナス号は基本子供達が運航、夜間と保守をラル隊が行う事になった。
雑務は女性隊員とクレア達が分担になった。
戦闘訓練はラル隊が指導した。
ユーリ「やばいな、どうしよう」
クレーク「ユーリ君どうしたのかね」
ユーリ「いえね。この先に地球軍の先遣隊がいるんですよね」
クレア「じゃあ、その人達に助けてもらえば」
ユーリ「間違いなく地球に送られるだろうね。子ども達だけで敵の星へとんでもないとね」
スコット「ラルさん達は」
ユーリ「俺達は別世界の人間だ。表に立つことはあまりしたくない」
クレーク「一体どうすれば」
ユーリ「仕方が無い。ボギーこの艦にフォールドは可能か」
ボギー「ハイ・カノウデス」
ユーリ「やっぱり積んだか」
クレーク「ユーリ君、フォールドとは?」
ユーリ「簡単に説明すると、空間ジャンプが出来るんです」
クレーク「ではタウト星へも」
ユーリ「一瞬で行けますよ。でもね、そうすると訓練足らずで敵と真正面にぶつかるんですよね」
スコット「君達がいるじゃないか」
ユーリ「ここは誰の世界? 君達が主人公なの。僕等は裏方でしかないよ。それに」
クレーク「それに何だい?」
ユーリ「1・あの軍艦に用がある。2・タウト星は重要なポイントでロディが敵の捕虜になり、革命軍と言うべきグループのリーダー格と出会いお互い心を通じ合わせるんです」
スコット「軍艦に用って?」
ユーリ「最新鋭のRV2機とRV用の地上装備各種4機分借用しょうと思って」
スコット「それって泥棒じゃ」
ユーリ「借用書置いて来るから『ジェイナス号一同』てね」
俺は宇宙服を着ると認識疎外をかけ駆逐艦レーガンに転移した。
トゥランファム2機と専用スリングパニアー2基、バイファムとネオファムのスリングパニアー1基づつをペンダントに収納すると艦長席に借用書を置いて戻った。
それから再度転移してジオン公国機動船団の整備士長にそれらを渡し強化を頼んだ5日で出来ると言う事なのでその時取に来ると言ってジェイナス号に戻った。
フォールドは駆逐艦レーガンのレーダーレンジ外への短距離フォールドにしておいた訓練不足で死人を出したくないもんね。
それから5日目ケンツが格納庫ではしゃいでいた。
最新鋭のRVに乗れるからであるが、相棒は自分で探せよと言っておいた主にマキが乗る様だ。
それからケンツも含めて訓練しラルさんのOKが出たので、タウト星の近くまでフォールドを行った。
ユーリ「タウト星が見えて来た。ボギー最大望遠でタウト星を映してくれ」
ボギー「ワカリマシタ・サイダイボウエンデス」
スコット「ボギータウト星の周りの4つの物体は何だ」
ボギー「シキベツフノウ」
ロディ「ボギー推定でいい」
ボギー「ジンコウブツノカノウセイダイ」
ユーリ「まあ防衛衛星だろうな」
バーツ「だろうな」
ユーリ「まあちょっと叩いて来るわ」
俺は『ブラッディ』を格納庫に出した。
ユーリ「慣らし運転と体を見ておかないと出力20%で行こうか。カチュア、ハッチを開けて」
カチュア「ハッチ開けます」
ユーリ「行くぜ相棒・・・・・・ぐうううううう」
カイザーの4万倍は伊達では無かった。
スロットル20%が以前のMAXスピードになっていたのだ。
俺は避ける間もなく防衛衛星に激突、貫通して衛星を破壊した。
俺は少しずつ慣れて始めコントロール出来る様になり次の衛星に向った。
1つ衛星が破壊され警戒したのだろ敵ARVドギルムが10機出撃していた。
俺は攻撃を当てようとするが機体が早すぎて当たらない。
やけくそになり翼でぶった切り始めた、敵は数が減ると逃げようとしたが速度の違いで宇宙に消えた。
衛星は以前ガミラス戦で使ったビームブレードでぶった切った。
3つ目の衛星は何故かARVを出しておらずそのままぶった切って終わった。
最後の衛星の時俺はスロットルを30%まで上げた。
体中が悲鳴を上げコントロールできず最初の衛星と同じく激突、貫通して衛星を破壊した
しかもタウト星の防衛圏内に入った様で敵のRVが続々出撃してきた。
ユーリ「30%で根を上げるようじゃなさけないぜユーリ・ザビ!」
俺はスロットルを40%まで上げた。
景色が変わった。
余りの速度に動体視力が追いつかなくなっているのだ。
ユーリ「ス、ステータスオープン。ペンダントよイレギュラーのステータスを上げ続けろ!」
突然周囲の様子がスローモーションになった体の痛みも無くなった。
ユーリ「ははどうやら俺自身が神を越えたかな。まあいいみんなを守れるなら」
そこからはジェイナス号のみんなには全く見えなかった。
俺がスロットルを70%まで上げたから。
敵のARV50機は突然赤い光に襲われて一瞬で閃光になった。
俺はしばらく様子を見て敵が出てこないのを確認するスロットルを5%に下げジェイナス号戻って来た。
ユーリ「カチュア。・・・ハッチ開けて・・・流石に疲れた」
カチュア「今すぐ開けます。ユーリさん大丈夫ですか?」
ユーリ「・・・疲れただけ・・・大丈夫・・・カチュア心配してくれてありがとう」
俺は艦内に入ると『ブラッディ』から直接、トイレに転移したそして洗面台に吐血した。
何度も何度もその姿をジミーに見られているとも知らずに。
ジミーから話を聞いたみんなは急いでトイレに駆けつけると洗面台周囲を真っ赤に染めた中で俺は倒れていたらしい。
ラル隊の救護班が駆けつけ輸血すれば大丈夫と聞きみんな一安心した。
クレーク「ラルさん。ユーリ君は何故あんな無茶を」
ラル「ユーリ様がこの様な事になったのは初めてでは無い。幾度もなられておる」
クレーク「何故止めないのですか、このままでは命が」
ラル「止めたさ。ご兄弟が周囲の者達が全ての者が止めたさ。だがユーリ様は止めはせんだろう」
クレーク「ユーリ君だけで1000隻の司令だと聞きました。それなら何故ご自身自ら戦われるのですか」
ラル「私達は少し他の者達と違いましてな『転生者』と呼ばれる者なのですがその中に『イレギュラー』と呼ばれる本来は存在しない者がまれにいましてユーリ様もそのお一人なのです」
クレーク「転生者・イレギュラー? 本来存在しない者とは」
ラル「『転生者』とは命を失った者が新しい生命を与えられ物語の中にすら入れるのです。我々がそうです。だか『イレギュラー』とはその物語に存在しない者なのです。そして今『転生者』達が分かれて戦争をしているのですが『イレギュラー』の中にユーリ様を含めて相手の魂を無にする存在がいるのです。ユーリ様はとてもお優しい方ですだから『イレギュラー』と他の者を絶対に戦わせません。そしてこの世界にユーリ様と互角の力を持つ者がおりその為無茶をされてでも力を得ようとしています」
クレーク「しかし全員でかかれば」
ラル「さっきも言いましたねお優しい方だと。今日のユーリ様の戦いをさてどれだけ被害を出せば止められますか。それより前にユーリ様の心が砕けるでしょうな」
ユーリ「ラルさん! ジェイナス号のみんなには関係ない話だ」
俺は起き上がりながら言った。
ラル「ユーリ様しかし」
ユーリ「ラルさん。ラル隊には帰還後転属を命じる以上」
クレーク「ユーリ君。ラルさんは君の手間を思って」
ユーリ「クレーク博士貴方にも口外をしないでもらいたい」
クレーク「ユーリ君。君に私に命令する権限は無い」
ユーリ「権限は無いですが、黙らせることは出来ます」
クレーク「私を殺すのかね」
ユーリ「いいえ。クレーク博士は九九を忘れた。クレーク博士九九を言ってもらえます」
クレーク「馬鹿にするな! 1✖1=・・・・何故だ? 1の段すら言えん」
ユーリ「クレーク博士は九九を思い出した」
クレーク「1✖1=1!」
ユーリ「僕等はね。少し魔法が使えるのですよ。これで黙らす事が出来ますよ」
クレーク「分かった。君達の事は口外しない」
ユーリ「まあしゃべられてもいずれこの世界を去る身ですけど」
俺は自分の部屋によろめきながら戻っていった。
ラル「博士。ユーリ様を悪く思わないでください」
クレーク「ラルさん」
ラル「ユーリ様はあなたがしゃべられた後を気にしておられるのです」
クレーク「私がしゃべった後?」
ラル「私も短い間ですが、ジェイナス号の子供達の事はよく分かります。ユーリ様がピンチになったら迷わず救いに行くでしょう。それをユーリ様は恐れているのです。自分が傷つこうとも我慢するが他の者が傷つくのには耐えられない。だから博士には黙っていて欲しいのです」
2人はそんな俺が消えた通路を痛ましげに見ていた。
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