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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1971話

 テストの結果発表があったと思えば、すぐに終業式となり、夏休みとなる。
 高校生活の中でも、1ヶ月近い休日というのはちょっと珍しい。
 ……いやまぁ、俺の場合は月光館学園に通ってなければ、毎日休日と言っても間違いではない生活だったが。
 ただ、タルタロスの攻略はしていたので、何も仕事をしていなかったという訳ではない。
 もし何か少しでもタイミングとかが違っていれば、俺は桐条グループに雇われ……それこそ俺が異世界に行った時に使う事が多い、傭兵という形で暮らしていた可能性もある。
 もっとも、傭兵であっても働くのはタルタロスに行ける影時間だけである以上、傍から見れば働いているようには見えなかっただろうが。
 もしくは、影のゲートを使って盗賊の真似事でもしてたか?
 そんな風に思いつつ、俺はゆかりと一緒にTVを見る。

「……ねぇ、折角の夏休みなんだし、どこかに遊びに行かない?」

 TVでキャンプ特集なるものをやっていた為か、ゆかりが俺にそう聞いてくる。
 夏だというのに、ゆかりは特に暑がっている様子はない。
 まぁ、俺の部屋にもエアコンが付いたんだから、それも当然だろうが。
 正直なところ、俺だけがこの部屋にいるのであれば、エアコンの類は特に必要はない。
 混沌精霊の俺にとって、それこそ30度だろうが、40度だろうが、特に暑いとも感じないのだから。
 だが、人間のゆかりがこの部屋に来るとなれば、エアコンの類はどうしても必要になる。
 そして俺と付き合い始めた以上、ゆかりが俺の部屋に来るのは当然だった。
 いやまぁ、俺がゆかりの部屋に行くという方法もあるんだが、付き合ってるのを隠しているのに、俺が堂々と女子寮に行く訳にもいかないし、影のゲートで転移してゆかりの部屋に行けば、それはそれで問題となる。
 誰かがゆかりの部屋に来た時、そこに俺がいればどうなるか……それは、考えるまでもないだろう。
 それなら、最初から俺の部屋に来ればいい。
 幸い、影のゲートを使えば移動も一瞬だし。
 そんな訳で、美鶴に桐条グループの方から手を回して貰い、エアコンを用意した訳だ。
 ……いや、最初は普通に電気店でエアコンを買って取り付け工事をして貰おうと思ってたんだが、かなり混雑してるらしいんだよな。
 なので、桐条グループに頼んだ訳だ。
 実際、電話で頼んでから1時間もしないうちに最新鋭のエアコンを持ってきて、大人数で一気に取り付けていったのだから、コネというのは良いものだと、つくづく思った。
 ともあれ、そんな訳で現在俺の部屋にはエアコンがついた訳だ。
 桐条グループを使ったという事もあって、ゆかりはあまり面白くなさそうだが、それでも以前よりは桐条グループに対する風当たりは少しずつ弱くなってきているらしく、そこまで不満を露わにはしていない。

「どこかって、どこにだ? まぁ、ゆかりが行く気になったら、俺はどこでもいいけどな。海はこの前屋久島に行ったばかりだし、どうせならもう少し後の方がいいだろ?」
「あ、約束覚えてたんだ。……そうね。じゃあ山とか?」

 以前海に行くと約束した事を忘れていなかったのが嬉しいのか、ゆかりは笑みを浮かべてそう言ってくる。
 だが……山か。

「山って言ってもな。キャンプか?」
「……」

 何故かキャンプという言葉でゆかりの頬が薄らと赤くなる。
 何だ? 何か照れくさい内容でも混ざってたか?
 そんな疑問を抱きつつ、ゆかりの返事を待つ。

「えっと、その……キャ、キャンプはちょっといいかな。まだ私達には早いと思うし」
「そうか? なら、山って訳じゃないけど、動物園とか水族館とか?」

 こういう時は映画館といった選択肢もあるのかもしれないが、映画を見るのであればわざわざ出掛けなくてもレンタルで借りてきて見ればいいという思いの方が強い。
 勿論レンタルで借りるとなると、半年程度前の映画になる。
 最新作を見たいのであれば、映画館に行くのもいいのかもしれないが。
 ただ、映画館で見るとなると、どうしても他の客の声が邪魔になるんだよな。
 咳だったり、何かを食べている音だったり……最悪なのは、一緒に来た奴と話しているとか、携帯で話してたりとか。
 映画を見る時はじっくり見たいタイプの俺としては、映画館よりはレンタルの方がいい。

「うーん、動物園と水族館なら、水族館かしら。……涼しそうだし」
「それは否定しない」

 動物園は、基本的に外で動物を見る。
 それに比べると、水族館は屋内で見るので、エアコンとかの恩恵を受ける事が可能なのだ。
 勿論、イルカやアザラシといった動物のショーを見る場合は外に出る必要があるが。
 それでも動物園と違ってプールの側でショーが行われるという事もあり、涼を取るという意味では決して間違っていないのだが。

「じゃあ、どこに行く? 池袋に水族館はあったわよね?」
「ああ、ならそこに行くか? ……ただ、今だと水族館はかなり混んでそうな気もするけど」

 考える事は誰しも同じ……という訳ではないが、既に夏休みに入ってしまった以上、小学生や中学生といった者達も水族館に遊びに行くというのは、普通に有り得るだろう。
 もっとも、水族館にしろ動物園にしろ、入る時には当然のように金が掛かる。
 そうなると、親と一緒に遊びに行く小学生やバイトである程度金が自由になる高校生と違い、中学生はちょっと難しいだろうな。
 ……世の中には株取引とかして、数千万円単位で儲けている子供とかもいるらしいが、それは本当に例外でしかない。
 まぁ、俺はタルタロスの攻略や、未知のマジックアイテムを桐条グループに売ったり、といった具合に金に困る事はないんだが。
 それがなくても、空間倉庫の中にたっぷりと金は入っているのだが。

「う゛っ……そ、それはちょっと嫌ね」

 水族館に行く気になっていたゆかりだったが、やはり人混みはあまり好きではないのか、一気に行く気が萎えていくのが見ている俺にも分かった。

「そうなると、やっぱり日本人がいないような場所……外国の無人島とかだったら、夏休みでも問題なく遊べるんだよな」

 もっとも、人がいないからこそ無人島な訳で、海の家的な物もないから、何か欲しい物があっても自分達で用意しなければいけないんだが。
 ただ、俺の場合は空間倉庫という存在がある訳で、そうなれば大抵の物はどうにかなる。
 ましてや、影のゲートという転移魔法がある以上、本当に空間倉庫の中にない物を欲しい場合、直接買いに行く事も可能だ。
 うん、改めて俺の存在を考えてみれば、色々と卑怯っぽい感じだな。

「そう言えば、荒垣さんには連絡が取れたの?」

 どこかに出掛けるという話をしていた筈だが、不意にゆかりが話題を変えてくる。
 露骨だが、取りあえず今はその辺りを特に気にする必要はないだろうと判断し、頷く。

「ああ。何回か携帯で話した。ただ、何か今は忙しいらしいから、暫く俺達と一緒に行動出来ないらしい」
「……忙しいって、影時間の件よりも重要な事があるの?」
「らしいな。まぁ、コロマルもこっちの仲間に入ったから、戦力的には問題ないと判断したんだろ」

 実際、それは間違ってはいない。
 コロマルは犬だからか……もしくはコロマル自身の素質故か、ケルベロスという名前を付けられたペルソナは、かなりの潜在能力を持っている。それこそ、荒垣のカストールに負けない程だと思えるくらいには。
 もしケルベロスがそこまで高い潜在能力を持っているというのであれば、動物のペルソナ使いを本気で探した方がいいのではないかと、そう思ってしまうだけの凄さ。
 そういう意味で、戦力的には問題ないんだが……電話で話した時に、荒垣の様子が少し変だったように思えるんだよな。
 何か苦しいのを我慢しているというか……
 まぁ、荒垣の事だから何か強烈に辛い料理を食っていたとか、そういう理由からの事だと思うんだが。

「うーん、戦力的に考えれば、荒垣さんの言ってる事は正しいんだけど、タルタロスも大分進んで来たんだし、出来れば荒垣さんにはいて欲しかったわよね」

 しみじみと呟くゆかり。
 コロマルを戦力的な意味で信頼していないという訳ではないだろうけど、やっぱりここまで荒垣と一緒にタルタロスを攻略してきた事を思えば、やりやすさという意味ではコロマルよりも荒垣の方が上になるんだろう。
 この辺はあくまでも慣れなので、このままコロマルと一緒に行動していれば、そのうち問題がなくなるのは間違いない。

「荒垣の事だから、そのうちひょっこりと顔を出すだろ。……ん? ゆかり、これ」

 そう言って俺がゆかりの注意を引いたのは、TVでやっている特集を見てだ。
 そこには、来月の17日から8月末まで行われるという、映画祭りについてやっていた。
 映画館に行くのはあまり好みじゃないんだが、それでもこうやって何かそういう祭りっぽい感じにされると、少し興味深く思ってしまうのは不思議だ。

「へぇ……それにしても、半月近くもやるなんて、随分と規模が大きいわね」
「そうだな。一体どれだけの映画を上映するのやら。……あ、桐条グループの出資らしいな。だとすれば、映画をかなりの量集めてくるのも納得か」

 ペルソナ世界有数の規模を持つ桐条グループだ。当然のようにその資金力は膨大で、それこそ最新作の映画ですら上映する事を可能としているだろう。

「それに、ほら。映画祭って言うだけあって、屋台とかも結構出てるみたいよ?」

 そう告げるゆかりの視線の先では、焼きそば、お好み焼き、たこ焼きといった屋台の中でもメジャーなメニューの他に、綿飴、チョコバナナ、かき氷といった店が出るとそうレポーターが言っている。

『トルティーヤといった珍しい食べ物の屋台も出るそうですし、ヒーローショーの類も行われてるという事らしいです。いやぁ、楽しみですね』

 その言葉を最後に、映像はスタジオに戻る。

『映画の種類も、有名作から、知る人ぞ知るといったマイナーな作品、アニメやホラー、サスペンス。様々な映画を見る事が出来るらしいですよ。りせちー、何か観たいのがありますか?』
『ちょっと前に、魂が犬の身体に入って……っていうコメディ作品があったじゃないですか。私はそれが見てみたいです』
『あはは。りせちーらしいですね。……さて、では次の話題ですが』

 そう言い、次に映し出されたのはどこかの海の映像。

「うわ……」

 それを見たゆかりが、思わずといった様子で呟く。
 まぁ、その気持ちは分からないでもない。
 人、人、人。
 とにかく大量の人が海にいて、それこそ海や砂浜よりも人の方が多いのではないかといった様子なのだから。

「……海、行くか?」
「あれを見て、何で私が海に行きたいと思うのよ」

 うんざりとした様子で呟くゆかりに、俺もだろうなと言葉を返すことしか出来ない。
 ああいう映像を見ていれば、それだけで海に行きたいという思いは萎えてくる。
 やっぱり海に行くのなら、どこかの無人島が一番だな。
 もしくは、あまり人が多く来ない……来られないような、会員制のプールとか。
 俺達ではそういう場所に行くのは難しいだろうが、桐条グループの力を使えばそれも決して無理ではない筈だった。
 ただ、美鶴個人ならともかく、桐条グループの力を借りるということに、ゆかりが素直に頷けば、の話だが。

「取りあえず……夏休みなんだし、身体を休めるって意味でゆっくりとするか。わざわざ人の多い場所に行って汗だらけになりたくもないだろ?」
「高校生らしい夏休みとは言えないけど……ね」

 そう言いながら、ゆかりも俺の提案にそこまで反対な訳ではないのだろう。
 俺の隣にやってくると、ゆっくりと身体を預けてくる。
 元々ゆかりは母親の一件もあって、恋愛関係に関しては嫌悪感すら抱いていた。
 それが今じゃこの様子だ。

「なぁ、ゆかり」
「……何?」
「もし数ヶ月前……それこそ俺に会うより前のゆかりが、今の自分を見たらどう感じると思う?」
「そうね。……私が洗脳でもされてるんじゃないかって疑うんじゃない? もしくは、私が偽物だと思うかもしれないわね。あの頃の私は……半ば、意地になってたから」
「じゃあ、今はもう意地になるのをやめたのか?」
「……お母さんの事はまだ許せないけど、人を好きになるってのは分かったかしら。ただ、お母さんの場合は人を好きになるんじゃなくて、現実から逃避する為に男の人に逃げてたって感じだったから。……それは、好きとは少し違うと思うのよ」

 そう言いつつも、ゆかりの母親に対する気持ちは以前と比べると大分軟化しているように思えた。
 それがいい事なのか、悪い事なのかは分からないが……それでも、俺はゆかりとこうして一緒にすごす時間を楽しむのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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