ドリトル先生と奈良の三山
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第六幕その七
「この青龍はね」
「確か東で」
「色は青で」
見れば身体の色は実際に青いです。
「季節は春、木を司っているのね」
「それに白虎は」
次はこの生きものでした、文字通り白い虎です。
「西でね」
「色は白でね」
「季節は秋だったわね、金を司っていて」
「そして朱雀は」
赤い鳥です。
「色は赤で」
「それで季節は夏でね」
「方角は南」
「火を司っていたわね」
「最後の玄武は」
黒い亀にこれまた黒い蛇が絡まっています。
「色は黒」
「冬を司っていてね」
「水だったわね、北で」
「うん、皆正解だよ」
その通りだと答えた先生でした。
「彼等は四霊獣といってね」
「それでだね」
「それぞれの方角を司って守っている」
「そうしてるのね」
「そうだよ、だからここにも描かれているんだ」
実際にというのです。
「この通りね」
「そうなのね、けれど」
「うん、四方は描かれているけれどね」
「それでもね」
「真ん中は?」
「真ん中描かれてないよね」
「そういえばそうね」
皆このことに気付きました、それでです。
ここでチープサイドの家族が首を傾げさせてそうして言いました。
「真ん中何がいるのかな」
「ここでは描かれてないわね」
このことを言うのでした。
「何故かね」
「そうよね」
「誰もいないってことはないよね」
ジップはこう考えました。
「やっぱり」
「それはないわよ」
ダブダブはそのジップに応えて言いました。
「四方にいて真ん中だけっていうのは」
「色もだよね」
ガブガブも言います。
「真ん中だけ無色とか」
「東西南北中央はね」
ポリネシアは古墳の絵に囲まれている自分達を観ました、そうして自分のこととして実感しつつ言うのでした。
「絶対にあるからね」
「そう、じゃあ真ん中は何かな」
チーチーはまさにという感じでした。
「色や司るもの、季節とかね」
「生きものも気になるね」
トートーも言います。
「誰なのかな」
「前に先生がお話してたと思うけれど」
老馬は首を傾げさせるばかりでした。
「思い出せないね」
「ううん、何かね」
「結構な生きものだったよね」
オシツオサレツは思い出そうと努力しつつ言いました。
「四霊獣と同じ位」
「凄い神獣だったね」
「何だったかな」
最後に言ったのはホワイティでした。
「一体」
「うん、中央は皇帝とされているんだ」
先生はその皆にお話しました。
「五行思想だから真ん中も入っていてね」
「やっぱりね」
「そうなるね」
「じゃあ真ん中に皇帝がいて」
「四方に四霊獣がいるのね」
「そうだよ、生きものだと麒麟か中蛇で」
先生はさらにお話しました。
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