魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第二十話
「うぐぅ!く、苦しいよ…ちーちゃん…」
姉さんが束さんの襟首を掴んで壁に押し付けている。
「ならば吐け!いったいここで何をしていた!一夏といったい何をしていたんだ!」
俺が仕組んだ事ではあるが…そろそろ止めないとマズイか…
「待てよ姉さん!束さんにそんな事をしても何も分からないよ!」
「お前は黙っていろ!おい束!貴様一夏をこんな所に連れ込んでナニをするつもりだったんだ!さぁ、吐け!」
この駄姉ぶん殴ってもいいかな?
さて初っぱなからすまない。
何故こんなことになっているかと言うと、そろそろ姉さんに知って貰いたかったからだ。
今日は土曜日、ゆとり云々言ってたが未だに週休2日だ。
俺と束さんは何時も通りにラボへ向かった。
今日は本殿の近くで柳韻さんが何かやっていたので隠し通路を使えなかったのだ。
まず俺が家を出て十五分後に束さんが家を出る手筈だった。
俺は予定通りに家を出て扉を解放した上で扉のホログラムのスイッチを入れた。
コレは隠し扉を解放した状態でもバレないように造った物だ。
扉を解放してスイッチを入れた俺は先に作業を開始しようとした。
何時も通りに作業を始める前に限界までメティス・サイトを展開する。
そこで俺は気付いたのだ。
このラボへ向かってくる存在が『二つ』。
束さんとその後ろを着いてくる姉さんだ。
本来こういう時のため俺が先行している。
以前にも姉さんは俺を尾行していた時期が有ったしな。
しかしそろそろ姉さんにもISを知って貰おう。
そう思った俺は橙を束さんの元へ向かわせず放置した。
俺は橙のボディを造っているエリアを出て通路へ向かった。
「あれ?いっくん?待っててくれたの?
それとも何か問題が起きたのかい?」
束さんが不思議そうに聞いてくる。
「いえいえ、客を案内するのは家主の役目でしょ?」
と、答えると。
「何か変な本でも読んだの?」
「まさか、そろそろお客様が来ますよ」
気付かないな~
「客?………まさか!」
もう遅いよ。
「おい、束、どういうつもりだ?」
「うげぇ!ちーちゃん!?」
斯くして冒頭へ。
本当にこの駄姉は何を言っているのだろうか、いきなりシリアスブレイク…
「ち、ちがっ、そんな事するわけないじゃないか!」
「ええい黙れ!こんな所に年下の男を連れ込んでコトに及ぼうとしたんだ!言い訳出来ると思うなよ!」
「いや!だから!ちょっ!まっ!いっくん!助けて!」
はぁ…
俺はある魔法を放った。
左手を空に掲げ、虚空をつかむ。
幻想の弓が姿を現す。
右手を掲げ幻想の弦をつまむ。
そして俺は手を放した…
ピィィィィン………
幻想の音色は空気ではなく情動を司る粒子を振るわせた。
情動干渉魔法『梓弓』
「姉さん、少しは落ち着いた?」
「あ、ああ……今のはお前か?一夏」
「そうだよ、その前に一つ、姉さんが思ってる事は全くの的外れだよ。
ここはラボ。俺達の夢の出発地」
束さんは…大丈夫そうだね
「勿論、付けて来たんだから姉さんにも協力して貰うよ」
「ラボ?夢?何の事だ?」
それもそうか、ここはまだ通路だもんね。
「奥に進めば分かるよ。安心して、ヤリ部屋なんてないからさ」
タッタッタッタ…と姉さんは奥に走って行った。
「束さん、大丈夫ですか?」
と手を差し出す。
「うん、ありがと、大丈夫だよ」
「それは良かった」
「で、どういうつもりかな?いっくん?」
怒ってるなー…
「そろそろ姉さん相手に誤魔化すのは限界でした、最近かなり見られてましたので」
「限界って…何処まで話すつもりだい?」
やっぱりソコなんだよな…
「父さんと母さんの事以外は全て話したいと思っています」
「それはいっくんの事も含めてかい?」
「はい、何時かは話さなければいけないことです、ここで全部纏めて話します」
「なるほど、覚悟決めたんだね、私はまだちーちゃんを巻き込む覚悟を決めてないよ」
覚悟…かぁ…
「覚悟、そんな高尚なものじゃありませんよ、ただただ話して楽に成りたい。
今日、束さんが付けられてるのに気付いて、其処からは勢い任せですよ」
「なら、私もその勢いに乗せて貰おうかな…」
「大丈夫ですよ、世の中案外上手くいく物ですよ」
俺はそう言ってラボに向かった。
ラボ…というか第一層のファイタールーム(戦闘機が大量に置いて有るため、もしくは単に一階)では姉さんが戦闘機をまじまじと見ていた。
時々コンコンと叩いたりしていた
「どうだい姉さん、凄い物だろう?世界中の傑作戦闘機が集められてるんだ」
「一夏、ここはなんだ?この大量の戦闘機がお前と束の夢なのか?」
「その礎、かな」
「……………」
「束、さっきから何を黙っている、お前達はここでいったい何をしようとしてるんだ」
「まぁ、束さんはまだ覚悟を決めてないんだ、まず、俺の話を聞いて欲しい」
「いいだろう」
スゥ…ハァ…
「まず、俺には前世の記憶がある」
よし!言った、言ったんだ。
「……………少し疲れてるようだ…
もう一度言って欲しい」
「俺には、前世の記憶がある、いや、俺は生まれ変わった存在だ」
「それは……本当…なのか?」
「ああ、本当さ、俺は高校生の時に死んだのさ。
そして生まれ変わった、『織斑一夏』という存在に」
俺のカミングアウトはこれでほぼ終わり。
言ってみると案外そうでもなかったな…
「と、年上?」
「そうなるね、『姉さん』」
「……………………」
あぁ、姉さんが頭を抱えてうずくまった…
「そんな、弟だと思っていたのに…精神年齢が私より上…わたしの…姉の威厳が…」
と、ぶつぶついい始めた。
「そうだ、思えばむかしから…」
あ~駄目だこりゃ。
束さんは…まだ考えてるな。
「束さん?覚悟なんてしなくていいんですよ。
勢いに任せましょう。なに、姉さんの事です、後五分もあれば回復しますよ」
「そ、そうだよね、私の話なんていっくんのに比べたらね…」
なんて話しているうちに姉さんが復活した。
「よし、理解した、一夏、お前は何があろうと私の弟だ、コレは絶対に変わらん」
分かってくれたみたいだ。
「ありがとう、姉さん」
「あ~それとだな、うん、まぁ、束との事だが、ヤるなとは言わんから…」
……………………………………
「ちげぇっつってんだろ!この駄姉!脳味噌御花畑かテメェ!」
「誰が脳味噌御花畑だ!」
「あんただよ!思春期か!?ああ、思春期でしたねぇ!」
「こ、こんな所に二人きりで入ればそうも思うだろ!」
「だから!それを今から説明すんの!」
「「ハァハァハァハァ…」」
「落ち着いた?」
「さっさと姉さんに説明してあげてください」
「え~呼んだのはいっくんでしょ~」
は?
「アンタの事を手伝ってんだろうが!
さぁ、主犯の口から自白しろ!」
「主犯って…」
主犯だろ、まぁ、俺も共犯者だがな。
「分かったよ。ちーちゃん、私の夢を知ってる?」
「既存の方法以外で宇宙に行きたい、だったか」
「そう、スペースシャトルやロケット以外で宇宙に行く。
此処ではそのために必要なものを創ってるんだ」
「こんな所でか?」
「此所は旧日本軍残党が残した兵器開発工場さ」
「旧日本軍の工場?何故こんな所にそんな物が…」
「私のお祖父ちゃんかひいお祖父ちゃんが関わってるんだと思う。
初めてこの工場に入った時にお祖父ちゃんの手帳が有ったから」
「そうか…此所にはそれが出来る設備が有るんだな?」
「うん、いっくんにも手伝って貰ってるんだ。
この工場を見つけたのはいっくんだし、いっくんが居なかったら私の夢は叶わなかったよ」
「そうか…いつ頃見つけたんだ?」
「俺らがこっちに来るより前。
実際に行ったのはこっちにきてからだけどね」
「こんな所に有るのにか?私は稽古の時以外でお前から目を離した事は無かったぞ。
それに箒も何も言わなかったしな」
「あ~その事なんだけどさ、俺ってその、オカルトの類いの力を使えたりするんだよね」
「オカルトだと?本当なのか?束?」
そっちに確認とるのか…
「うん!いっくんは別世界から来た魔法使いなんだよ」
……………………
「をいぃぃぃ!俺がオカルトってぼかしたのに暴露すんなー!」
「…………………」
また姉さんがフリーズしてる…
「あ、ゴメンゴメン、でも何時かはバレるっていってたじゃん。
それに全部バラすとも」
言ったけど!言ったけど!
「時間をかけてゆっくり説明する気だったんです!」
「この際全部バラしちゃおうZE!」
ZE!じゃねー!
「姉さん、この際全部言うよ。
俺は歴史が分岐した世界の2095年からきた。
その世界では諸々の理由で魔法が存在し俺は魔法が使える。
この施設は千里眼や透視のような力で見つけた」
「……………三行でたのむ」
ふむ、三行か…
「俺は未来から来た。
俺は魔法使いである。
この施設は魔法で見つけた。
おうどんたべたい」
こんな所だな。
「分かった、だが四行目はなんだ…」
「わかってないなー。
『三行で頼む』と言われたら関係ない四行目を入れるのが嗜みって奴さ」
これぞニャル子さんクオリティ
「そうか…うん、そうなのか。
少し休ませてくれ」
「じゃぁ事務室で休んでて。
其所に色々な事が書かれたファイルが有るから」
そのあと姉さんを事務室に置いて開発エリアへ向かった。
姉さんを回収した時、最初より疲れたような顔をしていた。
まぁ、関係ないが。
さて、姉さんを引き込めた?し、これかもっとやり易くなるな。
早く橙のボディを造ってやらないと…
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