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ジオン公国転生記

作者:正博
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第13話 SEED編

 アラスカ基地の片づけが粗方終わり、俺達はキラの待つ浜辺に向った。
 俺は、フリーダムを近くで見たいだけなんだけど。
 キラはザフトのパイロットスーツを着ていた。

 フラガ「ザフトに居たのか?」
 キラ「はい、でも僕はザフトではありません。同じくもう連合でもありません」
 フラガ「キラ、お前」
 マリュー「あれは?」
 キラ「補給の事でしたら」
 ユーリ「いりません。核動力、Nジャマーキャンセラー付きだろ」
 キラ「! ユーリ君、君は一体」
 ユーリ「ちょっかい入れて悪かった。続きをどうぞ」
 キラ「ユーリ君が言った通り、Nジャマーキャンセラーが組み込んであります。データーを取りたいと言うなら立ち去ります。奪って出もと言うなら戦ってでも守ります。あれを託された僕の使命だから」
 マリュー「この事は口外を禁じます。ユーリ君貴方も」
 ユーリ「それは無理やな。心配無いジオン以外でしゃべらん」
 マリュー「ジオンでも黙っていて欲しいのだけど」
 ユーリ「だから無理、そんな過去の技術、今時ジオンの子供でも知ってる」
 フラガ「過去の技術って、お前」
 ユーリ「ジオンがNジャマーに辿り着いたのは10年前、キャンセラーが8年前、ジオンは核動力を全て捨てた」
 キラ「捨てたってじゃ動力は?」
 ユーリ「ブラックホールエンジン」
 マリュー「もう、冗談はやめて」
 ユーリ「キラ、信じられんこれが1番安全な隠し方や」
 フラガ「その言い方だとまじか」
 ユーリ「もう1つだけジオンの秘密、ジオンは本来CE世界の存在じゃないUC世紀の存在。つまり違う世界の人間って事」
 マリュー「え。・・・でもどうやって」
 ユーリ「それは俺にも分からんね。俺達が来たのか、君達が来たのか」
 
 長い間沈黙が訪れた。
 
 ユーリ「帰ろ、腹が減った」
 マリュー「え!・・・そうね、帰りましょう」
 フラガ「お、おい」
 ユーリ「全員同じ夢を見るなんて不思議」
 キラ「夢?・・・夢か、うん不思議」
 ユーリ「フラガ大尉はまだ寝てるのか、夢見る世代か」
 フラガ「・・・夢ね」
 ユーリ「何にもないただの夢」
 
 こうしてこの件は夢落ちで終わった。
 ただ2人まだ浜辺に残っていた、キラとユーリである。

 ユーリ「聞きたい事があるのだろ」
 キラ「君はUC世紀で見た事があるんだね」
 ユーリ「まあな、自分で作ったら見るよな」
 キラ「自分で作った!本当に」
 ユーリ「俺はこう見えても技術者やMS、艦船なんでも作った。ある日新型の動力炉を作った時や動かした途端全てが止まった、正確には核動力が止まった。分かるか俺はNジャマーのひな型を作った。それからが面白くて解析し完全なNジャマーを作った。そうなると今度は逆をしたくなるそれで作ったんがNジャマーキャンセラーやった。けど俺は満足できんかったそれでブラックホールエンジンを作り出した。だから見ただけでこいつはNジャマーキャンセラー積んでるのが分かった」
 キラ「すごすぎて言葉にならない」
 ユーリ「ここまで詳しく話したのには訳がある。多目標照準器見せてくれ、5つまでは照準出来るけどそれ以上やと処理出来ん頼む」
 キラ「でも、君に見せるとすぐ解析するからな。ラクスとの約束が」
 ユーリ「ダメか。諦めよう。じゃな、フレイとラクスの話でもしてくるわ」
 キラ「ラクスには怪我の看病をしてもらっただけで」
 ユーリ「ええ話や、フレイもきっと感動して喜ぶで」
 キラ「見せる、見せるから。フレイにラクスの話しないでよ、ねぇ」

 結局、照準器を見せる事になりコピーされてしまった、照準器だけでなくフリーダムその物を。
 ユーリは1部見ただけで全部を図面化出来る能力を持っている。


 アラスカ基地にいた連合の兵士は、自分達は囮でしかも最後には殺される運命だった事を知り連合を辞めて行った。
 俺は退職金代わりに金塊を1個ずつ渡していった、別にペンダントで無限に出せるから問題無し。
 コーディネーターの捕虜は、輸送機を1機渡し自分達の基地に帰って貰った。
 アークエンジェルは、修理と補給が済むとオーブに身を寄せると言って出て行った。


 俺はギレン兄へ報告を入れた。

 ギレン「それでアークエンジェルを助けたついでに、アラスカ基地を占領したのだな」
 ユーリ「だって自爆させようとした基地だよ。もったいないから貰ってあげたんだよ。元本部だよ」
 ギレン「分かった。キシリアに管理させよう」
 ユーリ「じゃ、基地とその周辺は任せて、次はオーブだ」
 ギレン「ユーリ、基地周辺?」
 ユーリ「基地1個じゃ毎回連合が仕掛けてうるさいからアラスカを占領したの、そしたら今度はカナダからでここも占領したの」
 ギレン「お前な・・・・まあいい。キシリアに引き継ぎしろ」
 ユーリ「いつ頃来るの?」
 ギレン「もう着く頃だ。お前も準備しておけ」
 ユーリ「シベリアの部隊どうしよう」
 ギレン「お前シベリアにも手を出したのか」
 ユーリ「物資が乏しくなって、シベリアって資源豊富でしょ、分けてもらおうとしたら戦闘になって占領しました」
 ギレン「お前も謹慎するか」
 ユーリ「いやです。ごめんなさい」
 ギレン「シベリアまでだ、それ以上は許さん」
 ユーリ「了解しました。(危なかった、油田狙ってウラルに部隊送るところだった)」


 翌日、キシリア艦隊2000隻が到着した。

 キシリア「ユーリ。お前にはかなり迷惑をかけた、済まない」
 ユーリ「もういいよ、それよりも引継ぎしよう」
 キシリア「引継ぎって、たかが基地1つでそんなに急ぐ事はあるまい」
 ユーリ「あれ、ギレン兄に聞いていない? アラスカ、カナダ、シベリア占領したって」
 キシリア「何故ユーリには謹慎が来ないのだろう」
 ユーリ「理由があって占領しただけだからね。基地1つの時は毎時間空爆部隊がやって来て鬱陶しいからアラスカを占領。そしたらカナダから飛んで来るのでカナダを占領。資源が乏しくなってシベリアに分けてもらいに行ったら戦闘になって占領しました」
 
 キシリアは頭痛がするのか、頭を押さえていた。

 ユーリ「キシリア姉、頭痛だったらいい薬があるよ」
 キシリア「この頭痛は薬では治らん」
 ユーリ「そんなに悪いの」
 キシリア「この頭痛は、お前のせいだ。お前が死ねば治るかもしれん」
 ユーリ「キシリア姉、酷い」
 キシリア「マクベ行くぞ。早く引き継いで対策を検討する。ユーリ、そんなとこでいじけてる暇があれば基地を案内しろ」
 ユーリ「・・・はい」

 俺はキシリアと手早く引き継ぎを済ませると、各地に散った部隊の集結を待った。


 俺は部隊が集結するまで、工房に籠って自分の新型MSを作っていた。

 ユーリ「ふふふふふふ」

 ユーリ専用工房からは1日中不気味な笑い声が聞こえて来た。
 3日後。

 ユーリ「出来たぁ~!」

 ユーリの嬉しそうな魂の叫びが聞こえて来た。
 作業員の1人が、扉の隙間から中を覗き込んだ、そして叫んだ。

 作業員A「フリーダム、違うストライクフリ-ダム!」

 その声にみんなが集まって来た。

 作業員B「本当だ。ストフリだ」
 作業員C「どうしたんだ、これ」
 親方「ユーリ様。遂にやっておしまいになったか」
 作業員B「何をしなさったんで?」
 親方「そりゃお前『泥棒』よ」
 作業員C「そんなあのユーリ様が犯罪者に」
 作業員A「いいや、あのユーリ様だからこそ」
 親方「基本、後の事考えずに動く方だからな」
 ???「それって、馬鹿っていう事?」
 親方「言い過ぎだがあってる。おまえ上手いな」
 ユーリ「本人だからね。そっかみんな俺をそう言う目で見てたんだ。よし半年給料カット」
 親方「謝りますからお願いします。でも実際の話あれどうなさったんで」
 ユーリ「俺が作った」

 
 ユーリはフリーダムをコピーし設計図を描いたが、何か物足りないと考えドラグーンシステムや武装の強化によりストライクフリーダム(仮)を作った。
 原作と違い装甲はPS装甲とサイコフレームと超合金NZαの合成、ドラグーンはファンネルの応用と00ガンダムのファングとの合成ファングドラグーン等、本物のストライクフリーダムではない。
 しかしブラックホールエンジンやユーリの考えたギミックによりパワーだけでも本物より2.5倍もの怪力を出す。

 
 ユーリ「親方、頼んでいた物出来てる」
 親方「図面通り作りました『シャンブロ』3機」

 ユーリはニュータイプ能力値の高い兵士に与え訓練させた。
 そんな事をしている間にユーリ艦隊が揃ったので、オーブへ向かった。
 とは言え、国交がある訳で無いので連合とオーブの戦いが始まるまで待機だが。
 3日後、遂に連合がオーブに最後通告を送った。

 ユーリ「ゼーズール部隊攻撃開始、シャンブロは揚陸艦を狙え、敵MSは飛べない、泳げない、沈めろ!」
 
 そして次にオーブ後方に輸送機らしき編隊が迫ってると連絡が来た。

 ユーリ「艦砲射撃で全部落とせ。MS何かもったいない。自分達の標的として遊べ」


 連合の艦は突然、水中からの攻撃に混乱に陥った。

 アズラエル「どうした、まだオーブ領海にすら入って無いぞ」
 艦隊司令「どうやら水中からの攻撃の様で」
 アズラエル「水中対策ぐらいあるだろう」
 艦隊司令「それがどうやらMSのようでして」
 アズラエル「ザフトか」
 艦隊司令「そのようで」
 アズラエル「くそう。化け物共が撤退だ。撤退しろ」
 艦隊司令「相当な数に包囲され最早撤退は無理かと」
 
 アズラエルは艦橋を飛び出して行った、暫くすると3機の新型MSが発進していった。

 艦隊司令「アズラエルの奴、自分達だけ逃げやがった」

 その時シャンブロのアームが艦橋を貫いた。
 5分後、海は静かになった。
 
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