二本足の犬
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第四章
「面白いじゃない」
「?どういうことですか?」
「だからね、どう悪用されるか考えたら」
そうなればというのだ。
「そうした悪用を事前に防ごうとするでしょ」
「大変なことにならない様に」
「色々とね」
「まさか博士は」
「それが面白いのよ」
「人間が悪用される場合を考えてそれを止めようと考えるのが」
「それがね」
まさにというのだ。
「だからね」
「今回はですか」
「やってみたのよ」
「犬を二本足で歩かせる」
「そうしてみたの」
「そうだったんですか」
「だって、人間って悪用されて大変なことになると思ったら」
その時はというのだ。
「必死に対策を考えるわね」
「事前に防ぐ為に」
「色々な人が色々な知恵を出してね」
吉能は笑顔でさらに言った。
「それでいい風に利用することもね」
「使うからですね」
「だからよ、私もいい風になって欲しいわ」
犬が二本足で歩く、自分がやってみたこのことがというのだ。
「是非ね」
「それ発表されませんでしたね」
「後は自分でさらに研究、発表していって」
そうしてというのだ。
「見せていきたいわ」
「そうお考えですか」
「そうなの」
「ううん、悪用には対策で」
「利用にはね」
そちらはというと。
「可能性を見せる」
「それが博士のお考えですか」
「注目されれば両方の意見が出て来るし」
「それがいい風になっていく様にですね」
「私としてはしていきたいわ」
「そうですか」
「これからもね」
「わかりました、やっと」
美祐にしてもとだ、こう吉能に話した。
「博士のお考えが」
「わかってくれたのね」
「マッドサイエンティストじゃなかったんですね」
「自分でもその気があると思ってるわ」
「あると思われてですか」
「注意してるつもりよ」
「それも対策ですか」
「そうなるわね」
自分自身でのそれだというのだ。
「多分ね」
「そうですか、あとですね」
「あと?」
「犬だと特に思いませんが」
ここでこうも言った美祐だった。
「若しこれが猫だと」
「猫が二本足で歩いたらっていうのね」
「化け猫ですよね」
それにしか見えないというのだ。
「尻尾が二本あったら完璧ですよ」
「猫又ね」
「それはしないですよね」
「確実に何かありそうよね」
「はい、そんな猫を出したら」
それこそとだ、美祐は吉能に言った。
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