予感
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第四章
「本当によかったわ」
「全くだな」
「九死に一生っていうか」
「そうなっているのかもな」
「そうよね」
「ああ、しかしな」
ここで彼はそのニュースを自分でも観てほっとなっている私に言ってきた。それもかなり真剣に。
「御前何でそんなに勘がいいんだろうな」
「そのこと?」
「何でなんだ?忍者か剣豪みたいだけれどな」
「実家は神奈川だけれど」
「神奈川って確かな」
彼は私の話を聞いて言ってきた。
「忍者いたよな」
「ええと、風魔?」
「北条家に仕えていたな」
この忍者のことは私も知っている、風魔小太郎だ。あと服部半蔵の半蔵門のことも知っている。
「あの忍者じゃないのか?」
「ご先祖様は」
「そうじゃないか?」
「まさか」
「けれどそんなに勘がいいとな」
それこそというのだ。
「そうじゃないのか?」
「忍者の末裔かっていうのね」
「ひょっとしたらな」
「まさか」
「いや、実際に調べてみたらどうだ?」
彼は強い声で言った、そしてだった。
実際に実家に帰った時に母に私のご先祖の話を聞いた、そしてその話を聞くと彼もびっくりした。
「本当に忍者の末裔だったんだな」
「ご先祖様は忍者だったらしいのよ」
しかも風魔だったという。
「北条家にお仕えしていた」
「本当にそうだったんだな」
「そうらしいのよ」
「そのご先祖様の血か」
「どうやら」
「そういうことか、御前忍者だったんだな」
彼は私の話を聞いてしんみりとした口調で言った。
「そういうことか」
「そうみたい、いやご先祖様の血で勘がいいとかね」
「こうしたこともあるんだな」
「そうね、面白いことに」
「じゃあご前ぞ様に感謝しないとな」
忍者のご先祖様にとだ、彼は私に笑って話した。私もその話を聞いて笑った。ご先祖様の血に感謝しつつ。
予感 完
2017・6・24
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