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レーヴァティン

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第三十九話 神の斧その十

「そして醤油だがな」
「俺の場合はそうなるんだよ」
 米とくれば餅になるというのだ、次は。
「やっぱりな」
「そうか」
「ああ、とにかく餅食いたいぜ」
「なら今から食え」
「言われなくてもな、そしてな」
「たらふく食うか」
「五個は食いたいな」
 その餅をというのだ。
「是非な」
「そこまでか」
「あと団子もな」
 そちらもというのだ。
「今日は三色団子を食いたいな」
「三色団子か」
「あれだよ、勿論あれもないんだよ」
 久志があちらの世界でいる西の島にはというのだ。
「それでだよ」
「さっき言ったな」
「そっちも食うぜ」
「餅に団子か」
「それが今日のおやつだ」
「食い過ぎだな」
 餅五個に団子までと聞いてだ、英雄は久志に冷静に返した。
「それは」
「悪いのかよ」
「糖尿病になる」
「ああ、炭水化物は糖分だからな」
 菓子にして主食である米や麦から作っている、それを甘くさせたものが要するに菓子ということだ。
「だからな」
「食い過ぎるとだ」
「糖尿病になるか」
「そうなるぞ」
「身体動かしてるからな」
 久志は英雄の忠告に確かな声で返した。
「だからな」
「それだけ食ってもか」
「すぐに腹が減るんだよ」
「餅に五個に団子でもかよ」
「そうだよ、だからいいだろ」
「俺が糖尿病になる訳でもないしな」
 英雄は久志に淡々とした調子で返した。
「そう言われるとな」
「そこでそう言うのかよ」
「結局はそうだ」
「御前のことじゃないからか」
「そこまで強くは言わない」
 つまり止めないというのだ。
「食えばそれだけ動く」
「それで糖尿病にもならないよな」
「それはその通りだ」
「だからな、身体も動かしてるしな」
「餅と団子を食うか」
「今日もな、あと中国の餅な」
 久志はこちらの餅の話もした。
「点心とかである韮焼き餅とかな」
「あの餅は日本の餅とは違う」
「ああ、小麦を練って焼いてるな」
「どちらかというとパンに近い」
 米の餅ではなく、というのだ。
「そちらだ」
「そうだよな」
「また別の食いものだ」
「あっちの餅も嫌いじゃないけれどな」
「米の餅がいいな」
「餅米で作ったな」
 まさにそちらの餅がというのだ。
「いいからな」
「だからだな」
「今からそっちの餅五個食うな」
「そして団子もだな」
「ああ、三色団子な」
「そうするな」
「わかった、しかし考えてみればな」
 英雄は餅と団子にこだわりを見せる久志のその熱意と熱意が出ている顔を見てそのうえでこう彼に言った。 
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