ドリトル先生と奈良の三山
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第四幕その七
「この奈良市ではね」
「有名な場所じゃないんだ」
「特に誰も行かない」
「そうした場所なのね」
「海自さんの方は観光スポットにもなっているんだ」
こちらはというのです。
「江田島はね、かつては海軍兵学校だったしね」
「ああ、あの」
「帝国海軍の学校ね」
「我がロイヤルネービーをこてんぱんにやっつけた」
「あの物凄く強い海軍ね」
「あの海軍の学校だったしね」
それにというのです。
「今も学校として使っていて」
「観光スポットでもある」
「そうなんだ」
「また機会があったら」
その時はというのです。
「江田島にも行こうね」
「そうだね、ただね」
「空自さんの学校には行かないのかな」
最初にオシツオサレツが先生に尋ねました。
「そちらには」
「行かないの?」
「何か今回の予定にはないっぽいわね」
ポリネシアは今回の先生の旅路について思い出しました。
「この奈良市以外には大和三山も行くけれど」
「空自さんの学校なんてはじめて聞いたし」
ホワイティはこう言いました。
「この奈良市にあるなんてね」
「そうそう、何処にあるかとは考えてもいなかったし」
チーチ―はこの時点で、でした。
「まあ自衛隊にもそうした学校があるにしてもね」
「この奈良市にあるなんて」
ダブダブも今はじめて知ったことでした。
「予想もしていなかったわ」
「行くにしてもね」
今からとです、トートーは言いました。
「もう少ししたら夜だよ」
「もう帰った方がいいよ」
「夜はゆっくり休みましょう」
チープサイドの家族はこう勧めました。
「それに夜だと学校も閉まってるだろうし」
「アポなしみたいだし最初から入れそうにもないし」
「それで言ってもね」
ジップも言いました。
「仕方ないし」
「やっぱり帰ろう、先生」
老馬も先生に言いました。
「今日はこれでね」
「それでホテルに帰ってね」
食いしん坊のガブガブが言うことはといいますと。
「美味しいものを食べようよ」
「うん、行く予定はないよ」
先生は皆に答えました。
「空自さんの学校にはね」
「今回のフィールドワークではだね」
「行かないのね」
「そこ自体に」
「うん、論文を書く対象でもないし」
それでというのです。
「特にね」
「行くこともなくて」
「それでだね」
「今日はもうホテルに帰って」
「ゆっくり休むんだね」
「今日は晩御飯を食べたらね」
そうしたらというのです。
「奈良の昔ながらの街並みに出て」
「あっ、そこでだね」
「美味しいものを飲んで食べて」
「そうして楽しむのね」
「そうしよう、そうしたお店に予約を取っているしね」
既にというのです。
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