MS Operative Theory
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内部図解
コア・ブロック・システム②
——垂直(バーチカル)式—————生存性を重視した初期型コア・ブロック・システム——
胴体内にコア・ブロックを縦方向に収納するタイプのコア・ブロック・システム。RX-78(ガンダム)やMS-010(ZZガンダム)、MSA-0011(Sガンダム)など、U.C.0080年代末頃までの機体に多く見られた仕様。コア・ファイターの兵装やメイン・スラスターがMSの装甲外殻に覆われるためにデッドウェイトとなるが、生存性は向上している。脱出装置としての機能が重視された形態といえる。
■バーチカル式の構造と機能
バーチカル式のコア・ブロック・システムは、MSのパーツがシステムを完全に覆う構造となる。コア・ファイターの装備が使用できないなどの欠点もあるが、高い生存性とデータ回収が容易であるなどの特徴を持つ。
・構造
コア・ファイターがボックス状に変形してMS内部収納される。このためのコア・ファイターの主装備が使用できなくなるが、MSが破壊された後もそれらの装備が使用できるため、高い生存性を発揮する。
・コックピット
MS時にはコックピットの位置が変更される。また、操縦システムの一部もコア・ファイター時とは異なる。
・スラスター
スラスターなどの装備はMSにはデッドウェイトとなる。このため、機体重量の増大などのデメリットを持つ。
■メリット———高レベルのサバイバリティ
コックピットや推進器などのコア・ファイターの主要部分、または全てがMSの装甲に覆われているため、生存性に優れている。特に推進器の保護は、脱出時の飛行能力維持に直結する。
■デメリット———デッドウェイトの増大
コア・ファイターの装備の大半がMS時にはデッドウェイトとなる。こうしたデッドウェイトの増加は、ペイロード問題がシビアな宇宙空間では大きな欠点になりかねない。
——水平(ホリゾン)式—————コア・ファイターの活用を目指したスタイル——
コア・ファイターの主要部分が、MSの胴体と直角に組み合わされるタイプのコア・ブロック・システムで、F90ⅢY(クラスター・ガンダム)やF97、LM312V04(Vガンダム)など、U.C.0100年代以降の小型MSを中心に採用された。コア・ファイターの半分以上が露出するスタイルで、推進器がそのままMSの主推進器となる。コア・ブロックを胴体内に収納しないため、小型MSでも利用しやすい。
■ホリゾン式の構造と機能
コア・ファイターの装備の大部分が、そのままMSでも使用される。U.C.0080年代中期に実用化されていたが、本格的に使用され始めた時期はU.C.0100年代になってからである。特にVタイプMSでは、頭部などのMSの主要パーツがコア・ファイターに搭載されていた。
・構造
MSとの合体時に、コア・ファイターの大部分が露出する。そのため、スラスターをはじめとする装備の多くがMS時にも使用できるという特徴を持つ。またコックピットも機体内ではなく外部に露出する。
・コックピット
コア・ファイターの機首部分が胸部ユニットとなる。コックピットとなる。コックピットのレイアウトはコア・ファイター時とMS時で変化しない。
・スラスター
コア・ファイターのスラスターが、MSの主推進器となる。このため、コア・ファイターの装備がデッドウェイトにはならないが、損傷を受けた場合には生存性が低下する。
■メリット———デッドウェイトの減少
コア・ファイターの推進器が、そのままMS時のバックパックとなるほか、VタイプMSではコア・ファイターの胴体がMSの胸部となるなど、デッドウェイトが極めて少ない。
■デメリット———サバイバリティの低下
耐弾性に乏しい主推進器が露出しているため、被弾時には垂直式と比べて生存性に劣るという指摘もある。これは期待の活用を目指した結果だが、脱出装置としては欠点といえる。
補足事項
——形態で変化するコア・ファイターのコックピット——
FF-X7やFF-XⅡといった初期のコア・ファイターは、MS時とコア・ファイター時でコックピット内のインターフェイスが変化した。これはコア・ファイターからコア・ブロックへの変形の際、シートの角度を変化すること、航宙/航空機とMSでは操縦桿などのインターフェイスの位置やモニターの数が異なっていたことなどに因っている。
後書き
内部図解 了
次回 技術解説 装甲材質
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