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レーヴァティン

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第三十九話 神の斧その五

「九メートルの大きさになると」
「そうそう、捌くとなるとね」
 今度は源三が言ってきた。
「大変だね」
「そうだよな、考えてみると」
「普通の食べものが一番かな」
「いざ食うってなると」
「鹿とか位だね」
「だよな、精々」
「じゃあこれから食べるものは」
「こいつは食うっていうし俺達もだ」
 久志は剛を見つつ述べた。
「食うしな」
「小さくなくかといって大き過ぎない」
 正はこう言ってきた。
「幾ら何でも九メートル以上はないってことだな」
「ああ、精々五メートルか」
「そんなところだな」
「と、なりますと」
 五メートルと聞いてだ、順一が言ってきた。
「マンモスでしょうか」
「そういえばマンモスもこの島にいたな」
「はい、森林地帯に」
「何度かちらりと見たな」
 北の地を進むその中でだ。
「あの生きものを狩ってか」
「食べるというのはどうでしょうか」
「それがいいか、無抵抗でもないしな」
「基本大人しいですが」
 草食性だからだ、ゾウ科の生物は皆草食性である。
「しかし襲われるとです」
「抵抗してくるしな」
「では久志君としましても」
「いいな、じゃあな」
 それならとだ、久志は順一の提案で決めた。
「マンモスを狩るか」
「マンモスを食べるとは」
 進太は久志の決断に唸る様にしていった。
「夢の様ですな」
「はじめ何とかか?」
「左様、あの漫画を思い出したでござる」
「あの漫画のマンモスやけに美味そうなんだよな」
 久志もその漫画を思い出して言った。
「随分と」
「ハムの様で」
「実際あんな風に切れないしあんな切り口でもないだろうな」
 そこは漫画である、よくある骨付き肉も漫画の表現であり現実にあるかというとそうはお目にかかれない。
「しかしな」
「マンモスはマンモスでござるな」
「ああ、食いたいな」
「そうでござるな」
「よし、マンモス狩るか」
 久志は腕を組み決意を述べた。
「ここは」
「一匹狩れば拙者達全員満腹でござるよ」
「それだけの肉は絶対にあるか」
「確実にでござる」
「じゃあマンモス食べられるところに案内するよ」
 剛が素朴に言ってきた。
「そうするよ」
「森の中か」
「うん、あと確実に食べられる場所もあるよ」
「確実に?」
「牧場で家畜にしている村もあるから」
「マンモスもかよ」
 そう聞いてだ、久志は思わず目を見開いて剛に聞き返した。
「家畜にしてる村があるのか」
「知らなかったかな」
「色々な村があるのは知ってたさ」
 久志にしてもだ、伊達にデルフォイでこの島ひいては世界についてこと細かに文献を読んできた訳ではない。
「それでもな」
「地図の上でだったんだ」
「その村の細かい風俗習慣まではな」
 そこまではというのだ。 
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