楽園の御業を使う者
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CAST5
老いる事も死ぬことも無い程度の能力
俺の自我が目覚めたのが三歳の時だった。
そしてその時からパッシブ系の程度の能力が発動された。
パッシブ系というのは俺が便宜上着けた分類で行動しなくても発動する能力だ。
たいしてアクティブ系は行動によって起こる能力だ。
パッシブ系の代表は"ありとあらゆる文字を読む程度の能力"や"道具の名前と用途が解る程度の能力"などだ。
アクティブ系の能力は"境界を操る程度の能力"や"闇を操る程度の能力"などだ。
つまりパッシブ系は勝手に発動しているのだ。
つまり"老いる事も死ぬことも無い程度の能力"が勝手に発動していたのだ。
つまり俺は三歳で一時的に不老不死になった。
そして背が伸びないまま二年程経ち、ようやく気づいた。
俺は直ぐ様境界を操る程度の能力を使い、『不老』の概念を封印した。
そして俺の体は成長を始めた。
つまり俺は周りよりも背が低い。
更に俺はエリカと双子だ。
二卵性だが結局は似た遺伝情報を持つ。
つーことは俺は美形になるんだけども…
ぷちん…
「俺は男だ!しかもお前らより歳上だバッキャロー!」
会う人会う人から女の子と間違われるんだぞ!?
いい加減にして欲しい!
「男………?達也兄様?」
「ああ、間違いなくコイツは男だしお前達の一つ上だ」
「私男の娘って初めて見ましたわ…」
「テメェの隣に居るだろうが」
と黒羽文弥を指差す。
「だ、誰が男の娘だ!」
「お前だよお前。女装とか似合いそうだぜ」
「お前には言われたくない!」
「んー…文弥を着せ替え人形にするのは飽きたしなー…
ねぇ、貴方、やっぱりコレ着てはいかが?」
と、再びゴスロリドレスを突き出す。
「却下だ!」
「まぁ、そう言わずに…」
ウフフ…と笑いながら黒羽亜夜子が歩いてくる。
「おい!相棒!この女をどうにかしろ!
具体的には俺から遠ざけろ!」
「…………………頑張る事だ」
「ヲイィィィィィィ!?」
その後黒羽亜夜子の猛攻を避けきり、俺はプライドを死守したのだった。
「はぁ…はぁ…なんで…つかまえられないんだろう…?」
おーい、素が出てるぞー…
「テメェごときに捕まるような鍛え方はしてねぇんだよ」
しかも能力も使ったし。
「すごい…姉さんから逃げ切るなんて…」
「お前も苦労してるんだな…」
「うん…文弥でいいよ」
「白夜でいいぜ」
「「はぁ…」」
凄く下らない事で分かり合うのだった。
「あ、達也」
「なんだ?」
「妹ちゃんはどうしたんだ?」
「深雪は…深夜様の所だ」
「ふぅん…深夜様ねぇ…挨拶とか行った方がいいか?」
「いや、先日の件で体調を崩されている」
たしか、この件が原因で死ぬんだったか…
なら…
少しくらい、改変してもいいだろう…
「そうか、ならやめとく」
コンコン…
「葉山です」
「どうぞー」
ノックに続いて聞こえた声に、黒羽亜夜子が答えた。
入ってきたのは執事服を着た老紳士だった。
葉山…執事長だったっけ?
「文弥様、亜夜子様、白夜様、真夜様がお呼びです…
達也君、お三方を食堂に案内してください」
「承知しました」
そして彼は部屋を後にした。
「達也、彼は?」
「葉山さんは真夜様の付き人で四葉家使用人の統括をしている」
「執事長であってる?」
「その理解で構わない」
やっぱりか…
真夜さんの付き人…って事は葉山さんって真夜さんのガーディアン?
「三人共、行けるか?」
「構わん」
「いいですわ」
「いいよ」
上から俺、黒羽亜夜子、文弥だ。
「じゃぁ、行くか…」
達也に連れられ、俺達は食堂へ向かった。
後書き
とりあえず、1日五話ずつ投稿して、書いている分を吐き出します。
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