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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0292話『艦娘達のシンちゃんに対する期待』

 
前書き
更新します。 

 





明石が本格的に薬の開発に時間を取るようになってから結構忙しくなってきている感じがする鎮守府。
それの噂は駆逐艦のコミニティの間でも結構されている。
駆逐艦寮の休憩室の一角で朝潮や五月雨など複数の駆逐艦娘の一同が話をしていた。

「やっぱり明石さんの力は凄いですね。シンちゃんにもしまた会えるのでしたらこの朝潮、思う存分司令官の代わりに面倒を見る所存です」
「あはは……朝潮ちゃんも結構シンちゃんにのめり込んでいますね。やっぱりあの進水日の日の思い出が忘れられないんですか……?」

五月雨がそう聞くと朝潮は顔を薄っすらと赤く染めて、

「はい……もちろん司令官が用意してくれていた事も知っていますから感謝してもしたりません。でも、シンちゃんはまだそんなに私達の事も知らなかった中で司令官の思いを引き継いで私にプレゼントをくれたのです。だからその思いに応えたいです」

グッと拳を握る朝潮の姿に五月雨は微笑みながらも、

「それじゃ提督と榛名さん、シンちゃんが完全に分離できましたらシンちゃんの歓迎会の用意でもしましょうか」

手を合わせてそう五月雨は提案をする。
それに一緒に聞いていた他の子たちも揃って「さんせー!」と声を上げているほどであった。






軽巡の寮の方でもシンちゃん及び提督達の分離の話題が出ていた。

「なんかその件では夕張も一枚噛んでいるらしいのよ……」

由良がそんな事を話す。
それに阿武隈が、

「そうなんだー。まぁ夕張も結構工廠に行く機会が多いから手伝いをさせられているんだろうね」
「そうだねー。あの夕張のことだから気前よく手伝っているらしいよ」
「北上さんもそう思うのですか? まぁ、シンちゃんは可愛かったですからね。仕方がないですね」
「だが、分離した後はどうするつもりなんだろうな? 一番精神年齢が近い海防艦とかに任せておけばいいと思うが、出撃も出来ないんじゃ鎮守府にいる意味がないぞ?」

木曾のその発言に一同は「そうね……」と呟く。

「でも、数日しか会ってなかったけど結構いい子だったから艦隊運営には支障はきたさないんじゃないかな? だから提督がどうにかしてくれるわよ。いざって時は香取さんか鹿島さんに教育をお願いすればいいと思うし。最近出番が少ないから張り切ってやってくれると思うし……」
「でもさー。香取はいいとして鹿島っちはシンちゃんの事、襲わないかな……?」
「大丈夫、ではないでしょうか? 北上さん」
「大井姉。言葉が上ずっているぞ……?」
「うるさいわね木曾。少しは心配になるのも分かるでしょ?」
「まぁな……」





そして重巡寮でも、


「パンパカパーン! もしシンちゃんが普通に暮らすようになったらいっぱい面倒を見ましょうね!」

手を広げて目を輝かせる愛宕はもう育てる気全開であった。
そこに高雄がツッコミを入れる。

「まったくもう……うちの鎮守府は人はいるんだから交代制でもいいでしょうに。今からそんなにはしゃいでいちゃ身が持たないわよ?」
「えー? でもでもーシンちゃんは可愛いからいいじゃない?」
「あのよ、姉貴。シンちゃんははっきりと言っちまえば榛名の小さい姿と言ってもいいんだぜ?」
「でも摩耶。どちらかというと性格は小さい頃の提督なのでしょう? それなら外見はあまり気にしないでいいんじゃないかしら?」
「ま、そうだけどなー」

そんな感じで高雄姉妹ははしゃいでいるのであった。
それを見つつ眠そうな顔をした加古はというと、

「まぁ子供だから一緒に寝たら温いんだろうねー」
「もう加古はすぐに眠る方面に話を持っていっちゃうんだから……」

すでに加古の抱き枕になる事が決定していた感じであった。





そして戦艦寮では金剛達がいざ来るであろうシンちゃんに対して熱意を燃やしていた。

「さーて、霧島に比叡! ワタシ達のところに榛名が帰ってくると同時にテートクの生き写しであるシンちゃんがやってキマスヨ! 言わばシンちゃんはワタシ達の妹も同然ネ。思う存分可愛がってアゲマショウ!」
「はい、金剛お姉さま。この霧島、教育マニュアルをお作りしますね。ぜひともシンちゃんには私がコーディネートした服を着てもらいたいです」
「あちゃー……霧島も結構悪乗りしてるね。まぁ妹分が増えるんだから私も歓迎かな? そしたら私の料理でも食べさせて……」
「「それだけはやめて……シンちゃんが死んじゃうから」」
「そんなー……」

金剛と霧島の二人に必死に止められていた比叡だった。






特殊艦の寮でも秋津洲が瑞穂たちと一緒に話をしていた。

「あー、早くシンちゃん来ないかなー? また一緒に遊ぶかも!」
「秋津洲さんは前にシンちゃんの面倒を見た事があるのでしたよね」
「そうかも! とっても素直で可愛かったかも!」
「でしたらこの神威も育てるのを頑張りたいと思います」
「みんなで育てましょうね!」

速吸や他のみんなも話に混ざってきて期待を膨らませていた。





そして空母寮では鳳翔さんが自室で手編みをしながらも、

「よし……こんなものでしょうか」

鳳翔さんの手にはシンちゃんのために作っていたのだろう手編みの服が持たれていた。
提督の服も複数作っている鳳翔からしてみればシンちゃんの服を作るくらいは苦労も何もないのである。

「うふふ……また一緒に寝られたら嬉しいですね」

一人鳳翔さんは胸をときめかせていた。








最後にやってきたのは執務室。
そこでは提督が噂でもちきりの現状に頭を悩ませていた。

「うーん……まぁシンちゃんの話題で持ちきりになっても仕事はちゃんとしてくれるからいいんだけど、なんかジェラシーを感じる……」
《あはは。提督ももっと皆さんと仲良くしたいって事じゃないですか?》
「そうなのかもなー……」

提督の事を慰めつつも榛名もいつか来るであろう分離の日を心待ちにしているのであった。


 
 

 
後書き
更新記録が途切れると集中力も途切れちゃいがちですよね。
もう少しで完結もしそうですから結構間が開く事が多くなるかもですね。





それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。 
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