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おぢばにおかえり

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第四十三話 阿波野君が気に入れられてその六

「行ってきたら?一緒にね」
「そうだな、お昼も何処かで食べてな」
 お父さんも明るく笑いながら言ってきました。
「そうしてきたらどうだ?」
「いいわよね」
「いいって」
「ハンバーガーでも食べたらどうだ?」
「お小遣いあるでしょ」
「あるけれど」
 基本無駄遣いしないのでお小遣いはあります、何か寮に入ってからお金を使う機会がこれまで以上に減っています。
「それでもね」
「嫌か?外で食べるのは」
「ちょっとね」
「あっ、じゃあお金は僕が出しますよ」
 阿波野君が笑って言ってきました。
「そうしますけれど」
「いいわよ、そんなの」
 私はすぐに断りを入れました。
「お金出さなくても」
「いいんですか?」
「後輩の子に出してもらうつもりないから」
 このことは何か凄く悪いと思いますから。
「自分の分は自分に出すわ」
「そうですか」
「図々しいの嫌いだから」
 そうした人は好きになれないです、あと厚かましい人もです。
「だからね」
「じゃあ」
「お弁当持って行ける?」
 お父さんとお母さんに尋ねました。
「それなら」
「お弁当?」
「そう、お外で食べるにしてもね」
 それでもとです、お母さんに言いました。
「ハンバーガーとかラーメンって気分じゃないし」
「それになのね」
「阿波野君にお金出してもらうことも」
 阿波野君を見ながらお母さんにさらに言いました。 
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