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椿の力

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第二章

「これまでと」
「ああ、病院に入った瞬間にな」
「雰囲気変わったわね」
「これ何だよ」
 京志郎は驚愕の顔でこうも言った。
「一体」
「ううん、まさかね」
「ひょっとしてこれがか」
「椿さんの雰囲気かしら」
 彼女も京志郎に言った。
「これが」
「こんなに強烈な癒しの力があるのかよ」
「そうじゃないかしら」
「これは凄いな」
「そうね」
「しかしな」
 京志郎は必死に厳しい顔になり彼女に顔を向けて言った。
「癒しと戦いは違うだろ」
「だからなのね」
「ああ、実際にな」
「これから椿さんとお会いして」
「確かめるからな」
 自分のその目でというのだ。
「あの人が戦えるかどうか」
「大阪二十六戦士の一人として」
「そうするからな」
「だから今から」
「椿さんのところに行こうな」
「じゃあまずは何処におられるか聞きましょう」
「そうするからな」
 京志郎は彼女に言った、そしてだった。
 椿のいる場所に向かった、彼は今は休憩室にいてそこで一人でくつろいでいたが二人は彼のいるその部屋に入った瞬間にだった。
 瞬く間に落ち着いてだ、和み。
 椿にだ、こう挨拶をした。
「はじめまして」
「鶴見椿さんですね」
「はい」
 椿は二人に穏やかな笑顔で答えた。
「僕が鶴見椿です」
「大阪二十六戦士の」
 京志郎はこれ以上はない位和やかな顔で椿に尋ねた、病院に入るまでも確かめてやるという挑戦的な態度はなくなっていた。
「その」
「はい、ですが戦うことは」
「ないのですか」
「戦う場には出ます」
 それ自体はするというのだ、大阪二十六戦士の一人として。
「ですがそれでもです」
「戦うことはですか」
「拳や武器では」
 戦わないというのだ。
「仲間の戦士を癒しそして」
「椿さんご自身がですね」
 京志郎の彼女が彼の横から椿に尋ねた。
「戦場に立たれると」
「はい、敵は僕を見ますと和み」
 そうしてというのだ。
「戦意をなくし心を入れ替えてくれます」
「だからですね」
「僕も戦場に立ちます、強い相手には椿の香りで」
 今も醸し出しているそれでというのだ。
「眠らせることも出来ます」
「それが椿さんの戦い方ですね」
「そうです、僕は武器も拳も使いませんが」
 それでもというのだ。
「僕のそうした力で戦いそして」
「人をですね」
「癒し治しています」
「そうした戦士も必要なんですね」
 京志郎は唸って言った。
「戦いの中には」
「市長さんにそう言ってもらっています」
 笑顔でだ、椿は京志郎に答えた。
「大阪の街と市民の人達を護ってくれると」
「椿さんもまた」
「そう言ってくれていまして」
「戦士をやっておられますか」
「はい」
 その通りだとだ、椿は京志郎に答えた。 
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