ヘタリア学園
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第六千八百七話 傾いて
第六千八百七話 傾いて
黄門様は若い時傾いていました、それはどうしてだったかといいますと。
「立派な方だったので跡継ぎに選ばれたのですが」
「それはいいことでは?」
タイは日本のコメントに首を傾げさせました。
「立派な方と認められて」
「いえ、実は三男さんだったのです」
「お兄さんがおられたのですか」
「ですがお兄さんを差し置いて自分がとなりまして」
そう考えてというのです。
「一時期傾いておられました」
「それで傾奇者だったのですか」
「そうだったのです、ただ外道なことはされませんでした」
その代わりに薩摩藩の人みたいな肝の太さが逸話に残っています。
「正しい傾奇者でした」
「そこは織田信長さんみたいですね」
「言われてみればそうですね。それで行いもやがてあらたまり」
傾きはあくまで若い時だけでした。
「お兄さんのご子息を跡継ぎにされて収まりました」
「自分の代わりにですね」
「そうです」
そうした複雑な経緯もあったのです、黄門様はそうした儒学における規範をちゃんとわかっていた人でした。
第六千八百七話 完
2018・1・22
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