転生とらぶる
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ペルソナ3
1937話
影時間の中、俺達は当然のようにタルタロスに挑んでいた。
予想通りと言うべきか、山岸の一件でイレギュラーシャドウを倒した事により、40階にあった封印は解除されていたのだ。
その事を嬉しく思いながら、俺達はタルタロスに挑戦して、戦いながら進んでいた。
「そうか、それは悪い事をしたな。出来れば顔を出したかったんだが、こっちでも色々とあってな」
そう告げたのは、荒垣。
満月の時には連絡がつかなかった荒垣だったが、山岸が桐条達のパーティに所属してから少しすると、再び連絡が来たのだ。
「そうだな。結構厳しかったし、出来ればもっと早く連絡が欲しかったんだがな。で? 何があったのかは聞いてもいいのか?」
「……いや、今回の件は俺の方で片付ける必要がある話だ。アルマー達に迷惑は掛けたくない」
ニット帽で目を隠しながら、荒垣がそう告げる。
この様子だと、強引に聞いても絶対に口を割るような事はないな。
聞くだけ無駄か。
荒垣の性格を考えれば、意地を張ってるのは確実だ。
だが、それを何故だと言っても、本人は絶対に納得しないだろう。
……勿論本当に危ないようであれば、こっちも手段を選んだりはしない。
だが、今の荒垣の様子を見る限り、まだそこまでの事態になっていないのは確実だった。
取りあえず、この話をこれ以上するのもどうかと思い、話題を変える。
「そう言えば、封印を破って次の階に来たのに、出てくるシャドウは今までと対して変わらないな」
「そうか? まぁ、ファントムメイジの色違いだったけど、そういう意味だとシャドウは元々色違いが多いだろ」
「……そう言えばそうだな。いわゆる、2Pカラーって奴か」
となると、恐らくこのペルソナ世界の原作は漫画とかアニメとかじゃなく、ゲームだな。
色違いのシャドウが出てくるという事で、何となくそんな予想が出来る。
勿論アニメとか漫画でも敵キャラが色違いとして出てくる可能性が皆無とは言わない。言わないが……やっぱりゲームの可能性が高いのは、間違いないのだ。
「アクセル、荒垣さん、そろそろ先に進みましょ」
ゆかりの言葉に軽く手を挙げて答え、俺と荒垣はタルタロスの中を進んでいく。
そうして次に姿を現したのは……
「炎と氷のバランサー……の、色違いか」
またもや姿を現した色違いのシャドウに、そう呟く。
だが、ただの色違いではあっても、新種のシャドウであるのは間違いない。
色違いという事は、恐らく炎と氷ではなく他の属性の攻撃をしてくる可能性が高いか。
「気をつけろ、イオの苦手な雷の属性攻撃をしてくる可能性があるぞ!」
「っ!? 分かったわ!」
勿論本当にそのような攻撃をしてくるとは限らないのだが、可能性としては十分にある。
そんな俺の予想を肯定するかのように……
「ジオンガ」
「ちぃっ! カストール!」
十字架のシャドウが、イオの苦手な雷系の魔法のジオンガを使うのと、どのような理由かは分からないが、それを察知した荒垣がカストールを盾にするように前に出すのは、殆ど同時だった。
「ぐぅっ!」
カストールの感じたダメージがショックとして逆流してきたのか、荒垣の口から苦悶の声が漏れる。
だが、そんな荒垣の対処は間違ってはいなかった。
雷系の魔法を弱点としているイオだったのだから、ジオンガ……雷系の単体中級魔法と思われる魔法を使われれば、かなり大きなダメージを受けていただろう。
そんなイオに比べて、カストールは特に弱点らしい弱点はないペルソナだ。
騎士型だけあって、壁役という意味ではこれ以上ない程に最適な存在だろう。
勿論、壁役であってもダメージは受けるのだから、出来るだけ向こうが攻撃をする前に動いた方がいいのは間違いないのだが。
「イオ、突っ込んで!」
そんなゆかりの命令に、イオは敵に向かって突っ込んでいく。
敵シャドウは、炎と氷のバランサーの色違いのシャドウだ。
当然その姿形は何ら変わっておらず、バランスは非常に悪い。
そうして突っ込んでいったイオは、得意の轢き逃げクラッシュを行い、シャドウを床に倒す。
そこにゆかりのショートボウ……ではなく、重藤弓から射られた矢が襲い掛かった。
ショートボウでは少し威力不足を感じていたゆかりの為に、桐条グループに頼んで用意して貰った新しい弓。それが重藤弓だ。
当然無料という訳ではなく、預けてあったマジックアイテム幾つかと引き替えといった形になったのだが、ゆかりの武器の強化は可能な限り必須だった。
それは、荒垣の武器も同じだ。
以前使っていた物より強化された、オーガハンマーを手にしているその様子は……正直なところ、子供が夜に荒垣を見れば、間違いなく泣き出してしまいかねない程の迫力を醸し出している。
もっとも、凶悪な外見だけに、その威力は十分強力で満足出来るものだったが。
いや、正直なところを言えば、もう少し武器の威力は強くてもいいと思わないでもない。
しかし……現在桐条グループで用意出来るのはこの武器が最善だという事になったのだ。
勿論、頼めばもっと強力な武器を入手も出来るだろう。
だが、そうなると……強力な武器に頼り切りになってしまいかねない。
強力な武器を使うのが悪いのではない。武器に使われるのが悪いのだ。
武器は、あくまでも使うものであって、使われるものではない。
その辺りの判断は、ゆかりや荒垣にも理解出来ているのだろう。
今以上の武器が欲しいとは、言わないのだから。
……もっとも、強力な武器云々という話になれば、正直なところ俺がどうこう言えるような事ではなかったりもするが。
何故なら、俺が普段から使っているゲイ・ボルグは強力無比な武器なのだから。
それこそ、ゆかりや荒垣……いや、桐条達が使っている武器と比べても、ゲイ・ボルグよりも強力な武器はまずないと言ってもいい。
このタルタロスであれば……もしかしたら、本当にもしかしたら、上の階に向かえばこのゲイ・ボルグよりも強力な武器がないとも限らないのだが。
「やった!」
喜びの声に視線を向けると、シャドウを倒して嬉しそうにしているゆかりの姿があった。
荒垣の表情も慣れた者でなければ見分ける事は出来ないだろうが、それでも微かに唇が嬉しそうに綻んでいた。
この辺り、見分けがつくようになったのは、嬉しい限りだ。
もっとも、男のそんな部分を見て喜べるかといえば……これはまた微妙なところ、か?
「さて、取りあえず先に進むぞ。出来れば来月の満月になるまでに、封印されている階まで行きたいからな」
これまでの経験からすると、タルタロスというのは一定の階層まで進むと、それ以上は封印されており、満月に出てくるイレギュラーシャドウを倒さなければ先に進めないようになっているらしい。
であれば、次の満月が来るまでの間に……そしてなるべく早く封印の階まで移動しておきたいと思うのは、決して間違ってはいないだろう。
「そうね。……けど、また長いんでしょうね」
若干うんざりとした様子で告げたゆかりだったが、何気に荒垣もその言葉に同意するように頷いていた。
まぁ、その気持ちも分からないではない。
基本的にタルタロスは1階ずつがかなりの広さを持つ。
それこそ、外見から見て絶対に空間的な拡張がされているだろうと、突っ込みたくなるくらいには。
で、先月は17階から40階。
23階のタルタロスを攻略した訳だ。
勿論、番人シャドウのいる場所はダンジョンになっていなかったりするのだが、それでも何だかんだでダンジョンを攻略していくのは面倒だ。
おまけに番人シャドウのいる場所まで到着しなければ、また同じだけの階をクリアする必要がある。
更には、普通の階は毎日のように構造が変化するのだ。
これがなければ、マッピングをしたりして進む事も出来るんだが。
……これがどれだけ続くのかは分からないが、いっそスライムを使って手っ取り早く探索をした方がいいのかもしれないな。
勿論スライムについては出来るだけ隠しておきたいというのは間違いのない事実なのだが。
「とにかく、番人シャドウのいる階までは、階段を見つけたらすぐに上に行くぞ。しっかりとした探索は、それこそ封印されている階まで到着してからでもいいし」
俺の言葉に、異議なしとゆかりと荒垣の2人は頷く。
この2人も、やっぱりタルタロスの探索を延々と続けるのは面倒になっていたのだろう。
そうして俺達は見つけた宝箱は開けつつ、遭遇したシャドウも倒すというのは変わらないものの、次から次にタルタロスを攻略していく。
その途中で得たマジックアイテムの類はそれなりの数になったが、空間倉庫がある俺にとっては、その程度は特にどうという事もない。
ないんだが……有里達は、宝箱から入手した代物をどうしてるんだろうな?
俺みたいに空間倉庫かある訳じゃない以上、全部持って帰る……という訳にもいかない筈だ。
そのような真似をすれば、それこそシャドウとの戦闘で苦戦するのは間違いないのだから。
ああ、でも魔法を宝石に封じ込めている奴とかだと、持ち運ぶのにそこまで苦労はしないか。
……いっそ、ペルソナは召喚出来ないが影時間に対して適性のある幾月辺りを、荷物持ちとして連れてくれば、面白い事になりそうなんだけどな。
そんな風に考えながらも、次々と上に上にと進んでいき……やがて、47階に到着する。
47階が番人シャドウのいる階だというのは、それこそここに上がった瞬間理解出来た。
「今回は47階だったか。思ったよりも早かったけど……こうなると、次の番人シャドウまでがかなり長くなりそうな気がするな」
「ちょっと、あまり馬鹿な事を言わないでよね。それが現実になったらどうするのよ」
フラグって奴だな。
もっとも、俺の場合は色々な意味でフラグを破壊してきた経験を持つ。
まさに、フラグクラッシャーと呼ぶに相応しいだけの実績は持っていた。
……いつだったか、長谷川に別の意味でフラグ建てまくりだろうが、とか言われた事もあったが、それはそれ、これはこれ。
ともあれ、現在の俺はフラグがあろうとなかろうと問題なく突き進むのみ。
「番人シャドウは、王冠を被った黄金のカブトムシ、数は3匹。……となると。それぞれ1匹ずつだな」
姿を現した黄金のカブトムシを見て、そう告げる。
もっとも、番人シャドウとして姿を現す以上、間違いなく普通に出てくるシャドウよりも強敵の筈だ。
となると、ゆかりと荒垣も結構苦戦するという可能性はある訳だが……その辺りは、これも修行と思って頑張って貰おう。
当然のように俺が協力すれば、勝つのはそう難しくはないだろう。
だが、ゆかりと荒垣の2人にとって、強敵と戦うというのは間違いなく糧となる筈だ。
下手に俺が加勢すれば、その成長のチャンスを奪ってしまう事にもなりかねない。
そんな訳で……俺は、ゲイ・ボルグを使ってあっさりと番人シャドウの1匹を倒すと、ゆかりと荒垣の戦いを眺める。
幸いと言うべきか、番人シャドウはイオが得意とするガル系、カストールが得意とする物理攻撃系に対して無効化するような耐性はないらしく、着実にダメージを重ねていっている。
向こうのシャドウは物理攻撃を主体としているらしく、イオが苦手としているジオ系の魔法を使ってくる様子もない。
ただ、物理攻撃を得意としている分、黄金のカブトムシの動きは素早く、そして一撃は強烈だ。
黄金のカブトムシも、攻撃を当てる為には間合いを詰めなければならず……同じ間合いで戦うカストールを操る荒垣にとっては、かなり戦い易い相手ではある。
だが、ゆかりは違う。
イオの突撃という例外的な攻撃はあれど、基本的にゆかりの攻撃方法は弓やイオの魔法……つまり、中距離から遠距離といったところだ。
そうである以上、多少攻撃を食らっても怯む事なく突っ込んでくる黄金のカブトムシは、ゆかりにとって相性が悪い存在と言えるだろう。
もっとも、この手のタイプの敵とは今までにも何度も戦ってきている。
全く同じ対応は無理だろうが、それでも応用する事は難しくはなかった。
「はぁっ!」
重藤弓という新しい弓から射られた矢は、真っ直ぐに黄金のカブトムシに向かって飛んでいく。
高い防御力と流線型の身体をしている事により、鏃が刺さるという事はない。
いや、もっと強力な弓を使い、鏃も鋭い物に変えれば分からないが……取りあえず、今のゆかりの武器ではどうしようもなかった。
だが、それはあくまでも胴体を外側から狙えばの話であり、関節の隙間といった場所を狙えば、話は違う。
足の関節を貫かれ、バランスを崩してひっくり返ってしまえば……もうその時点で、黄金のカブトムシにとっては詰みだろう。
事実、ガルとイオの突撃により、あっさりと黄金のカブトムシは倒されたのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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