レーヴァティン
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第三十七話 極寒の地その六
「魂から戻ってもらうか。魂は転生するまでは何時でも戻ることが出来るから」
「蘇られるよな」
「だからね」
それ故にというのだ。
「復活させるかだよ」
「持ち主が転生していたらもう屍焼き尽くして終わりか」
「そうなるよ」
「倒し方自体は単純だな」
「吸血姫は強いけれどね」
アンデットの中ではかなり高位であるとされ術を使うことも多い、この辺りゾンビやミイラ男やスケルトンとは違う。
「あと生命力も吸い取るし」
「それが強いよな」
「アンデットの中でもね」
そうだというのだ。
「だからね」
「余計に強いな」
「そうだよ」
「生命力を吸い取る、エナジードレインだな」
「それやられたことあるかな」
「ないな」
これまではとだ、久志は淳二に答えた。
「そうしたことをするアンデットにはな」
「会ってないんだね」
「そうなんだよ」
「遭遇すると鬱陶しいから」
そうしたことをしてくるアンデットはというのだ。
「おいらは吸い取られたことはないけれど吸い取られたことのある人の話を聞くと」
「辛いか」
「そうみたいだよ」
こう久志に話した。
「エナジードレインはね」
「生命力を吸い取られるからな」
「普通に攻撃を受けるのとはまた違うよ」
傷付くのはというのだ。
「だからね」
「吸血姫とかと戦う時はか」
「アンデッもね」
「高位になるとか」
「エナジードレインはするからか」
「気をつけてね」
「わかったぜ、吸血姫は気をつけるな」
こう淳二に答えた。
「それで大蒜はな」
「これからはだね」
「持って行くな」
そうするというのだ。
「栄養の為にも」
「お肉の味もよくするしね」
「そうしていくな、じゃあ食ったら」
「寝ようね」
「そうしような、トイレに行きたくなったら」
「ちょっと外に出てね」
「すぐにここに戻ってな」
ことを済ませたらすぐにというのだ、さもないと身体が寒さで凍ってどうしようもなくならかである。
「寝ような」
「どうしても用は足さないといけないけれどね」
生理現象だ、こればかりはどうしようもない。
「それでもね」
「すぐに戻らないと死ぬな」
「その後は体温も下がるし」
「余計にそうしないとな」
「そういうことでね、じゃあね」
「食ったら寝るか」
「毛布もあるし」
それにくるまってというのだ、こうした万全の備えをしてだった。一行はテントの中でじっくりと休んだ。
そしてだった、三日後の朝だった。久志は憮然とした顔で雪原の中を歩きつつ仲間達にこうしたことを言った。
「全く、あれからな」
「ずっとでしたね」
「起きても吹雪なんてな」
「しかも今朝まで」
「何でこうなるんだよ」
「これがこの地域ということですね」
順一は少し苦笑いになって久志に応えていた。
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