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ドリトル先生と奈良の三山

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第二幕その五

「あそこの鹿達はすぐに仕返しをしてくるから」
「悪戯をしたりしたら」
「それでなんだ」
「すぐに仕返しをしてくる」
「そうしてくるんだ」
「油断したらね」
 その時にというのです。
「だから気をつけるんだよ」
「わかったよ」
「鹿さん達にはだね」
「そうしたことをしない」
「それが大事ね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「だから気をつけてね」
「というか誰にも何にも悪戯をしない」
「それが大事ね」
「そもそもね」
「紳士的にね」
「そうしていこう」
 こうお話してでした、そしてです。
 列車は神戸から大阪に入ってです、それから。
 奈良に向かいます、その電車での旅の中で。
 先生は笑顔で、です。皆に言いました。
「お昼を食べようか」
「あっ、そうだね」
「もういい時間だね」
「それじゃあね」
「今からね」
「お昼を食べよう」
「お弁当を買ってるから」
 駅弁をです。
「それを食べようね」
「今からね」
「そしてだね」
「奈良に行く」
「そうなるね」
「そうだよ、ただね」
 こうも言った先生でした。
「奈良のお弁当は買ってないよ」
「奈良に行くけれど」
「それでもなの」
「そっちのお弁当は買ってない」
「そうなの」
「そうなんだ」
 こう皆にお話しました。
「楽しみは奈良に着いてからだね」
「奈良だと柿の葉寿司?」
「お弁当なら」
「そっちかな」
「そうだよね」
「柿の葉寿司は向こうでも食べられるからね」
 先生は皆にあっさりと答えました。
「だからね」
「それでなんだ」
「奈良のお弁当は買っていなくて」
「他のところのお弁当をなんだ」
「それを食べるんだ」
「そうだよ、色々買ったから」
 その駅弁はというので。
「皆で色々食べようね」
「うん、わかったよ」
「それじゃあね」
「皆で駅弁食べながらね」
「奈良に行きましょう」
「そうしましょう」
「そうしよう、あと奈良で美味しいのはお素麺だよ」
 先生はにこりと笑ってこちらの食べもののお話もしました。
「三輪素麺だよ」
「ああ、日本の麺類だよね」
「あのとても細い」
「あの麺類は奈良なんだ」
「奈良が有名なのね」
「そうだよ、だからそれも食べようね」
 三輪素麺、それもというのです。 
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