憑依先が朱菜ちゃんだった件
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第11話 改訂版(2018/11/07)
前書き
おはこんばんにちは、沙羅双樹です。
本当なら01/01か01/02に投稿したかったんですが、1週間ほど投稿が遅れてしまいました。
今回はシス湖(というか湿地帯)の戦いの前哨戦といった話なんですが、初のスーパー宝貝使用回だったりします。
どのスーパー宝貝が使用されるかは、本編で確認してみて下さい。(笑)
それでは本編のスタートです!!
【視点:リムル】
今回の豚頭族の軍勢との戦に参戦する者達――俺を含めて総勢301の軍勢が里を出発してから丸1日。
特殊技能【忍法】を持つ者が嵐牙狼族と同等の移動速度を出せるということもあって、既に蜥蜴人族の集落があるシス湖まで半日足らずという所までやって来れた。
トレイニーさんからの事前情報で豚頭族の軍勢がシス湖に現れるのは約2日後。つまり、残りの移動時間を考慮しても1日半分は時間的余裕があることになる。
そんな訳で俺達は大戦前の休息として野営をすることにしたんだが、野営の準備中に招かれざる客がやって来た。
「おっ?お前ら、大鬼族か?蜥蜴を追い立ててたら予想外の獲物と鉢合わせたな」
1体の蜥蜴人族と50体の豚頭族が転がり込んできたんだ。しかも―――
「数は大体300って所か?喰い応えがありそうだ。お前ら、遊びは終いだ。蜥蜴諸共、こいつらもぶっ殺して俺達で食っちまうぞ!」
「「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」」
「「「「「腹減ったぁぁぁ!」」」」」
「「「「「は、早く喰いてぇ」」」」」
豚頭族は某世紀末漫画で瞬殺されるモヒカン共を彷彿させる奴らだった。こういう奴らは大概瞬殺――
「痴れ者め」
――される。って、言ってる間に朱菜が何かやり始めた!?今、ヴンって音が聞こえたぞ!!って、今度はヒュンヒュンヒュンってロープを振り回す様な音が!!?
朱菜をよく見てみると、その手にはいつの間にか真紅の鞭が……。あれはスーパー宝貝・禁鞭!?使える者が居ないってことで、結界を施した宮殿内の宝物庫に保管してたよな?何で朱菜が持ってんの!?
あぁ!そうこうしてる間に豚頭族の部隊がバシバシバシって音と同時に上位個体だけを残して周辺の木々諸共蹂躙されてる!!全員、禁鞭で打ち据えられてバラバラ死体に!!
上位個体だけは禁鞭の打撃で両手足を千切り飛ばされた達磨状態だけど一応生かされてる。……けど、手足を斬り落とされた状態じゃ、出血多量でそんなに長くないか?
俺がそんなことを考えていると、紅麗と白老の2人が同時に俺の肩に手を置き、これまた同時に達磨豚頭族と朱菜を指さしてきた。
一体なんだよ?…………あれ?達磨豚頭族の傷口からいきなり黒炎が発生したぞ!これは傷口に塩を塗る程度の痛みじゃないだろう。達磨豚頭族も絶叫してる!
あっ、黒炎が消えた。……成程、出血多量で殺さない為に黒炎で傷口を焼いて止血したのか。けど、この方法って下手したらされた側がショック死する様な気も……。
まぁ、いいか。実際の所、達磨豚頭族は死んでないし。これで情報を聞き出すくらいはできるだろう。俺がそんなことを考えていると―――
「リムル様に悪意を向けるなど、万死に値します。ですが、あなたは色々と情報を持っていそうなので簡単には殺しません。というか、楽に死ねると思わないで下さいね」
朱菜が極上の笑顔(ただし、目は笑っていない)でそう告げると、達磨豚頭族の顔から一気に血の気が引いた。
………そして、豚頭族部隊の殲滅から2時間後。達磨豚頭族は蒼月と蒼影による拷問で体をズタボロにされるだけでなく、朱菜の幻術によって精神までズタボロにされ、息を引き取った。
っていうか蒼月と蒼影だけでなく、朱菜と紫苑も結構エグい拷問するんだな。俺も若干引いたけど、蜥蜴人族の娘なんてドン引きしてるよ。
まずはぶりぶり拷問から始まったんだけど、朱菜と楽しそうに「ぶ~りぶりっ」って声掛けをして、紫苑がその声掛けに合わせて逆さ吊りの達磨豚頭族をこれまた楽しそうに木遁で作られた木刀でシバくんだよ。しかも、途中で紫呉が―――
「中々情報吐かないな。いっそのこと爆刀・飛沫でぶりぶりするか?」
なんて言い出したからな。その発言を聞いた瞬間、俺は―――
「それは拷問じゃないよな!?既に新手の処刑だよな!!?」
ってツッコミを入れそうになったよ。まぁ、俺がツッコミ入れる前に蒼月と蒼影、朱菜がそのことを指摘したから実行されずに済んだ訳だけど。
その後、蒼月と蒼影が焼鏝や針責め、皮剥ぎなどの拷問を行ったんだけど、それでも情報を吐かなかったので最終的には朱菜が幻術を使うことになったんだ。
で、その幻術の内容が結構エグかったんだよ。現実時間では一瞬だったんだが、幻術内では時間の流れが72時間だったみたいで、その72時間もの間、達磨豚頭族を何百、何千、何万回と7振りの鬼の忍刀で殺し続けたらしい。
朱菜曰く30時間経った所で達磨豚頭族は根を上げ、情報を吐いたそうなんだが、俺に悪意を向けたことが万死に値するということで、精神が完全に死ぬまで殺し続けたそうだ。
五感だけでなく時間や空間、質量すら支配する幻術――月読。この幻術の前では精神的な死を迎えない限り、死ぬ様な激痛に何度襲われても死ぬことができない。喰らった側からすれば正に無間地獄だろう。
それ程の拷問によって得られた情報なら普通は結構重要なものだと思うだろう。けど、実際の所は大した情報でも無かったんだ。
実は蒼月達が拷問してる間、俺は俺で豚頭族と一緒に転がり込んできた蜥蜴人族の娘から情報収集をしてたんだけど、その情報と達磨豚頭族から得られた情報が殆ど被ってたんだよ。
ちなみに達磨豚頭族と蜥蜴人族娘から新しく得られた情報で被っていたのは2つ。1つ目は豚頭族の軍勢が既にシス湖で蜥蜴人族と子鬼族の混成部隊と戦闘しているというもの。
2つ目は上位個体である豚頭親衛隊率いる別動隊が蜥蜴人族の住処である地下大洞窟に侵入しているものだった。
被ってなかったもので達磨豚頭族から得られた情報は、豚頭将軍を含む豚頭親衛隊の数と一般豚頭族と豚頭親衛隊の見極め方だ。
豚頭親衛隊の数は2000ちょいで、全員が黒鋼の鎧を身に付けてるらしい。ってか、達磨豚頭族も黒鋼の鎧を着てたから豚頭親衛隊だったんだな。
……流石に達磨豚頭族が豚頭将軍ということはないだろう。スーパー宝貝・禁鞭を使ったとはいえ、将軍と呼ばれる魔物が一瞬で四肢をもがれるとか、普通に考えて無いだろう。
……けど、スーパー宝貝が俺の想像を絶する超兵器の可能性もあるか?けど、どれだけ強力な兵器か俺自身が把握できてない以上、達磨豚頭族を豚頭親衛隊最弱の存在として考える必要もあると思うし……。
…………分からんことを考え続けても意味がないな。スーパー宝貝を含む宝貝だけでなく魔導具の威力などは実際に戦場で使って検証するしかない。
さて、少しばかり話が逸れたが次は蜥蜴人族の娘から得られた被ってない情報だ。これはガビルが謀反を起こし、蜥蜴人族の首領を幽閉したというものだった。
俺にとっては豚頭親衛隊の数よりガビルの謀反の方が重要な情報だったりする。ってか、可能性の1つとして起こりうるとは思っていたけど、まさか本当に大戦の前に謀反を起こす馬鹿がいるとは……。
ぶっちゃけ、一番聞きたくない情報だったよ!………いや、考え様によってはガビルの部隊を囮に豚頭族の軍勢を横から強襲することもできるか?
取り敢えず、蜥蜴人族の娘が土下座してまで首領とガビルの救助を嘆願してるし、どうにかしてやりたいけど―――って、紫苑が勝手に蜥蜴人族の種族そのものを助けることを確約しやがった!?
………仕方がない。今、ここで里に撤退したとしてもいずれは戦わなきゃいけないんだ。それなら余計な強化がされる前にやっちまおう。
俺は蜥蜴人族の娘を首領の代理と認め、この場で同盟が締結したことを告げると、蒼月と蒼影の2人を蜥蜴人族の娘と共に首領の所へと向かわせ、俺自身は残りの者と共にガビルの所へと向かうことにした。
後書き
………という訳で、本編で使用されたのはスーパー宝貝・禁鞭でした。
まぁ、実際は如意羽衣を使った部分変化による禁鞭なので、本物ではないんですが……(笑)
ちなみに本文や設定などでは書いていませんが、朱菜は全ての宝貝の生みの親なので、全ての宝貝を十全に扱うことができるという設定だったりします。
なので、如意羽衣で素粒子に変化するだけでなく、封神演義の楊戩の部分変化も再現できるのです。
で、今回は部分変化で禁鞭を再現した訳なんですが、実はこの禁鞭は出力がオリジナルの2分の1だったりします。
いくら全ての宝貝を十全と扱えるとしても、通常の宝貝である如意羽衣の変化ではスーパー宝貝を再現しきれないという設定にしました。(笑)
まぁ、2分の1の出力でも十二分に強力な武器なんですけどね。(笑)
次回こそ、湿地帯での戦いが始まる訳なんですが、またまた宝貝を登場させる予定です。
コミック版転スラを読んだことがある人は分かると思いますが、リムル様は背中から吸血蝙蝠の翼を出すことができます。
そして、翼型の宝貝といえば?風の能力が打神鞭と被ってますが、楊戩も張天君との戦いで部分変化を使って両方使っていたので、問題はないでしょう。(笑)
6枚翼でパワーも6倍!!ってことで、次回もお楽しみに!(笑)
ページ上へ戻る