ドリトル先生と奈良の三山
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第一幕その四
「あるし今回も持って行って」
「そうそう、そうしたのも忘れちゃいけないよ」
ダブダブは先生に直接言いました。
「携帯電話とかスマートフォンも」
「あとノートパソコンね」
ポリネシアが言ったのはこちらでした。
「論文を書く為に」
「ホテルで夜論文を書くからね」
「それでそちらも必要ね」
チープサイドの家族は皆で旅に必要なものを書いた紙と先生が実際にトランクに入れていっているものをチェックしています。今のところは大丈夫です。
「ノートパソコンも」
「それも」
「下着だけでなくブラウスやネクタイ、靴下もね」
最後に老馬が言いました。
「着替えのを持って行こうね」
「先生、着替えのものはです」
トミーは先生がトランクに色々入れるのを手伝いつつ先生にお話しました。
「うちに送って下さい」
「奈良からだね」
「そうしたら洗っておきますから」
「そうしてくれるんだ」
「はい、ですから」
それでというのです。
「どんどん送って下さい」
「それじゃあね」
「そうすれば先生の荷物もどんどん減りますし」
その送られた服の分だけです。
「楽になりますから」
「うん、じゃあね」
「そうして下さい」
「わかったよ、じゃあね」
先生もトミーに笑顔で応えました。
「そうさせてもらうよ」
「是非」
「そうなると本当に楽だね」
「そうなります、後ですが」
「後?何かな」
「奈良ですか」
トミーは今度は先生が向かうその先のことのことについて言うのでした。
「あちらはどうも」
「どうもっていうと?」
「不思議な場所ですね」
「ああ、何かとだね」
「はい、歴史的に色々ありまして」
「不思議なことも多いね」
「実際にそうですよね」
こう先生に言うのでした。
「歴史的に謎とされる場所が」
「古墳とかでね」
「明日香村にしても奈良市にしても」
「そうした場所が多いね」
「そうですよね」
こう先生にお話するのでした。
「あちらは」
「ただ歴史があるだけじゃなくてね」
「その歴史の中で不思議な場所もね」
「ありますね」
「そうした意味でも面白い場所だよ」
それが奈良という場所だというのです。
「本当にね」
「その奈良にですね」
「行って来るよ」
「いい学問が期待出来ますね」
「うん、文学はね」
そちらのテーマはといいますと。
「万葉集だけれどね」
「ああ、日本最初の歌集ですね」
「あれについてなんだ」
「奈良はまさに万葉集の舞台ですね」
「そうだよ、当時の日本の中心でね」
「だから奈良で詠った歌が多くて」
「まさに奈良が舞台なんだ」
そう言っていいというのです。
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