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オズのトト

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第一幕その二

「どうせならね」
「そうだね、お昼寝はオズの国でも出来るし」
「それも好きなだけ」
「しかもあちらでどれだけ過ごしてもこっちでは一瞬だし」
「お昼休みの間のことだし」
「そのこともあるし」 
 こちらの時間のことも気にしなくていいこともです、恵梨香は考えていました。そうしてでした。
 皆で一緒にです、時計塔のところに行きましたが。
 時計塔に入ろうとするところでふとでした、その時計塔からです。
 ドロシーが出て来てです、皆に気付いて声をかけてきました。
「あら、ここで会うなんて奇遇ね」
「あれっ、ドロシーさん」
 恵梨香がそのドロシーに応えました、見ればいつも通りトトも一緒で彼を腕の中で抱っこしています。
「どうしたんですか?」
「ええ、今日はここでトトと一緒にお散歩してたの」
「そうだったんですか」
「ええ、それで今からオズの国に帰るつもりだったけれど」
「そこで、ですか」
「こうして会ったのよ」
「そうですか、私達はです」
 恵梨香はドロシーに自分達のことをお話しました、見ればトトは今は外の世界にいるので喋りません、生きものが喋ることが出来るのはお伽の国であるオズの国だけでのことなのです。
「今からオズの国に行って」
「楽しくなのね」
「遊ぶつもりでしたけれど」
「そうなの、わかったわ」
 ドロシーは恵梨香の言葉を聞いてにこりとして返しました。
「じゃあ今からね」
「はい、ドロシーさんと一緒に」
「オズの国に行きましょう」
「それじゃあ」
「ここで会ったのも何かの縁ね」
 にこりと笑って言ったドロシーでした。
「一緒にオズの国に行こうっていう」
「そうですね」
「トトもいるし」
「そういえばトトにはリード付けないんですね」
 カルロスはこのことに気付きました、見ればトトに首輪はありますがリードは付いていません。
「そうなんですね」
「というかオズの国の生きものはそういうの付けないわね」
 ナターシャも言います。
「臆病ライオンさんも腹ペコタイガーさんも」
「そうそう、特にビリーナはね」 
 神宝は誇り高い鶏のお友達を思い出しました。
「そういうの絶対に付けそうにないし」
「首輪もお洒落だしね」
 ジョージはトトのそのエメラルドで飾られた奇麗な首輪を見ています。
「ファッションで」
「そうよ、オズの国ではリードは付けないの」
 実際にとです、ドロシーは五人に答えました。
「特にトトはね」
「付ける必要ないんですね」
「一匹で変なところに行かないから」
「だからですね」
「リードも必要ないんですね」
「そういうことですね」
「そうよ、ましてオズの国では皆喋られるから」
 それこそ普通にです。
「何処に行くとか言えるし」
「だからですか」
「あちらではリードないんですね」
「付ける必要もないし」
「皆付けないんですね」
「そうしたものは」
「そうよ、トトにしろ他の皆もね」
 まさにその通りというのです。
「外の世界に行く時はいつも抱っこしてるしね」
「あっ、そうですね」
 恵梨香はドロシーが抱っこしているそのトトを見ました、ずっと抱っこしてトトもその中で楽しそうにしています。
「今も」
「そうなの、じゃあね」
「はい、今からですね」
「オズの国に行きましょう」
 こうお話してでした、五人はドロシーそしてトトと一緒にオズの国に行きました。時計塔の最上階の青い渦を通ってです。
 その外に出るとです、そこは。
 一面青い世界でした、恵梨香はその青し世界を見て出て来たところがどのお国なのかすぐにわかりました。 
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