転生とらぶる
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ペルソナ3
1928話
影時間になってから1分も経たないうちに、俺達……俺、ゆかり、桐条、真田、順平、有里の6人はタルタロスのエントランスの中にいた。
エントランスは、タルタロスの1階全てであり、当然相応の広さがある。
それでも基本的に1つの部屋で、2階より上の迷路やダンジョンと呼ぶのに相応しい場所ではない以上、全てを探すのは難しくはない。
だが……半ば予想通りと言うべきか、エントランスの中に山岸の姿はなかった。
それを確認し、皆で集まる。
「エントランスにいない以上、私達に出来るのはここではない場所を探すことだ。……厄介なのは、山岸がどの階層にいるのか分からないという事だな。つまり、現在行動可能な全ての階層を、隅々まで調べる必要がある」
「……厄介だな」
桐条の言葉に、真田が小さく呟く。
実際、その探索が非常に厄介なのは間違いないのだ。
基本的にタルタロスの中は毎日のようにその姿が変わる。
である以上、道が全く分からなくなっている状況で山岸を探す必要があった。
勿論タルタロスである以上、シャドウを倒しながら……それも、影時間が終わるだろう3時間から4時間くらいの間に、だ。
これは……正直、厄介極まりないな。
普通に探すとなると、まず現在到達している双方向ターミナルのある36階までは、まず無理だと考えてもいい。
となると……しょうがない。桐条に見つかる可能性もあるが、札を一枚切るか。
「普通に行動するだけだと、山岸がどこにいても見つけるのは難しい。となると、3グループで行動するべきだと思うけど、どうだ?」
「……3グループ?」
俺の言葉に、桐条がその場にいる全員を見つめる。
ここにいるのは、全員で6人。普通であれば、2人ずつに分けられる計算だ。
荒垣がいれば、戦力として頼もしかったんだが……肝心な時にいないんだよな。
今度見つけたら、お仕置きが必要だな。
「いや、だが……私はここで色々とナビをする必要がある。特に今回は山岸を探すという目的がある以上、私の役割は必須だ」
「だろうな」
桐条の言葉に、短くそう返す。
だが、それを聞いた桐条は、何故俺がそこまで余裕なのかといった様子でこちらに視線を向けてくる。
「では、どうするつもりだ?」
「そうだな、俺が言うのも何だが、この中で最強なのは俺だ」
最強という言葉に、真田と順平が若干反応するが、今はそれどころではないというのは分かっているのだろう。何か口を開いたりはしない。
よかった。ここで妙な事を言われたら、ただでさえ時間がないだけに強行的に鎮圧する必要があった。
「そんな訳で、俺は1人で十分だ。それで、36階よりも上の階を探索する」
「それはっ! ……いや、こちらとしては助かるが、本当にいいのか?」
心配そうに尋ねてくる桐条。
まぁ、幾ら俺の強さを知っていても、タルタロスの中では何が起きても不思議ではない。
であれば、桐条がいざという時の事を考えて俺を心配しても、おかしくはないだろう。
だが……正直なところ、俺の力を出し惜しみして戦っている今の状況でも、シャドウの相手をするのは難しい話ではない。
……死神は話が別だが。
「構わない。それで残っているゆかりは順平と、有里は真田と組んで、それぞれ別に探して回って欲しい」
出来れば1人ずつで行動するのが手っ取り早いのだが、そのような真似をすれば、不意の出来事があった時に対処出来ない。
となると、残り4人で2人ずつに分かれる必要が出てくるのだが……ここで、誰と誰が組むのかが、問題になる。
まず現在最強のペルソナ使いのゆかりと、ペルソナチェンジという特殊なスキルを持つ有里はそれぞれ主力として別々に分かれた方がいいだろう。
そうなると、残りは順平と真田だが……ここは純粋に、ペルソナ使いとしても、実戦を積んできた経験から考えても、真田の方が順平より上なのは間違いない。
そんな訳で、弱い……まだ未熟な順平が最強のゆかりと組み、真田が有里と組む訳だ。
その辺りの説明を、オブラートに包みながら説明する。
「ふむ、なるほど。……妥当と言えば妥当か。私はアルマーの意見でいいと思う」
桐条が頷き、他の者達もその言葉に対する反発はない。
以前までであれば、順平辺りは自分が最弱だということに不満を持ったかもしれないが、今はそうでもない。
勿論不満を持っていない訳ではないのだろうが、自分でもそれが分かるだけに、それを表に出さないようには出来ているのだろう。
ああ、それと剣道部での練習で宮本を含めた部員達に勝てないってのもあるか?
「異論はないみたいだな。なら、そういう事で。俺は早速36階よりも上を確認してくる」
「アクセル、気をつけてね。……まぁ、アクセルには言うまでもない事だと思うけど」
そう言ってくるゆかりに軽く手を振り、俺はそのまま双方向ターミナルに入っていく。
そうして転移が完了すれば、俺の姿は既に36階にあった。
……さて、ここが36階なのはいいとして、問題はどこまで上に行けばいいのかって事だな。前みたいに、封印がある可能性も否定出来ないし。
ともあれ……まずは確認する意味でも、この36階を調べるか。
「スライム」
呟くと同時に、空間倉庫から銀色のスライムが触手を伸ばしてくる。
いや、正確には触手ではなくスライムの一部でしかないのだが……傍から見ると、触手でしかないよな。
おまけにこのスライムは、敵を吸収すればその質量分体積を増やす事が出来る。
今でこそ、こうして空間倉庫の穴から銀色の触手を伸ばしているが、実際にどのくらいの長さを持つのかと言われれば……うん、正直どれくらいなんだろうな。
一度直接全部出してみなければ、その辺りは分からない。
だが、具体的にどれくらいの大きさなのかは分からないが、それでも圧倒的な質量を持っているのは分かる。
そうである以上、迂闊にそんな真似が出来ないというのも、間違いのない事実だ。
ともあれ、俺はスライムに命じてひろく、薄く広がって貰う。
36階が番人シャドウのいる場所で他の階に比べて狭いという事もあり、すぐに36階全てがスライムで覆われる。
だが……予想通り、山岸の姿はどこにもない。
桐条がこっちを確認出来ているのかいないのかは分からないが、こちらとしては切り札を切ってるんだ。出来れば、見られたくないという思いもある。
もっとも、有里達が2人ずつで探索という真似をしている以上、そっちのフォローで手一杯という可能性も高いのだが。
また、桐条のペルソナのペンテレシアは、探索も出来るが基本的には戦闘がメインだ。
現時点で探索出来るのがペンテレシアだからこそ、探索に回ってるが。
そして、エントランスから離れれば離れる程、その精度とかも落ちていくらしい。
つまり、恐らく大丈夫……だとは思うんだけどな。
ともあれ、スライムで異常がないと判断すると、そのまま空間倉庫に戻す。
そして37階に上がり、再びスライムを展開。
36階とは違い、ここからはかなりの広さを持つ。
次々に伸びていくスライムは、それこそシャドウを見つけると、問答無用で倒していく。
吸収してもいいのかもしれないが、シャドウというのは色々と特殊な存在だけに、もし吸収したら妙な反応が起きるのではないかと、そう思ってしまうのだ。
勿論実際には問題ない可能性があるのだが……
ともあれ、シャドウを倒し、宝箱を探索し、階段を見つけ……やがて37階の全てを探索するも、山岸の姿は見つからない。
宝箱は取りあえずそのままスライムに運ばせ、俺の前に集まったところで連続して開いていく。
魔法の籠もった宝石や、食べ物、飴……そんな感じの代物を纏めて空間倉庫に収納する。
うーん、これは今日桐条グループの方に渡す訳にはいかないな。
何で山岸を探している時に暢気に宝箱を探してるんだって事になりかねない。
隠している以上、まさかスライムで探索してるなんて事を言える筈もないし。
この件は、後でだな。
そう判断し、俺は影のゲートで階段の前まで移動し……38階に移動する。
そこから先も、やる事は変わらない。
スライムで探索し、シャドウは倒し、宝箱は収納する。
そんな感じで39階もクリアした。
ちなみに39階では、以前入手した魔法を反射するマジックミラーをまたもや入手する事に成功している。
そんな感じで40階に上がると……
「うわ、番人シャドウかと思ったら、封印の方か」
以前に見たのと同じような封印。
そして宝箱が置かれている点も同じで、その中に何かのレポートが入っているのも同じだった。
もう少し捻れと、そう思っても不思議ではないだろう。
もっとも、捻った結果宝箱の隠し場所が今よりも複雑になったりしたら、こっちも色々と困るのは間違いないのだが。
ともあれ、ここにも双方向ターミナルがあるので、俺の役目は大体終わりという判断でいいだろう。
もしかしたら……山岸がこの封印の向こうにいる可能性も否定出来ないのだが、この封印は恐らく明日、満月の時に出てくるイレギュラーシャドウを倒さなければ解けない筈だ。
そう考えると、今日ここにやって来たのはタイミングが良かったのだろう。
勿論、それを直接口にしたりといった真似は出来ないが。
ともあれ、封印を確認したしレポートも見つけた。
……山岸は結局見つからなかったのを考えると、俺が探した場所よりも下の階にいるのか……それとも、単純に俺達が行くことが出来ない場所にいるのか。
その辺りの事情はまだよく分からないが、それでも俺が探した場所にいなかったというのははっきりしている。
さて、そうなると……問題はこれからどうするかという事だろう。
ぶっちゃけ、俺が探索を開始してからここまで到着するのに15分も掛かっていない。
だが、今の状況でエントランスに戻れば、間違いなく桐条に怪しまれる。
当然だろう。俺だって何も知らない状況でそのような場面に遭遇すれば、手抜きをしたと口に出すだろうし。
となると、暫く時間を潰す必要が出てくる訳だ。
だが、だからといって無意味に暇潰しをするのもちょっとどうかと思う。
個人的には山岸に対して特に思うところはない。
だが、思うところがないというのは、良くも悪くもという意味でだ。
有里には悪いが、死んでしまったら残念だとは思うが、正直それ以上の感情を抱けるかとなると……ちょっと、難しいだろう。
自分の境遇に満足している、もしくは満足していなくても行動に移す様子がないというのは、俺が山岸に好意を抱けない最大の理由だ。
「そうだな。36階から下に向かうか。他の連中は恐らく下から移動してるんだろうし」
呟き、改めて最後に周囲を見回すと、そのまま影のゲートに沈んでいく。
そうして到着したのは、36階。
上ではなく、下に向かう階段を下りていき……俺は35階に到着する。
そして今までと同じく、スライムを使って周囲の様子を探索する。
うん、こうしている限りでは、やっぱり山岸の姿は見つからないな。
そんな風にしながら30階辺りまで探索するも……結局山岸の姿は見つからないのだった。
「……そうか。アルマーでも駄目だったか」
「ああ。勿論俺が探している最中にすれ違っているという可能性は否定出来ないけどな」
桐条にそう告げるも、実際には探索はスライムで一斉にやっているので、すれ違うという事はまず有り得ない。
俺がスライムを使って探索しているのを見ていたかどうか……それを確認する意味でそう言ったのだが、桐条におかしなところは見られない。
これは、本当にこっちの様子を探っていなかったのか?
それとも、探っていてスライムを使っているのを知っていても、それを表に出していないだけなのか。
その辺りの理由は分からないが、こうして見る限りこっちを怪しんでいる様子はなかった。
はてさて、これも運が良かった……と、そう考えるべきなのかどうか。
「俺もって事は、やっぱり他も駄目だったのか?」
視線を周囲にエントランスにいる周囲に向けると、そこではゆかり、有里、真田、順平といった他の面子が落ち込んだ様子を見せている。
こうして見る限り、もし山岸を見つけた……もしくは何らかの手掛かりを見つけたのであれば、もう少し喜んでいてもよさそうなものだ。
勿論、見つけた手掛かりが山岸の片腕とか眼球とか、そういうのであれば、落ち込んでいてもしょうがないだろうけど。
「となると、私達の知らない場所にいるのか?」
「もしくは、封印されている40階よりも更に上か」
「……封印か。厄介な」
そう溜息を吐く桐条。
まぁ、16階の封印で随分と足止めを食らっていたのは間違いないからな。
「ともあれ、そうなると……どうするべきか、もう少し考える必要があると、そういう事だろうな」
呟く桐条の言葉に、俺は頷きを返すのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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