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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

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Turn:28 新たなる可能性

 
前書き
無事ファーストステージを突破したミライたち
セカンドステージに向けて英気を養うためひと時の休息を楽しんだ
それと同時に決意も新たに
この先はたして何が待ち受けているのか 

 
「と、言うわけで、チームフォーチュンライト、壮行会パート2!今回は俺の仕切り~」
大きな温泉施設へとやった来たミライたち
ハイメが手を叩きながら陽気に宣言するのを苦笑しながら見ていた
「毎度毎度テンションの高ぇおっさんだな」
「おっさ!」
タツマの言葉がぐさりと突き刺さりその場に崩れ落ちるハイメ
なぜかトコハもダメージを受けたようで必死に胸を押さえている
「だ、大丈夫、お母さんはまだ若いから」
「そうそう、トコハさんには何も言ってないし、タツマさんが失礼なのは今に始まったことじゃないし」
「どういう意味だそれ」

Turn:28 新たなる可能性

「こうしてクロノさんと食事するのは久しぶりですね」
「それはいいけどタイヨウ、これは………」
目の前に置かれた巨大なお椀に入った山もりのラーメンに表情を引きつらせるクロノ
「いやー、一度来てみたかったんですよこのお店、ジャンボラーメンチャレンジ!成功すれば一週間無料!失敗すると倍額だそうです」
「お前本当にそういうの好きだよな」
目を輝かせながらサムズアップするタイヨウに苦笑するクロノ

一心不乱にラーメンを食べながらふとタイヨウは気になったことをクロノに問いかける
「そう言えばクロノさん、ミキさんたちの調子はどうですか?」
「ん?なんだよ急に………ま、相変わらず頑張ってるよ」
「クロノさん自身は………どう思ってるんですか」
タイヨウのその言葉にクロノは箸を止める
「ミキたちだけじゃない、ミライも、みんなも、純粋にヴァンガードを楽しんでる」
小さく笑みをこぼすクロノにタイヨウもうれしそうな顔を見せる
「俺たちの時代にも………こういう時期があったらよかったんだけどな」
「今からでも遅くないと思いますよ………あった、はいこれ、この前偶然手に入れたんですけど」
そう言ってタイヨウが何かのカードをクロノに差し出す
「お前、これ………」
「きっと必要になるときが来ますよ」

二人サウナで座り込むタツマとハイメ
「暑い………」
「これも修行~!心頭滅却すれば心は涼しい~」
テンションの高いハイメの言葉に眉をひそめるタツマ
「………火もまた涼し………すか?」
そう問いかけた時にはハイメの姿はサウナの中にはなく近くのお風呂に使っていた
「(俺には勝ちたいやつがいる………仲間たちと、掴みたい目標がある………)うおおお!暑いのになんか負けてたまるかー!」

足湯にゆったりと浸かるミライたち
「ああ、気持ちいいです………」
「本当ね………ファーストステージで駆けずり回ったから余計に」
足湯を堪能し声を漏らすミツキ
「二人とも頑張ってるからね………ちょっとくらい贅沢したってバチは当たらないわよ」
ミライの隣で一番ゆったりした状態のトコハがそう言って二人に笑いかける
「(セカンドステージではファーストステージみたいにはいかない………今度こそミライさんたちの役に立ってみせる)」
「(今度こそ見つけてみせる………私の進むべき道を、選ぶべき運命を)」
それぞれセカンドステージに向け思いを馳せていた
次の瞬間大きな音が施設内に響き思わず一行は立ち上がった
「え?何今の音」

「何やっているのよ」
真っ赤になりながらダウンしているタツマをミツキがうちわで扇いでいた
「いやー、一緒にサウナに入ってたんだけど、ちょっと目を離したと思ったら中で倒れちゃってて」
「ハイメ、あんたちゃんと見ていないとだめじゃない、あぁ、クミちゃんに怒られる」
頭を抱えるトコハをミライが何とか慰めようとする

「ひゅー!三人ともビューティフォー!」
花火大会を見物するため屋台の集まる場所やってきたミライたち
浴衣姿のミライたちを見てハイメが声を漏らす
「おーい、こっちだこっち」
呼ぶ声に気付き振り返ってみるとクロノがミキたちと共にこちらへ歩いてくるところだった
ミキたちもミライたちと同様浴衣を着ている
「後でカムイさんたちも3号店の連中連れてくるってさ」
「クミちゃんからもタツミちゃんと一緒に来るってメール来てたわ」
楽しげに話すクロノとトコハの姿に笑みをこぼす
「っと、そうだミツキ、シオンとアムは来ないのか?」
「お母さんはお仕事、お父さんは会社の人たちと一緒に屋形船から見るそうです」
「ああ、なるほど、そういえばあいつも協賛してるんだったな」

ミライとミキが金魚すくいに挑戦しミライが金魚を確保
ミキの方はポイが破れてしまい項垂れる
苦笑しながらミライがゲットした金魚の入った袋を差し出した

景品の中にあった写真集にミツキが手際よくサインする
確保しようと意気込むタツミだが焦るあまりミツキが退くより前に射的の銃を発射
ミツキの後頭部にあててしまう
そのやり取りの声が聞こえたハルカが思わず吹き出してしまい手元が狂って挑戦していた型抜きに失敗してしまう

楽しそうに屋台をめぐる皆を見ていたユキナがどこか黄昏たような表情になる
その彼女の心情を察してか否かクロノが笑いかけながら綿あめを差し出した
小さく笑いながら受け取るユキナだったが次の瞬間ミキに詰め寄られる
苦笑しながらクロノがミキの分の綿あめを差し出した

そこらじゅう回って女性に声をかけるハイメの姿をカズヤとチグサが遠い目で見ていた
既に見慣れた光景と化していたタツマは肩を落とし苦笑するしかなかった

全員で花火を見物しその美しい光景に声を漏らす
花火に見とれるミライの姿をトコハも優しげな表情で見ていた

クロノがミキ達を車で園に送り届けに言ったので一足先にハイメを連れ帰宅したミライとトコハ
「んっ、ん~」
大きく伸びをするミライ
「あー、今日は楽しかった」
「っていうかハイメ、あんたいつまで家にお世話になるつもり?」
「まあまあ固いこと言わずに」
腰に手を当てトコハが呈した苦言を気にしない様子のハイメ

半ば無理やり勝ち取った助手席に座り嬉しそうに笑うミキ
疲れてしまったのか後部座席でユキナとチグサはぐっすり眠っている
信号待ちのタイミングでクロノはミキに声をかけた
「ミキ………ヴァンガードファイト、楽しいか?」
クロノのその問いかけに目を丸くしたミキだったがすぐ笑顔になってこたえた
「そんなの当たり前じゃないですか、ヴァンガードがあったから、私はクロノさんたちに会えた」
クロノだけではない
同じチームや園の仲間たち
面倒を見てくれる施設の職員たち
何よりヴァンガードを通して出会った友人たち
「(だからこそ、U-20に優勝して、立派になった姿を見せるのが、私にできる最大の恩返し)」
「………ミキ、園についたら少しファイトするか」
クロノのその言葉にミキも瞳を輝かせる
「いいんですか!?ぜひお願いします!」

「どうだった?いい息抜きになったでしょ」
「うん、ありがとうお母さん」
ハイメも交え三人で談笑するミライたち
「ついでだからミライ、一つ聞きたいんだけど、また一人で抱え込んだりとかしてないわよね」
「大丈夫、チームのために頑張らなきゃ、って思うことはあるけど、それだけよ」
ミライの答えにトコハはしばし唸っていたが
「なら………よし、悩みすぎるとろくなことが無いからね」
「そうそう、トコハは特に痛い目見たクチだよね」
ハイメの入れてきた茶々に周囲の空気が一瞬で凍り付いた
「ハイメー!この口か!いらないこと言うのはこの口か」
「ほ、ほろは、ひはい」
ハイメの口を思い切りつねりながら憤慨するトコハ
ハイメの口から手を放し大きくため息を零すトコハはミライの方を見た
「ミライ、あなたは私の様になっちゃだめだからね」
「大丈夫、タツマやミツキだけじゃない、お母さんやハイメさんだっていてくれる、それに………」
ミライはデッキを手に取ってトコハをじっと見た
「悩むのは別に悪い事じゃないと思うの、大事なのはそこから前を進めるかどうかだと思うから」
「えらい!よく言った!それでこそ私の娘!」
ミライの言葉に満足したトコハはそのまま彼女に飛びついた
「それじゃあ。頑張ってるミライにご褒美、はいこれ」
トコハが差し出したカードを手に取ったミライは目を見開いた
これまで手にしたカードとはけた違いの強さ、だが………
「(強力な分………使いこなすのも難しそう………)」
だがミライはその新たなGユニットを取り出したデッキに迷わず入れた
「ハイメさん!」
二人の様子を見守っていたハイメに声をかけるとハイメもまた笑いかける
「うん、試してみたいんだね、いいよ、相手をしてあげよう」
ファイトの準備をする二人を見守るトコハ
「(そのカードは新たな可能性………ミライ、あなたにならきっと使いこなせる)」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」 
 

 
後書き
次回予告
「あぁ~、やっぱり温泉はいいねぇ~」
「年寄くせぇこと言ってんなよ」
「そういえば、壁の向こうではミライたちが入浴中ってことだね」
「しょーもねぇこと考えてんじゃねえよ」

turn:29 究極の力

「んん~?興味ないかな?ミライたちのセクシィな入浴姿」
「ぶっ!」
「OH!HA・NA・DI!」 
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