歌集「冬寂月」
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十
小夜更けて
音もなかりき
三冬月
年終わりても
続く想いぞ
もう日も変わり、今日で十二月が終わり…新たな年が始まる…。
音もなく静まり返る真夜中…勝手に消えては訪れる時間…何も変わらない…。
想いも変わることなく続き…ただ、水面の波紋のように広がるだけで…。
年も暮れ
春そ呼びける
にぎわゐも
虚したりける
大晦日かな
今年も終わり…辺りは年末年始の支度で賑わいを見せている。
だが…それが何だかとても空々しく思えてしまう…。
一人見上げる空は…年を移ろいても変わらずに、ただ世界を見つめているだけ…。
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