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会長✖生徒会長

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第一章

                会長×副会長
 八条学園高等部農業科は一つ問題を抱えていた、その問題は生徒会にあった。
「またか」
「また会長と副会長喧嘩してるよ」
「まただよ」
 周りはその問題を見てやれやれとなっていた、ここの生徒会は肝心の生徒会長と副会長の仲が悪いのだ。
 それでだ、周りもとかく困っているのだ。会長の鳥海幸季と副会長の古川葵の関係には。
 幸季は小さな切れ長の目に白い面長の顔を持ち顎の形がいい。細い髪質の黒髪を少し伸ばし引き締まった顔つきをしている。背は一六五程だ。
 葵は先が細い面長めの顔で目はやや吊り目でかなり大きい。黒目がちなのも目立つ。黒髪をツインテールにしていて背は一六二位ですらりとしている。幸季は上は濃い青のブレザーで下は赤いズボン、白のブラウスと黒のネクタイという制服で葵は黒と金のブレザーとミニスカートに黒のネクタイと白のブラウスという制服だ。
 二人共生徒会長そして副会長としての能力は問題がないが。
 問題はあった、それは二人の関係にあった。
 とかく仲が悪くてだ、この日もあった。
 葵が生徒会室でだ、会議中に幸季に行っていた。
「ここはもっとよ」
「お金を使うべき」
「予算は使う時に使わないと」
 それこそというのだ。
「何の意味もないでしょ」
「無駄使いはよくない」
 これが幸季の意見だった。
「だから出来るだけ」
「今回はっていうの」
「使うべきじゃない」
 こう葵に言うのだった。
「決められただけ」
「増額しなくていいっていうの」
「そう」
 こう葵に言うのだった。
「このままで」
「じゃあ若し足りなくなったらどうするのよ」
「その時に増やせばいい」
「今は必要ないっていうの」
「生徒会の予算も限られている」
 幸季はあくまでこのことを念頭に置いていた、予算の重要性は学校の生徒会でも同じことだ。
「だから」
「とりあえずは今の分でなのね」
「いってそして」
「足りなかったら」
「その時に増額」
「それなら最初から増額すべきじゃない」 
 葵は幸季にむっとした目で反論した。
「そうじゃないの?」
「後で余るかも知れない」
「それなら他のところにも回して」
 生徒会の予算の使い方で言い合っていた、周りは二人の言い合いの後で折衷案を出してことを収めたが。
 生徒会の他の面々も農業科のそれぞれのコースの代表達もだ、二人の関係には困っていた。それでだ。
 彼等だけで集まった時にだ、こんなことを話していた。
「あの二人仲悪いな」
「そうなのよね」
「もういつも言い合っていて」
「喧嘩ばかりで」
「生徒会室じゃいつもそうで」
「もう話を収めるのが」
 そのことがというのだ。
「大変で」
「どうしたものか」
「何から何まで言い合って」
「もうどうしようもなくて」
「困ったものよ」
「本当にな」
 ぼやきも出た。
「おかげで生徒会今一つ動きが悪い?」
「あの二人がいつも言い合うから」
「一方は右でもう一方は左で」
「そんなのばかりで」
「どうしたものやら」
「あの二人については」
「けれどあれだろ?」
 畜産コースの代表が言ってきた。 
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