世界をめぐる、銀白の翼
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第七章 C.D.の計略
強烈な一撃
飛来してきた、ドラゴンワーム。
加えて、タワーを居城としたスクエア。
カブトとファイズがついに合流し、頭上の敵を睨み上げた。
「おい。あのライダーは俺がやる」
「ああ。オレ達の用があるのは、あのドラゴンだ」
「ゴぉォォオオオオオオ!!!」
もはや、冠木の意識はない。
ただ、あの二人が、そこに並ぶアイツらが敵であるという認識のみを残した邪竜が、空高く咆哮を上げた。
ビリビリと震える大気。
その振動に、タワーの上の雲が揺れ、段々と動きを大きくしてうねり始めた。
雷が落ちる。
圧縮されていく雲の水分が固まり、数多の水滴となって落下してきた。
雷雨となった東京の街は、しかしビルの明かりでいまだに不眠。
その地上で、輝きを放つ二人の戦士。
真紅の閃光を迸らせる疾走の戦士と、緋朱の装甲を滾らせる太陽の戦士。
バシバシと装甲とマスクに当たってくる雨粒。
だが、それが装甲やラインの熱に当てられて、煙を上げてき彼らの闘志を表していく。
「行くぞ」
「ああ」
「ゴァッ!!!」
二人の意思を感じた取ったかのように、ドラゴンワームが炎弾を吐き出した。
ファイズがその場を飛びのいてそれを回避し、跳躍したカブトが、そのまま上空でカブトエクステンダーに跨って上昇していく。
《complete》
地面を転がったファイズは、即座にファイズブラスターを操作してブラスターフォームへ。
膝立ちの状態から、肩のブラッディ・キャノンを起動させてスクエアへと牽制攻撃をする。
それを眼下に見ながら、一気に上昇していったカブトエクステンダーが、ドラゴンワームへと突進を仕掛けていく。
カブトエクステンダーは、ドラゴンワームの足の一本程度の大きさ。
そこに体当たりしていくのだから、ドラゴンワームへの衝撃はまずまずといったところだ。
しかし、硬い表皮を前にはそれすらも軽い火花程度であり、もっともっと内部に響くような一撃でなければ、このモンスターには効きはしない。
と、そこに飛来してくる、もう一人のライダー。
ガタックが立つ、左右に開かれたガタックエクステンダーだ。
二人のライダーがそれぞれのマシンで、8の字を描くように、タワーを陣取るドラゴンワームの四肢へと執拗に攻撃を仕掛けていく。
効いているのかいないのか。
それは定かではないものの、ともかく鬱陶しそうに腕を振ってそれを叩き落とそうとするドラゴンワーム。
この巨躯の動きではとてもではないがサイズが違う。
そして、それに反比例してスピードも全く異なっていた。
飛び回る二人のライダーの動きに、ドラゴンワームは完全に翻弄させられていた。
と、それにわずわらしくなったのか、ドラゴンワームがついに腕をタワーから放した。
ばさり、と広げられた皮のような翼が、空を掴んでその巨体を空へと引っ張りあげていく。
それを見て、カブトがガタックにアイコンタクトを飛ばしてさらに飛翔していく。
その二人を追って、ドラゴンワームも空へと飛ぶ。
二人と一体の周囲を、切っていく風に乗って雨の流れが形成されていく。
対して、地上に立つ閃光の戦士はというと
「オラオラオラぁ!!ちまちま逃げんじゃねーよ!!」
「ちっ、この・・・・くらえ!!」
「ガッ!?」
ドラゴンワームがタワーから離れたのを見て、再び頂点に手をかけて立つスクエア。
再びオルフェノク化エネルギーをばら撒こうとするが、そのためのエネルギーにはチャージの時間がない。
しかし、いまだにラインは生きている。
そして、こともあろうにこのライダーは――――それを、自らの固有武装としてファイズへと向けたのだ。
ギギギギ・・・・とこうべを垂れて曲がっていく東京タワー。
それを見たファイズが、その先端が向けられて、その先端から稲妻のような光線が放たれることは、容易に予想がついていた。
バチィ、バチィ!!!と、地上を打っていく稲妻の光線。
その中を、ブラスターフォームのファイズが疾走していく。
だがついに先に稲妻が回り込み、足を止めたファイズへと向かっていって、爆煙にその姿が消えたところで
「ぶはぁっ!!」
「あっぶねぇ!!」
ヴァルクヴェインに乗った翼刀が、ファイズを掴んで煙の中から飛び出してきた。
そして、着地するところで再び剣をコンクリートに突き立てる翼刀。
そこから刃を射出し、反動で一気に上空へと飛び出していく。
その翼刀とファイズに向けて、タワービームを放つスクエア。
対して、ファイズは組まれた翼刀の手を踏み台にして跳躍。
背中のブースターを起動させて、空中へとそれを回避していった。
そのビームを翼刀が受けとめるのを眼下に見ながら、ファイズがブラスターの刃を展開させて、ブレイカーモードへと変形させる。
そしてその刃を振るいながら、一気にブースターの出力を最大にして、突っ込んでいって斬り裂こうと構えていった。
それに対応しようと見上げるスクエア。
だが、ビームに耐えていた翼刀が「今が好機」としてビームを押し返した。
ヴァルクヴェインによって留められていたエネルギーが逆流し、ビームが巻き戻しのようにタワーへと押し戻されていく。
そしてバチィ!!とそれが接触し、その振動がスクエアまで伝わってきた。
その揺れに見上げていたスクエアは完全に虚を突かれてしまい、足が滑ってグワン!と、掴んでいた手を中心に身体が揺れた。
「ッう!?」
「らあああ!!」
「こん・・・のやろぉっ!!」
そこに、容赦なく突っ込んでいくファイズ。
これでスクエアは終わりだ。
そう思われていた。しかし
「ゥオワァッ!!」
手を放し、宙返りするようにさかさまになったスクエア。
その動きはするりとファイズの刃を回避し、その胸のど真ん中に拳を叩き込んで、さらに脳天に蹴りを叩き込むほどのものだった。
バァン!!という音がして、小爆発と共にファイズの高度がガクンと下がる。
体勢を整えながら、そういやそういうのもあったなぁ!!と、舌を鳴らして見上げるファイズ。
対して、スクエアはというとファイズへの蹴りで身体を元に戻し、再び同じ地点を掴んでいた。
「クソッ・・・あれをどうにかしねぇとな・・・・」
『それなら俺たちが手を貸す』
「天道か?」
ぼやくファイズに、カブトからの通信が入ってきた。
雲上で空中戦を繰り広げるカブトとガタック、そしてドラゴンワームだが、その戦いは決着がつきそうもない。
雲の下の雷雨とは裏腹に、ただ静かな雲海での戦いは、ドラゴンワームの尾、爪、炎弾という、どれをとっても一撃で落とされる威力の攻撃で支配されていた。
しかし、その中においてもカブトとガタックは捕まらなかった。
というのも、回避のための行動は一度も取ろうとはしなかったためだ。
もし、距離を取ろうと背を向けていけば、ドラゴンワームの飛翔速度は易々とその背後に爪を伸ばして引き裂きつぶしていただろう。
小回りのスピードが優れているこのマシンに乗り、なおかつ突進という攻撃で常に懐の中へ中へと行こうとすることで、自然と相手の死角に入っていたのが功を為していたのである。
しかし、このままではいずれ落とされるかもしれない。
何せ相手には効いていないのに、こちらへの攻撃は一撃と来ているのだからそれはそうなる。
スクエアは、ファイズに二人が手を貸せば簡単に倒せる。
だが、その間このドラゴンワームを放っておけば、大変なことになることは必須。
ならばどうするか。
と、そこに一本の通信が割り込んでくる。
『俺が行く!!こっちは終わったからな!!』
「・・・任せた!!行くぞ、加賀美!!」
「おう!」
それを聞き、勢いをつけてマシンを地上に向けて急降下させるカブトとガタック。
その後を追って、ドラゴンワームもまた雲に突っ込んでいく。
ボボッ、と、二人のマシンが、雲を纏いながら突き破って雷雨の中に飛び出してくる。
その直後、ボフォア!!と、一気に雲を蹴散らしながらドラゴンワームの爪が即座に追いつきマシンを打った。
だが、すでに二人の姿はそこにはなく。
ドラゴンワームのあけた大穴から、ハイパーゼクターを手にしたガタックとカブトが、重力に従って落下していっていた。
「「ハイパーキャストオフ!!」」
ガシュウ!!と、二人の装甲が分厚く変形し、小さな光と共にドラゴンワームの背に着地する。
ガぁっ!!と、それに気付いたドラゴンワームが身をよじるも、背を合わせた二人はその場から落ちることなく、冷静に己の武器を手にしてタオキン粒子の迸りを送り込んでいき
《《MAXIMUM RIDER POWER》》
《1、2、3》
「ハイパーカッティング!!」
《SASWORD POWER》
「ハイパースラッシュ・・・!!」
発動技は、どちらも斬撃。
ドラゴンワームの背にそれぞれその武器を突き立てて、ガタックが尾、カブトが頭部に向かって、切り裂きながら走り抜ける。
ビチビチと肌と繊維と体液が跳ね回るようにそこからあふれ出て、ドラゴンワームの首と、腰の骨を確実にへし折る。
ガァア・・・と怯むドラゴンワームだが、それでもまだ体力はあるのか。
首の根元から飛び出していったカブトに向かって牙を向け、その体を噛み千切ろうと襲い掛かった。
武器と脚とで顎を抑え、それに巻き込まれぬように防ぐカブト。
だが、同時に身動きが取れなくなり、ドラゴンワームの喉の奥から炎が溢れ出てくるのを見た。
「ッッ!!」
一か八か。
このまま手を放して、あの喉の奥に超必殺技をぶち込むほかないのか・・・・
と、思われた瞬間
「バインド!!」
ドラゴンの口が、上下で締め上げられて閉じられた。
バチン!とカブトの身体がはじき出され、彼は増援の姿を見てそのまま腰のゼクターを叩いてその場から消えた。
カブトを救い出した、バインドの正体。
蒼青の色をした魔力で練られたそのバインド魔法は、同じ色をした翼の翼人によるもの。
つまり、現れたのは北郷一刀。
バインドを爪で引き裂き破壊し、その彼に向かって吠えるドラゴンワーム。
だが、その長い首に向かってガタックのライダーキックが炸裂してそれは阻まれた。
それも、ただのキックではない。エクステンダーとともに叩き込む、ライダーキックのエクステンダー落とし。
クワガタの顎に挟まれた首が、勢いよく叩き落され、ドラゴンの身体が宙で回る。
そのドラゴンに向かって、一刀がドームでは決められなかった、あの剣の一撃を放ちにかかる――――!!!
「我、手繰ルハ星ノ瞬キ―――――空を駆けるは、流星の如く・・・・」
雨の中で、その光をつけて翼刀が真下について力を練りあげる。
この身体に宿すべきは、圧倒的なる星の重圧。
「スゥゥゥゥウウウウウ――――――!!!」
吸い込む呼気。
それと共に、翼刀の中に何かが溜めこまれていく。
そして、上空で
「流星剣!!!」
ドッッ!!と、ドラゴンワームの背に、一刀の一太刀が叩き込まれた。
カブトとガタックの突き刺した傷跡とは十字を描くような切り口。
だが、それをしても完全に切断できないこの竜の堅さは一体どれほどのものなのか。
それでもドラゴンワームの身体は空中にとどめておくことができず、地上に向かって叩き落とされる。
そして、それが彼の頭上にまで来た瞬間
ドンッッ!!
凄まじい振動。
周囲のビルが揺れ、タワーがぶれる。
バラバラと雨に混ざって散ってくる、展望台の窓ガラス。
だがこれは前段階。
この技を放つための、ただの踏み込みに過ぎない一歩
「星のォッッ!!」
そして、ドラゴンワームが自らの拳の範囲に入った瞬間
「息吹ッッ!!!」
音が消える。
周囲から音と、さらに空気までもが吹き飛び、そして一気に翼刀の周囲へと掻き集まってくる。
凄まじい風と真空の乱流の中で、ドラゴンワームの肉片はバラバラに砕かれ、その一片たりとも残さず、チリとなって消滅した。
一方、カブトが脱出してからのスクエア戦は
「喰らえやぁっ!!」
接近してきたファイズに向かって、スクエアの拳が炸裂する。
だが、蹴りを放とうとしたファイズが突如として肩のブラスターでの砲撃に切り替える。
その攻撃にスクエアは難なく反応して打ち消すも、小爆発の取り消しは間に合わず発動してしまう。
さらにその直後に襲い掛かってきた頭突きには手足が間に合わず、やむなく頭突きで対応することになった。
ガァン!!とぶつかり合うマスク。
小爆発のない中、ファイズブラスターの頭突きに軍配が上がり、ズルズルとさらにスクエアの立ち位置がせり下がった。
しかし、ここでスクエアはマスクの下でにやりと笑った。
ファイズがタワーについてしまっては、タワービームも意味をなさない。
だが、そうだというのならば再びあの電波の発信にエネルギーを費やせるというモノ――――!!
「はっはっはっは!!俺の攻撃は・・・・やってやっることは、オワッテねぇぜ!!」
「なっ!!」
「さっき一回やったからなァ!!ここでダメ押しすれば、完全にオルフェノクだっ!!」
ゴォン!!と、エネルギーがたまっていきタワーの先端が輝きだす。
再びばら撒かれようとするオルフェノクエネルギー。
それを止めようとするファイズだが
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その光景を、少し遠くのビルから見ている男がいた。
耳に携帯を当て、連絡を取ってからよっし!と声を上げて肩を回す。
そして、その手に溜めこんだエネルギーが水となって、さらに周囲の水分をもかき集めて回転していく。
「スクエア。お前バカだが、なかなかいい線いってるよ。だけどな――――」
手に溜まった水を、螺旋回転させて一気に投げ放つ。
砲撃ともいえるその水流は、男のいたビルの屋上から少し拝借したコンクリートなどの欠片を含み、猛烈な勢いで標的へと向かっていく。
「――――だけどまあ、早すぎたな。今はだめだ」
そう言って、放つだけ放ってその場を後にする。
そして
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そして、どこからか飛来してきた水流にスクエアが打たれてタワーから弾き落とされる。
ファイズはそれに驚愕するも、勝機とみて一気にタワーを駆け下りた。
一方、手を放して落ちたスクエアはタワーの斜面を滑り落ちていた。
このままでは、ファイズに追いつかれる。
だが自分にはあの能力がある。即座に対応して、カウンターすることができる―――!!
「だが、無駄だ」
「はっ!?」
しかし、そこに背後から声がした。
ハイパークロックアップで時間を飛び越え、何の家庭もなく突如としてこの空間に姿を現したカブトは、スクエアの自動反撃機能を完全に上回る初動の差で空中へと放り投げのだ。
「な!!」
先ほどのように、ジャンプや自ら手を放しての空中ではない。
こうなってしまえば、もはや空中での自由な動きは不可能だ。
「よし」
「いくか」
横を見ると、ドラゴンワームが地上に向かって落下していっている。
だがそれを気にするでの無く、二人はツールを操作して最大の力を溜めこんだ。
《MAXIMUM RIDER POWER》《1、2、3》
「ハイパー、キック・・・!!」
《RIDER KICK》
ピ、ピ、ピ、ピ《5、5、3、2》
《EXCEED CHEARGE》
「ハァぁああああ!!」
「だァァアアアア!!」
「ま、待ってくれよ!!あんたらだってオルフェノクだろ?なんでそんな人間の味方してんだよ!!」
「聞く耳!!」
「持つか!!!」
「ぐぅえぁッ!?」
落下していくスクエアに、ファイズブラスターとカブトハイパーのダブルライダーキックがぶち込まれる。
赤い閃光と虹の螺旋のエネルギーが叩き込まれ、スクエアが大地に受かって落ちていく。
と、そこでさらに地上に発生した乱流に引き込まれ、さらに加速して、掻きまわされ、そしてコンクリートにすりつぶされてベルトが盛大に爆発して木端微塵に吹き飛んだ。
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「ぐ・・・・ぐひっ・・・・は・・・」
「おぉー、生きてるよこいつ」
「フン」
その後、荒れに荒れた東京タワー周辺で、海堂と巧が呉木田を発見した。
流石はアークオルフェノクの因子を色濃く受け継いだだけあって、生命力は高いらしい。
爆発したのはベルトだけ。それも、外れた後というのもあって無事だったのだろう。
とはいえ、日を跨いですでに一時間というこの時間まで気絶していたのでまったく「無事」というわけでもないが。
こいつはもう檻の中にぶち込んじまえ、とあきれ顔の巧と海堂。
そうして彼が連行され、天道と握手を交わしてから別れる二人。
だが、巧はまだ疑問が残っていた。
あの時、スクエアを打った水の砲撃は誰のものだったのだろうか?
to be continued
☆★☆★☆
後書きに入りきらないので
マンティスとスクエアの紹介!!
冠木慎太/仮面ライダーマンティス
モチーフとなった昆虫は蟷螂
初期のライダーと同じく、マスクドフォームとライダーフォームのみを持つ。
変身者の人間名を冠木慎太(かぶらき しんた)という。
正体はネイティブワームの過激派である異端児・ドラゴンワーム(蜥蜴)
ワームはもともと地球の虫に似た生体のものが多いが、蝸牛といった虫とは言えないが近しいものの特徴を持つ者もいる。彼はその中でも一番の異形。
ワームという種族の中でもさらに限られた自分の姿、そして能力に絶対の自信を持っており、ネイティブに所属しながらもワーム以上の力を備えている(一緒に地球まで逃れてきたのは単純に数では勝てないため。必要とあれば見捨てていた)
自分たちを攻撃していたワームが全滅し、ネイティブ侵攻派もカブトによって陰謀が阻止されたためにおとなしくなっていた。
その折、穏健派たちが新たに作り出したマスクドライダーシステム「マンティス」の情報を入手。強奪して逃走した。
マンティスはそもそも穏健派と言われる集団のネイティブが作り出した新たなるライダーである。
抑え込まれているとはいえ、カブトとガタックに埋め込まれ、なおも存在する全ワーム攻撃システム「赤い靴」の対策として開発された。
開発に携わったワームは一人(幡鎌 人・マンティスワーム)を残して全滅。
こうしてマンティスのライダーシステムは冠木の手に渡ってしまう。
ゼクターの形はホッパー系統と同じように側面をこちらに向けるようにスライド。
鎌部分を折り畳み、胴体部に押し込むことでキャストオフ。必殺技のスリータップは反り返った腹部を三度押し込む。
武装は、鎌状武器ツインスライサー。
形状は大鎌であり、柄の上下に刃が取り付けられている。
マスクドフォームは、武器も何も使えない徒手空拳。
ライダーフォームはツインスライサーを使っての斬撃が主な攻撃となる。
徒手空拳、と言っても、マスクドフォームは基本的に耐えることしかできない。
これは、システムの暴走したカブト及びガタックから「守る」ためのものという設計思想からくるもの。
そのダメージが一定を超えた時点でライダーフォームへの移行承認が降りる(相手がクロックアップなどの、マスクドフォームでは手に負えない能力を行使した場合はこの限りではない)
必殺技は、鎌状のエネルギーで敵を蹴り裂くライダーキック(後ろ回し蹴り)と、ツインスライサーで敵を切り裂くライダースラッシュ。
そして、ツインスライサーツインモードで敵の両肩を抑え込んで捕獲、クラッシャーで噛み付いて敵にエネルギーを送り込み吸収、若しくは破壊するライダークラッシュ。
ガタックから奪ったハイパーゼクターを使用し、さらにはマンティスワーム(幡鎌)を吸収して自らの力を絶対的なものとする。
冠木はネイティブですら下に見ており、その下に人類が存在すると考えている。
同時に、ライダーシステムはネイティブのものであり、決して人類が所持していていいものではないと思っているため、その奪取のために動き始めた。
最下層の奴隷として人類の価値は認めている。
これはネイティブが反旗を翻さぬよう、さらに下の存在を必要としたため(かつてそうだったように、ネイティブワームが数で攻めて来たら勝てないことを知っている)
とどのつまり、彼にとって人類は、何人集まり反旗を翻そうとも、脅威にはなりえないということである。
元々ライダーシステムの最高傑作であるカブトとガタックを止めるためのシステム故に、そのスペックは過去最高。単純な徒手空拳一発で軽い必殺技程の威力がある(単純攻撃力でカブトのライダーキックの2/3程)
ただしその強大なスペックの反面、使用できるネイティブは限られている。
並のネイティブでは、変身はできるがその後の副作用で死に至ることがある(最低でも蛹体に戻ってしまう)。
人間では変身できないよう設定されているため、使用不可(とはいっても、これはネイティブ側の措置であり、エラーではじかれなければタオキン粒子に侵され人間の身体は急速老化し消滅する)
「抵抗は自由だ。だが勝ち目はないぞ?」
「貴様らのシステムでは俺には勝てん」
「お前を吸収し、このライダーシステムは最高のスペックを発揮する!!!」
独裁的な考え方だが、ネイティブという種族繁栄のために動く男。
献身的な暴君ともいえる男は、はたして総てを司れるのか。
「人間ならば地べたがお似合いだ。天を往くのは龍である!!」
~~~~~
仮面ライダースクエア
変身者は呉木田浩司(くれきだ こうじ)
オルフェノク形態ではスワローオルフェノク
モチーフとなった記号はガンマ(Γ)。それを二個用いてスクエア(□)とした。
名前にガンマを入れなかったのは、ただ単に既存のものと同じにしたくなかったため。
胸元を走るフォトンブラッドの角が直角なためになだらかなエネルギー循環ができない。
よって、その動きは非常に角ばっており、格闘は苦手である。
だがその分、角にぶつかる衝撃を各部に送り込むため攻撃は一撃一撃が強力無比。
バネが外れたかのような攻撃を放ってくる。
また、そのせいで攻撃を食らうとその部分から小爆発を起こしてしまう。
だが改良の結果、それはすでに欠点ではなく「攻撃してきた敵へのカウンター」として機能するようになった。
呉木田は、アークオルフェノクの因子を持つオルフェノクである。
「奴」に取り込まれ、爆散した際に飛び散ったオルフェノク因子は、滅びにあった彼らを生き長らえさせ、さらに強くさせた。
現段階で過激派オルフェノクは極少数(様々な能力を持つ人間が増えたため)であり、表立っての軋轢はない。
だがオルフェノクに限らず、力を存分に振るいたがる輩は当然存在し、呉木田はその一人である。
力を見出したスマートレディからギアを受け取り、遊び気分に殺害。
自らの力に絶対的な自信をつけた呉木田は、元々の性格もあって力を振るいたがり暴れだす。
「オルフェノクが一番だー!」と騒ぎながら暴れるその姿は、まさしく暴君。
だがそれは思想犯というよりは、ただ敵を定めて暴れだすだけのチンピラに近い。上記の宣言は、ただの口実。
しかしもとより持っていたアークオルフェノクの因子とライダーズギアによってその暴走はとどまることをしらない。
海堂に見つかり、カイザとなった彼と交戦。
これを機に他のライダーをつぶすことを決定した。
変身ツールであるスクエアフォンはスマートフォン型。
画面上で四角を描き、縁のエンターを押すことでスタンバイ状態になり、横のまま上からスライドで挿入して変身を完了する。
ファイズフォン等にあるガンモードはないが、スクエアの力は周囲のフィールドを把握にすることである。
スクエアフォンから小さなポインターを撃って、自分を中心に四角形を描くことで完成するエリアを自分の陣地とする。
そこに入ってきた敵ならば、即座に反応して撃退するオートアタック機能がある。
必殺技は、さらにそこで敵を捕縛し、ポインターを放って拘束してからのライダーキック「ブロッククラッシャー」《劇中未使用》
「他の奴らと仲良しこよしのてめぇを見てるとよォー、みてて腹が立ってくんだよォ!!」
「俺はキングだぜ?地面這いつくばってよォー、俺を見上げてりゃぁいーんだよォー!!」
「てめぇ、俺に意見すんのか?お?邪魔だから死ねよ」
どこまでも自己満足のみを追う男である彼に、もはやオルフェノクであるかどうかは問題ではない。
ただの暴君であるこの男にそのような信念ではなく、ただ自分のいいように動くだけだ。
「ま、待ってくれよ!!あんたらだってオルフェノクだろ?なんでそんな人間の味方してんだよ!!」
後書き
カブト、ファイズ編終了!!!
描写は一切なかったですが、呉木田がベルト渡された時に一緒にいた連れのバイク仲間、いたじゃないですか。
彼らの末路は・・・・まあ生きてます。
ただ、テンション上がった呉木田にバイク壊されて足がなくなり、山道で遭難しかかっていたところを保護されました。
次回は・・・・龍騎編です。
真司
「次回。なんだ?耳鳴りが・・・・」
ではまた次回
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