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ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士

作者:涙カノ
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第37話 =過去=

 
前書き
今回…二番煎じだし…いろいろで出来が悪いかも…いやそれは普通か…
いつも以上におかしいところがあるかもしれません 

 
=第50層=【称号:黒衣の断罪者】

ヒースクリフさんとキリトの戦い、そしてシリカとの事故からすでに2日が経っていた。ヒースクリフさんのあの不可思議な動きはいまだに疑問を感じさせているが…まぁ気にしていても仕方が無い。
そう自分で割り切り今日はエギルからのメッセージで『面白いものが見れる』と書いてあったのでどうせこの後用事もないので副団長と新団員がいるはずのエギルの店についでに立ち寄ることにした。
今日は珍しくギルドがオフの日なのでサチたちは久しぶりのショッピングなどに行っている。

「よく来たな、リクヤ」

「おっす、エギル。最近繁盛してるらしいじゃん」

「副団長様のおかげだよ。…おかげで俺は一階で寝る羽目になってるけどな…」

一瞬哀れみを覚えたが、詐欺まがいのことをやっているこの店主には無用だと思い2階に登る。いまやこの店の2階はキリトのプレイヤーホームと化している。それでも追い出さないのは友情…ではなくアスナのおかげだろう。なんだかんだで有名だし綺麗だし、人当たりいいし…と客にとっては好印象しかもたれない。おかげでアスナ目当てでここに来る人が多くそのついでにエギルの店で買い物をするためどんどんエギルが儲かる、ということだ。
その儲けで店のもの安くしてくれないかな~…なんて思いながらドアをノックする。すると…

『どちら様ですかー?』

「俺だ、リクヤだ」

『リクヤ君?…わかった、今開ける『アスナっ!ちょっと待て!!』いい加減諦めなよ~』

アスナにドアを開けられ、部屋の中に入る。ドアから手を離し部屋の中央へ行こうとしているアスナの姿はもちろん見えるのだがさっき声が聞こえたはずのキリトの姿が見当たらない。肉眼では、だが。まさかここで索敵の恩恵にあずかるとは…と思いながらスキル発動、こんなそう広くない部屋のどこに隠れる部分があったのかは知らないけど器用にオブジェクトの後ろに隠れていたキリトを発見した。

「…ぶっ!!」

白い服装のキリトを。

「だから待てって言ったんだよ…」

「あはははははは!!くぅっ…腹痛ぇ!」

しぶしぶ出てきたキリトの全身を見てしまい、俺は地面に転げ落ちながらも爆笑、隣ではアスナもクスッと笑っている。それにしても…

「似合わねぇな!!あーはっはっは!」

ここまで白が似合わないやつもなかなかいないぞ!?いつもとは反対の色ということもあってか違和感バリバリ、某動画サイトとかでいうなら「違和感がログインしました」ってやつだな。俺も普段黒の【黒衣の断罪者】を着たりして時々【抜刀騎士】の白い服に替えるときはあるけど…いや、本当に似合わない!

「中まで、真っ白とか、しかも派手だし!」

もうしゃべるのもつらくなってきた…それほど俺のツボにはまったのだ。やはりすさまじいがさすがにこれでボス戦には来てほしくない、俺が集中できない。

「アスナ…本当にこれ、地味なのか?」

「これでも十分地味なほうだよ?うん、大丈夫。似合う似合う!」

「じゃあ目の前のこいつの反応はなんなんだよ!」

おっとキリトが怒りそう…というか怒ってるみたいだ。だが忘れないでほしい、これは自業自得なのだ。断れる勝負を自分で受けて追い詰めたはいいものも負けたんだから。

「ふぅ…ふぅ…面白すぎて涙でてくる…」

「くっ…」

「それにしても………キリトがギルドに入るなんて、なぁ」

「ごめんね…すっかり巻き込んじゃったね…」

「いや、いいきっかけだったさ…ソロ攻略も限界が来てたから…」

キリトはあの事件以来どこかのギルドのメンバーとパーティを組む、ということはあってもギルドに入るということはまったく無かった。恐らく俺やサチ以上に引きずっているのもがあるのだろう…

「ねぇ…キリト君」

俺がそんな思考に耽っているとアスナがさっきの笑い顔をなくし、真顔でキリトに質問をしていた。いきなりギャグ空気からシリアス空気になったのは俺にもわかる。

「教えてほしいな。何でギルドを…人を避けるのか……。ベータテスターだから、ユニークスキル使いってだけじゃないよね。キリト君、優しいもん」

キリトが少し眼を見開いたのがここから見えたが恐らく俺の顔はより驚きに満ちているだろう。確かに俺…俺とサチはシリカ、ユカとともにギルドを作りそのトラウマを俺は、乗り越えようとしたが実はまだ乗り越えていない…まだ俺の心の大きな傷として深く刻まれている。

「……リクヤ…」

「俺の心配はいいって……キリトが話した言って思うなら話なよ…」

俺は人前で自分が悲しい顔をしたくない…涙とか、暗い顔とか…見せたくないんだ…そう思いながら無理にでも笑ってみる。キリトも何かを決めたのか一旦深呼吸をしてから口を開いた。

「………もうずいぶん昔……1年以上前かな。1度だけ、ギルドに入っていた事がある……」

「俺やキリトも入れて7人…凛々の自由よりかは大きいけど…小さいギルドだったな」

「あぁ…名前も傑作だったしな…」

あのときのことを思い出しながら…一瞬俺も入ったとき笑ってしまった名前だ。多分キリトも同じように思い出しているのだろう、少し笑みをこぼしながら傑作な名前のギルド『月夜の黒猫団』の名前を口にした。その名前で和んだのかアスナも小さく微笑んでいた。

リーダーだった両手棍使いのケイタは本当に言いやつだ。恐らくこのオンラインゲーム内でも1人2人いればいいほうの人物だった。今、俺たちと一緒に攻略組に入っていたなら実力はKoBに負けると思うが恐らく発言力やその他の面ではトップギルドに名を馳せていただろう…

「彼らのレベルは当時の俺よりかなり低かった…俺が上げすぎただけかもしれないけど…でも俺は嘘をついて…黒猫団のアットホームな雰囲気にあこがれた。…だから俺はビーターだって事も、レベルも全部隠してギルドに入れてもらったんだ」

俺が入ったのはキリトよりも遅く、キリトの加入した黒猫団に危ないところを助けられそのときのチームワークがとてもすばらしいもので俺はその輪の中に入って一緒に戦いたい、そう思いギルドに加入させてもえらったんだ。おかげで俺も安心して戦うことが出来てギルドも助けられる…そんな、得とかって言っちゃあれだけどお互いに利益のある行動が出来た。

「そこであるやつを剣士に転向させるためそのリーダー、ケイタがキリトに頼んでたんだ…時々俺も手伝って立ち回りとかコーチしてたっけ」

「…あるやつって?」

「……サチだ…あいつは俺やキリトよりも前に黒猫団に所属していたんだ。…そしてそのケイタたちとはリアルでも友達だったらしい…」

そのサチはあるときキリト、そして俺に心のうちを吐露した。今思えば本当に珍しいことだったんだろう…長い間パーティやギルドを組んでいてわかったけどなかなか思っていることは言葉どころか表情にすらださず今は、いつでも明るく振舞っている。

そして数週間後、ケイタはギルドホームを買うお金がたまった、と言っていた。そして交渉に行くために売り手との交渉に行っていた。そのときついでに、俺は当時引きこもっていたユカのお見舞いに行きたいと無理をいって他のメンバーと俺は別れた。

このゲームで第6感的なものが存在するとは思えないがなにやら嫌な予感のした俺は急いでメンバーと別れた層に転移し、周りの人に聞き込みして黒猫団がいると思われる迷宮区へ急いだ。
そして俺がついたときには扉の奥でジリリリリとなっている一角を見つけた。一方通行だったため俺も入ることが出来たがそこに広がっていたのはものすごい数のモンスターにキリト、サチが襲われている光景だった。大剣の攻撃範囲のおかげでサチを助けることは出来たのだがほかのテツオ、ダッカー、ササマルは守ることが出来ず、死なせてしまった。
仮ギルドホームとしていた宿屋のあった層に俺たちだけが戻り3人が死んでしまったことを言うと何故俺たちが生き残ることが出来たのか、をケイタに聞かれる。そして俺とキリトは本当のレベル、キリトはさらにビーターだと言うことを白状した。
そして今まで俺たちを見ていた眼をは違う目で見ながらあいつはこういった。

「『ビーターのお前たちが、僕たちに関わる資格なんて無かったんだ』ってな」

「……っ」

俺がケイタの言った刃にも思えた言葉を言うとキリトは何かが悔しいかのように手をいつもより強く握り締めていた。現実だったら爪が食い込んで血が出てるくらいに。

「……その人…ケイタさんは?」

「自殺した」

明らかに椅子に座っていたアスナの体がビクリと震えるのがわかった。アスナは多分、仲間が死ぬ場所は見ても自殺するなんて
ことを見た経験は無いのだろう…

「多分…アイツは俺とキリトを…友達を奪った悪魔みたいに思いながら死んだんだと…思う…」

「あの時、俺がビーターだって事を隠していなければ、あの罠の危険性を納得させられるはずだったんだ。だから……ケイタや、みんなを殺したのは……俺だ」

この点だけに関しては罪逃れをする気は無いが多分危険性を知らせていなかったのは全部キリトの責任になるだろう…でも俺があそこにいればキリトの意見に賛成していたから皆を連れて帰ることは出来た…わがままなんかでみんなの命を奪ったと同然なのが俺なんだ。
時折夜に俺は「お前は幸せになる価値は無い」となんども言われる悪夢を見てしまう時がある。

「わたしは死なないよ」

俺も思い出して悔しくなり顔を伏せていると突然、アスナが声を出しキリトを抱きしめる。その光景だけ見ていると恋人…ではなく母親のようでキリトに入っていた無駄な力も抜けていった。

「だって、わたしは…わたしは、君を守るほうだもん」

そう言って、アスナはその胸のなかによりキリトの事をそっと包み込む。今、俺は空気な状態だけど逆にそれでいいと、そのときは思った。多分キリトの傷を癒せるのは元メンバーのサチでも、俺でも、SAO開始時からの親友クラインでもなく今目の前でキリトを抱いているアスナしかいないと思う…
これくらいの幸せなら…与えてやってくれよ、ケイタ…その分の恨みは俺が全部受け止めるから…

――――――

その十数分後、ようやく離れた2人はやっと俺のことを思い出したのか顔を紅くし2人して部屋の両端に座っていた。距離をとったつもりなんだろうけど…いまさら感が半端ない。

「……」

「黙るな、俺が苦しくなる」

「え、あ、うん…」

「でも…うん、いいものだな~ユカとかには報告しておこう」

「ちょっと!?お姉ちゃんに言うの!?」

「…いや、俺アイツに隠し事できないし」

いままで何度嘘を見破られたことか…でももともとアスナにあのことを話したということは当事者の1人のサチには伝えなくて
はならないだろう。絶対その過程で聞かれるな…と思いながら軽く笑う。

「じゃ、また明日。俺も明日は本部行くから」

「…あぁ、また明日な」

「ギルド仕事頑張れよ、キリト」

そういいドアを開き俺はその部屋から出る。…今日はあいつ等のおかげで俺の中に巣くってた毒も一気に出せた気がしてなんだ
かすがすがしい。少し上機嫌になりながら日が暮れ始めてきたアルゲードを歩き続け、俺は家に帰るため22層へ転移した。













 
 

 
後書き
リ「まさかまた月夜の黒猫団のことを思い出すことになるなんて…」

涙「本当にこの話は思いよね~…さて、気持ち切り替えよう!」

リ「急だな!?」

涙「そりゃそうだすよ!まだALOの種族決まってないんだから!」

リ「…おい…」

涙「一旦、候補を増やそうかと思って
・オリジナル種族
・原作9種族のどれか
の計10種にしようかなって…ちなみにオリジナルで考えているのは電気の得意分野として『ヴォルト』を…特徴はこれから考えていくけど原作の9種族もいいんだよな~その後の展開につなげやすいから…」

リ「だな…」

涙「そういうことでどんな小さな意見でも構いません、これがいいと思うという意見でも十分助かります!!宜しくお願いします!!」 
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