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レーヴァティン

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第三十四話 大魔術師ガンダルフその四

「相当に強いよ」
「じゃあ本当にな」
「ドラゴンマスターが仲間になったら」
「いいな」
「全くだね、グリフォンにしても」
 先程倒したこのモンスターもというのだ。
「使えればね」
「いいな」
「戦うよりも味方になれば」
「強い敵は味方になれば頼もしい」
「そういうことだからね」
「敵は少ないに限るさ」
 久志は笑ってこうも言った。
「モンスターにしても」
「その考えいいね」
「敵は少ないに越したことはないし味方は多い方がいい」
「そしてその味方は」
「完全な味方だとな」
「最高だね」
「グレーゾーンならそれでいいにしても」
 そのグレーゾーンにいる者達が味方だ、久志はそのグレーゾーンを極限まで広くして考えてもいる。
「それでもな」
「グレーゾーンをだね」
「徐々に白くしていく」
「完全な味方にだね」
「していくべきだな」
「ゲームで言うと忠誠心だね」
「それを最高にしていくべきだよ」
 これを友情と言い換えてもいい、久志はただ味方に引き込むだけでなくそれからのことも考えていた。
 一行は頂上への道を先に先に進んでいった、モンスター達を倒し険しい道を乗り越えていって。そして遂にだった。
 一行は遂に頂上に来た、ここでだった。 
 久志は周りを見回してだ、すぐに石造りの寺院を思わせる一軒の建物を頂上、台地状になっているそこの端の方に見て言った。
「あれがか」
「うん、ガンダルフさんのお家だよ」
 その通りだとだ、淳二は久志に答えた。
「あそこがね」
「やっぱりそうか」
「あそこに行けばね」
「結構離れてるな」
 大体五百メートル程だ。
「モンスターはいないけれどな」
「この山は頂上にはモンスターは殆ど来ないんだ」
「それはいいな」
「殆どだけれどね」
「たまには来るか」
「おいらも戦ったし」
「それでここにか」
「お宝があったんだ」
「岩だらけだしな」
 台地状だが岩が多く視界は悪い。
「ここに何があってもな」
「おかしくないね」
「中に埋もれてもいそうだな」
「それでおいらも探していてね」
「たまに来たモンスターとか」
「戦いにもなってそこでね」
 まさにその時にというのだ。
「ガンダルフさんが出て来たんだ」
「それで会ったのか」
「うん」
 その通りという返事だった。
「おいらもね」
「そういうことか、じゃあ今はな」
「今は?」
「すぐに会いに行くか」
 そのガンダルフにというのだ。
「そうするか」
「話は早くだね」
「そうだ」 
「何か性急だね」
「目的だからな、それが」
 ガンダルフに会うことがというのだ。
「だからな」
「もうちょっと道草しようとか思わない?」
「こんなところでか?」 
 何もない、まさにそうした場所でかとだ。久志は淳二に眉を顰めさせてそのうえで彼に問い返した。 
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