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ドリトル先生と春の花達

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第十一幕その一

           第十一幕  和歌会
 遂に学園そして神戸中の桜達が一斉に咲きました、先生は学園でその桜達を見て笑顔で言いました。
「よかったよ、いつもの時に咲いてね」
「うん。寒くてどうなるかって思ったけれど」
「いつも通り咲いたね」
「遅れることなくね」
「無事にね」
 一緒にいる動物の皆も笑顔で応えます。
「満開になったね」
「凄く奇麗だよ」
「香りもいいし」
「桜最高だよ」
「これ以上はないまでに」
「日本の春だよ」
 先生は目を細めさせてこうも言いました。
「遂に春が来たんだよ」
「暦の上ではもう春でもね」 
 ポリネシアがここで言いました。
「日本は桜が咲いてってなるわよね」
「他のお花が咲いてもまだ春って思えないんだよね」
 ガグガブも日本人のことを思うのでした。
「蒲公英も梅も桃も菊もね」
「やっぱり桜だね」
「そうよね」
 チープサイドの家族も桜達を見ています。
「日本人の春は」
「桜がないとはじまらないね」
「これで春になったね」
 ジップは桜を観つつ尻尾を左右にぱたぱたと振って喜んでいます。
「神戸もこの学園も」
「私達もそう思えてきたわ」
 ダブダブは自分達のことをお話しました。
「春になったわ」
「日本にいたらそう思えるよね」
「桜が咲いて春になるってね」
 オシツオサレツも前後の頭で言います。
「一年もはじまるって」
「そういう風にね」
「本当に桜って日本人の中で大きいね」
 ホワイティは老馬の背中の上でしみじみとなっています。
「第一のお花なんだね」
「国花以上のものがない?」
 チーチーはこう思うのでした。
「神様みたいになってる?」
「あっ、そうかもね」
 最後の老馬がチーチーに応えました。
「日本人にとって桜はね」
「そうかもね、桜があってね」
 先生も皆にお話します。
「日本人の心があるってね」
「そう言ってもいい位だよね」
「日本人にとって桜って大事だよね」
「咲いてこの目で見ればあらためてわかるわ」
「桜が日本人にとってどういったお花か」
「このことがね」
「桜にも神様がいるけれど」
 八百万のその神様たちがです。
「かなり素晴らしい神様だね」
「そうだよね」
「日本人に春、そして一年のはじまりを知らせてくれる」
「そうした神様だね」
「僕達もその神様を見ているんだね」
「棒達のこの目で」
「そうだよ、じゃあね」
 先生は皆にさらに言いました。
「明日遂に和歌会だけれど」
「その和歌会もね」
「神様がいるんだね」
「じゃあ桜の神様と和歌の神様に見守られながらね
「先生も和歌をするんだね」
「そうなるね、ここでびっくりするのはね」
 先生がそうなったことはといいますと。
「僕がキリスト教徒でもね」
「和歌をしていいんだよね」
「神道に触れてもね」
「それでもいいのね」
「そうだよ、クリスチャンが神社やお寺に行ってもいいし」
 日本ではです。 
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