歌集「冬寂月」
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七
日は弱く
色も褪せにし
冬の野に
想ふ侘しさ
つもりけるかな
日は弱々しく…眺めても枯れ果てて色褪せた野原しかない…。
そんな冬の野原を眺めても…この想いは埋まらず…
ただ…侘しさだけが雪の代わりに積もってゆくようだ…。
夢でさへ
逢ゑぬこの身を
嘆きけり
覚めても変わらぬ
憂き世なりける
夢でもあの人に会えないと嘆いている…。
そうして淋しさに目を覚ましため息をつけば…あぁ、この世は憂いばかりなのだなぁ…と、虚しさにまたため息を洩らす…。
寝ても覚めても憂いばかりならば…一体、どうしたら良いのだろうな…。
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