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歌集「冬寂月」

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 日は弱く

  色も褪せにし

   冬の野に

 想ふ侘しさ

  つもりけるかな



 日は弱々しく…眺めても枯れ果てて色褪せた野原しかない…。

 そんな冬の野原を眺めても…この想いは埋まらず…


 ただ…侘しさだけが雪の代わりに積もってゆくようだ…。



 夢でさへ

  逢ゑぬこの身を

   嘆きけり

 覚めても変わらぬ

   憂き世なりける



 夢でもあの人に会えないと嘆いている…。

 そうして淋しさに目を覚ましため息をつけば…あぁ、この世は憂いばかりなのだなぁ…と、虚しさにまたため息を洩らす…。


 寝ても覚めても憂いばかりならば…一体、どうしたら良いのだろうな…。



 
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