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歌集「冬寂月」

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 寄る辺なき

  川面の枯れ葉

   流さるゝ

 うきしその身を

    侘しからんや



 寄る場所もなく流されゆく枯れ葉…。
 フラフラと流され…どこへ向かうと言うのか…。

 そんな川面に浮かぶ枯れ葉は…自分を侘しいとは思うだろうか…?

 決してあの人に寄り添えない私が…こうも侘しいのだから、枯れ葉さえ侘く思うだろうよ…。



 小夜更けて

  寒さ身に染む

   冬の風

 想いも凍てし

   独りかも寝む



 夜も更けて…冷たい冬の隙間風は身に染みる…。

 こんな夜は、考えたくないことを考えてしまい…思い出したくもないことを思い出してしまうもの…。

 あの人ともう一度会いたかった…あの人にもう一度触れたかった…。

 叶わぬ想いは凍てついて…心に深く突き刺さる…。


 世は無常…詮ないことなのだ…。

 ただため息をつき…眠るだけだ…。



 
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