歌集「冬寂月」
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六
寄る辺なき
川面の枯れ葉
流さるゝ
うきしその身を
侘しからんや
寄る場所もなく流されゆく枯れ葉…。
フラフラと流され…どこへ向かうと言うのか…。
そんな川面に浮かぶ枯れ葉は…自分を侘しいとは思うだろうか…?
決してあの人に寄り添えない私が…こうも侘しいのだから、枯れ葉さえ侘く思うだろうよ…。
小夜更けて
寒さ身に染む
冬の風
想いも凍てし
独りかも寝む
夜も更けて…冷たい冬の隙間風は身に染みる…。
こんな夜は、考えたくないことを考えてしまい…思い出したくもないことを思い出してしまうもの…。
あの人ともう一度会いたかった…あの人にもう一度触れたかった…。
叶わぬ想いは凍てついて…心に深く突き刺さる…。
世は無常…詮ないことなのだ…。
ただため息をつき…眠るだけだ…。
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