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ドリトル先生と春の花達

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第十幕その七

「満開になるね」
「そうなんですね」
「そう、それにね」
「それに?」
「和歌会の後はね」
「お花見ですね」
「そちらも楽しめるからね」
 だからというのです。
「今から楽しみだよ」
「桜は色々と楽しめますね」
「というか桜の楽しみ方を見付けてきたのがね」
「日本人ですね」
「僕達はその楽しみの中に入っているんですね」
「そうなるね」 
 こうトミーにお話するのでした。
「何しろイギリスにはここまで桜は咲いていないからね」
「あることにはありますが」
「ここまではないね」
「はい」
 その通りと答えたトミーでした。
「だからね」
「桜の楽しみ方はですね」
「日本人が見付けたんだ」
 その色々な楽しみ方をというのです。
「そうなってるんだ」
「そういうことですね」
「うん、じゃあね」
「和歌会もお花見もですね」
「楽しみにしていよう」
 是非にというのです。
「僕達もね」
「はい、それで図書館では」
「本を探しているんだ」
「論文の文献をですね」
「今度はカイギュウについて書いているけれど」
「ああ、カイギュウさんだね」 
 ガブガブはカイギュウと聞いて言いました。
「マナティーさんやジュゴンさんだね」
「暑い海にいるよね」 
 そうした生きものはとです、ジップも言います。
「どのカイギュウさんも」
「僕達沖縄に行ったし」
 チーチーが言うにはです。
「あっちの海にもいるんだよね」
「じゃあその時のことも活かして書くのかな」
 トートーは先生を観ながら言いました。
「先生は」
「あの時は蛇さん達のことでかなりあったけれど」
 ポリネシアはあのヒャンやハイのことを思い出しました、沖縄の人達でも滅多に観られない彼等のことを。
「ジュゴンさん達もいたわね」
「沖縄は本当にいい場所だったね」
 ホワイティも沖縄でのことを思い出しています。
「美味しいものも一杯あって」
「そうそう、また行きたいね」
「そうよね」
 チープサイドの家族も沖縄のことを思い出しています。
「機会があれば」
「是非ね」
「あっちじゃもう桜が咲いているそうね」
 ダブダブが言うのはこのことでした。
「桜を早く観られるし余計にいいわね」
「冬も暖かいだろうね、沖縄は」
「あの時は暑い位だったし」
 オシツオサレツも言います。
「それじゃあね」
「もう冬はない位だろうね」
「そしてその沖縄に行った時のこともだね」
 老馬が先生に尋ねました。
「先生は今度の論文に活かすんだね」
「いや、カイギュウはカイギュウでもね」
 それでもと言う先生でした。
「河にいるカイギュウだよ」
「あれっ、海にいるんじゃなくて」
「河にいるカイギュウさんなの」
「そちらなの」
「うん、アマゾンのね」
 この河のというのです。 
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