歌集「冬寂月」
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四
侘び濡れて
けふも陰りし
心なる
憂きしわが身は
黄昏れにける
恋しさはなくならず…寂しさに暮れる…。
心は陰り…何もかもに苛立つ自分にまた、苛立ってしまうとは…何とも無様なことではないか…。
憂いばかり…恨めしいこの身をどうしたものかと…ただただ、黄昏るしか出来ぬことよ…。
枯れ落つる
もみじ葉の紅も
色褪せて
冬そ虚しや
添ふ影もなし
もうあちこちで木々は葉を落とし…紅葉も鮮やかなその紅を褪せさせている…。
また冬が来たが…今年は一段と寂しさが募る…。
郷里から離れ…愛した人の影もなく…思い出を顧みる景色もないのだ…。
何と虚しい冬なのだろう…寄り添う影もない、ただ冷々とした…寂しい冬だ…。
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