ドリトル先生と春の花達
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第九幕その七
「時には酷い人が周りにいてあえて麻薬を勧めたりするけれどね」
「先生とは逆にだね」
「そんなことをする人もいるんだね」
「絶対にやっちゃいけないことに引き込む」
「麻薬とか」
「ジミ=ヘンドリックスはね」
先生は今も伝説になっている名ギタリストのことをとても悲しいお顔になって思い出しました。
「あまりにもね」
「あっ、アメリカの人だね」
「ギターの人だね」
「若くして亡くなったんだよね」
「まだ二十代で」
「うん、無茶苦茶なツアーのスケジュールを組まされてね」
所属していた事務所にです。
「それで麻薬も渡されてね」
「酷いね」
「先生と真逆じゃない」
「絶対にやっちゃいけないことを渡すなんて」
「一体何を考えてるのよ」
「それでツアーの疲れと麻薬のせいでね」
まさにそうしたことでというのです。
「若くしてだったんだ」
「凄く才能があったのに」
「そうなっちゃったのね」
「周りの人達は凄く酷い人達だったのね」
「もう呆れるわ」
「最悪だよ」
「周りの人達は彼を消耗品、お金のあてにしか思っていなかったんだ」
偉大なギタリストをです。
「そしてそうした風にしてね」
「若くしてなのね」
「ジミ=ヘンドリックスさんは亡くなったのね」
「そうなってしまったんだ」
皆もそのお話に悲しいお顔になりました。
「先生はそんなことしないけれど」
「絶対に」
「そんなマフィアみたいなことはね」
「何があってもしないから」
「実際彼のマネージャーはおかしいんだ」
どうもというのです。
「おかしかった、かな。自殺したとされてるし」
「されてる?」
「自殺したんじゃなくて?」
「それどういうこと?」
「マフィアと関係があったというし」
マフィアのお話が出たところでという感じでした。
「自殺した筈なのに見たというお話が何件かあったり」
「身をくらましたのかしら」
「何かの事情で」
「そうした人?」
「胡散臭い」
「うん、元々彼が麻薬とかを渡したりとんでもないツアーを考えていた可能性が高いしね」
マネージャーだっただけにです。
「それでそんな人だから」
「それでなのね」
「そうした逃げ方もしていて」
「ジミ=ヘンドリックスも死なせた」
「そうなのかな」
「うん、悪い人もいるからね」
世の中にはです。
「だから僕はこの人みたいにはならないよ」
「というか先生全然違うから」
「そうした人とは正反対だから」
「人を粗末にしたりしないし」
「利用したりもしなくて」
「麻薬なんて絶対に勧めないし」
「そういうことも聞いたから」
過去にです。
「だから僕はお薬や治療法は勧めるけれど」
「麻薬は絶対に進めない」
「そうなのね」
「それじゃあ和歌についても」
「そうするのね」
「そうだよ、刺激は景色や読書で得るよ」
そして学問です。
「必要だと思ったらね」
「お酒でもだよね」
「ちゃんとそうしたことでなのね」
「刺激を得て」
「真面目に和歌会に赴くのね」
「お酒は多少ならいいんだ」
そちらはというのです。
「だからね」
「それでだね」
「お酒は飲む」
「桜酒を」
「そちらで」
「いやいや、桜酒はお花見の時にだよ」
その時に飲むというのです。
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