歌集「冬寂月」
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二
現をも
わが身も恨めし
なみだ雨
想い形見に
袖そ濡らしつ
今あるこの世界…そして私自身も…恨めしくて仕方無い…。
恋しいと嘆く心には涙雨が降り続き…一向に光の射す気配さえなく…。
ただただ…思い出に涙するだけ…。
恋しきは
冬風いたみて
荒立ちて
灯火なくば
朽ちて沈みし
この恋しいと言う気持ちは、どうしたら良いのか…。
冬の冷たい風が強く吹くほど、心の波は荒立って…愛しい人の姿を一目でもと…そう思ってしまうのだ…。
そんな心の荒波を、どう進めば良いものか…標となる灯火もない今、朽ちて沈むだけなのだろうか…。
世のなんと…無情なことよ…。
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