ヘタリア大帝国
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94部分:TURN9 ドクツ動くその九
TURN9 ドクツ動くその九
「何も心配いらんって」
「けれど。ドクツっていうと」
「ああ、あの総統?」
「そうだよ。レーティア=アドルフさんが兵器も開発してるっていうけれど」
「だから大丈夫だしーーー。俺のところの方が数多いんよ?」
「それはそうだけれど」
「それにエイリス、オフランスとの同盟もあるしーーー」
ポーランドはリトアニアに外交のことも話した。
「全然平気って。心配いらんって」
「本当に大丈夫?」
「大丈夫だって。そんでだけれど」
「それでって?」
「そっちどうなん?今」
リトアニアの状況をだ。ポーランドは聞いてきたのだ。
「ソビエトってどうなん?」
「ま、まあここはね」
急にだ。リトアニアは口ごもった。そしてだ。
難しい声でだ。電話の向こうのポーランドに言ってきた。この時リトアニアは自分の顔が愛手に見えないことを喜んだ。それは見られたくなかったからだ。
そのうえでだ。こうポーランドに言うのだった。
「貧富の差とか失業とかなくて」
「共有主義だったっけ」
「うん、それに基いて。書記長が政治を行ってるから」
「あの女の子?」
「そう、カテーリン書記長」
彼女の名前をだ。リトアニアは出した。
「あの人が今の俺達を指導してくれているんだ」
「ロマノフ朝の人とはまた違うん?」
「全然違うよ。本当にね」
「ロマノフとどっちがええのん?」
「そ、それは」
どうかというと。ここでまただった。
リトアニアは口ごもった。そしてこうポーランドに言いつくろったのだった。
「まあそれはね」
「楽しくやってる?それで」
「だから。貧富の差も失業もないから」
「じゃあ生活に困ることはないんよね」
「うん、ないよ」
その心配はないというのだ。
「それに。お金のやり取りもないし」
「えっ、それもないん」
「そうだよ。ないよ」
それもだと答えるリトアニアだった。
「共有主義では何でも好きなだけ手に入るんだよ」
「必要なのは何でも?」
「そう。欲しいものはね」
「それって最高だしーーー。じゃあ俺も普通に共有主義にしよっか」
「い、いやそれは」
「そうすればまたリトと一緒にいられるしーーー」
ポーランドは能天気なままリトアニアに話す。
「それってよくね?どう思うリト」
「俺もポーランドとはまた一緒にいたいけれど」
この気持ちはリトアニアも一緒だった。しかしだ。
それでもだとだ。リトアニアは言葉を濁して言ってきた。
「まあ。そっち頑張ってね」
「ああ、戦争のこと」
「そうだよ。ドイツさんにプロイセンさんも来てるんだよね」
「妹二人も来とるんよ」
「じゃあ余計にまずいじゃない。危ないよ」
「だから大丈夫なんよ。俺勝つしーーー」
「だといいけれど」
「じゃあ今から出撃準備するから」
何も心配していないといった顔での言葉だった。
「んじゃまたね」
「うん、それじゃあ」
こうしてだった。ポーランドはリトアニアに別れを告げて電話を切った。そのうえで彼自身の艦隊の出撃の用意に入るのだった。
既にポッポーランド軍の主力八個艦隊はドクツ軍と対峙しようとしていた。その中でだ。
ポッポーランド軍の司令官がだ。艦橋の旗艦でこう参謀達に言っていた。
「ドクツ軍は四個艦隊か」
「はい、国家艦隊が二つにです」
「通常艦隊が二つです」
「わかった。しかしだ」
どうかとだ。司令官はここで言った。
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