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ヘタリア大帝国

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80部分:TURN8 レーティア=アドルフその四


TURN8 レーティア=アドルフその四

 その軍服姿で出て来てだ。こう言うのだった。
「どうも。この服は」
「慣れませんか?」
「少し」
 こうだ。やや困った顔で気遣ってきたハンガリーに答えたオーストリアだった。
「そもそも軍服自体がです」
「そうですか」
「しかしです。私もですね」
「これからはドクツ第三帝国の一員ですから」
「はい、あの方と共に頑張りましょう」
「それでだが」
 ハンガリーと話をするオーストリアにだ。ドイツが言ってきた。
「総統のお考えだが」
「あの方が一体?」
「うむ。これからどうするかだ」
 このことをだ。ドイツはオーストリアに言ったのである。
「このことはわかっているか」
「ゲルマンの生存圏確保ですね
「ゲルマン民族は多い。欧州においてな」
「私達だけではないですからね」
 今ここにいるドイツやプロイセン、そしてオーストリアだけではないというのだ。もっともハンガリーはアジア系である。欧州では他にフィンランドもアジア系である。
「ベルギーやオランダもでしたね」
「広範囲で言えば北欧もゲルマンの血が入っている」
「そしてロシアさんの国にも多いです」
「では欧州のかなりの場所になる」
 ドイツは言った。
「それだけの国がドクツになるのだな」
「いや、それに留まらないだろ」
 プロイセンがすぐにだ。そのドイツに言ってきた。
「あの方は多分もっと凄いの見てるぜ」
「何っ、ゲルマンの生存圏だけではないのか」
「まあそれも今から言うだろうな」
 このことをだというのだ。
「だからな。今日の演説は凄いことになるぜ」
「そうか。ではだ」
「ああ、総統のところに行こうぜ」
 プロイセンはドイツに他の国々にだ。声をかけてだ。
 彼等の上司と合流してだ。そしてだった。国民達の前に姿を現しに行くのだった。
「ぜんたーーーーーい、止まれ!」
 号令が出る。そして。
 その声と共にだ。整然と行進していた兵士達が動きを止めてだ。そのうえでだ。
 見事に左右に並ぶ。その間をドイツ達が進む。そしてその前に。
 首に柏十字のある黒い軍服、下は極端に短いタイトのミニになっている軍服と太腿を隠したブーツを履いておりコートをマントの様に羽織っている少女が進んでいた。
 眩い光さえ放つ腰までの見事なストレートの金髪、空の色をした碧眼、そして幼さが残るが整った人形を思わせる顔立ち、小柄で胸はないがその全身からオーラが放たれている。
 その少女が左斜め下に黒いロングヘアに鳶色の瞳を持る大きな胸のをした背の高い女、やはりミニスカートの黒いネクタイの軍服の、首元に柏十字のあるそれを着ている。
 顔はモデルの様に整い白く透き通る様な肌をしている。脚は褐色のタイツで覆われている。
 その少女が国家達を引き連れて進む左右でだ。兵士達が右手を掲げた敬礼で迎えそしてだった。
「ジークハイル!」
「ジークハイル!」
 口々にこう叫ぶ。そしてだ。
「ドクツ第三帝国万歳!」
「総統閣下に栄光あれ!」
 こうした声があがる。その中にはドクツの名のある提督達もいる。
 少女はワーグナーの壮麗な音楽の中を進みそのうえで。
 用意された台に登る。その彼女を見てだ。
 臨席する各国の外交官達、そして報道陣がだ。こう口々に囁いた。
「出て来たな」
「ああ、レーティア=アドルフ総統」
「ドクツ第三帝国の総統にして稀代の天才だな」
「グレシア=ゲッペルス宣伝相も一緒だな」
 黒髪の美女も見てだ。彼等は話すのだった。
 撮影のカメラのフラッシュがその金髪の少女レーティア=アドルフを照らす。そして。
 その彼女を見ながらだ。外交官もマスコミ関係者達も話すのだった。
「二年とはな」
「そうだな。総統になって僅か二年だったな」
「選挙に出たのが三年前」
「ファンシズムに乗って一年でこの国の総統になってだ」
 このだ。ドクツのだ。
 
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