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ドリトル先生と春の花達

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第八幕その五

「五七五のね」
「七七がないね」
「そう、それだけないけれど」
 それでもというのです。
「こちらも面白いよ」
「そうだね、和歌に似ているけれど」
「七七がないね」
「その分また違っているね」
「和歌とはね」
「そこも面白いね」
「俳句は庶民的になるね」
 和歌と比べると、です。
「和歌は雅でね」
「うん、和歌は確かにそちらだね」
「その雅を楽しんでくるよ」
「そうなんだね」
「それもまた楽しいね」
「じゃあ楽しんできてね」
「実際にだね」
「そうしてくるよ」
 先生は王子に笑顔で応えました、そしてです。トミーが台所から先生達に言ってきました。
「晩御飯が出来ました」
「あっ、遂にだね」
「今日は天婦羅ですけれど」
「いいね」
 天婦羅と聞いて明るい笑顔になった先生でした。
「いい揚げものだよ」
「日本のフィッシュアンドチップスですね」
「というかね」
「天婦羅は天婦羅」
「独自の揚げものだよ」
 それになるというのです。
「それをおつゆで食べる」
「これがいいんですね」
「そうだよ、これからね」
 まさにというのです。
「そちらも楽しむよ」
「何でも楽しむのが先生だね」
 王子も笑顔で言いました。
「いや、いいね」
「僕らしくてだね」
「実にね、それじゃあ僕はね」
「あっ、帰るんだね」
「実はこれから予定があって」
「予定?」
「日本の外務省の人にお招きを受けてるんだ」
 そうした予定だというのです。
「それでね」
「そちらに出てなんだ」
「そうなんだ」
 だからだというのです。
「それでね」
「今日はだね」
「これで帰るよ」
「お招きっていうと」
「何か日本文化を紹介したいらくして」
 王子はトミーにもお話しました。
「それでね」
「今夜はなんだ」
「浄瑠璃の鑑賞会に招いてもらっているんだ」
「ああ、人形を使った」
「それにね」
 だからだというのです。
「今日はこれでね」
「いいね、浄瑠璃とはね」
「先生も観たことあるかな」
「あるよ、うちの学園でもやってるね」
「大学でね」
「そちらでも観たし大阪での上演もね」
 そちらもというのです。
「観たよ」
「そうなんだね」
「うん、人形劇は世界中にあるけれど」
「浄瑠璃もね」
「とても素晴らしいよ」
 先生は笑顔で言いました。
「観て損はないよ」
「そうしたものだね」
「だからね」 
 それでというのです。 
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