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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第2章融合世界!昭和ライダー
  第35話『掴み取れ、梅花の型/少年バット』

「また、珍しい世界と融合したな。」
「どうしたの、雅?」
「スーパー1の世界と融合した世界、『妄想代理人』の世界は、僕の世界でもそこまで有名ではない、むしろマイナーな世界だった。」
「でも、雅は知っているんだよね?」
「14年前に一度行ったことがあるからね。その世界の説明をしよう。この世界には、かつて少年バットと呼ばれた連続通り魔傷害事件が発生したんだ。少年バットと呼ばれた容疑者の特徴は小学校高学年程度の背丈で金属バットを持ち、ローラースケートで走り、ターゲットの後頭部をバットで殴って去ってゆく。おおまかにまとめるとこういった状況だ。」
「それって、普通に普通の事件ですよね?」
「無論、警察も真面目に捜査をして容疑者を逮捕したんだ。確かに容疑者は犯行を行っていたんだ。だが…」
「もしかして、模倣犯?」
「違うんだフェイト。留置所に本物の少年バットが現れ容疑者を殺し、去って行ったんだ。」
「どうして!?」
「まず、少年バットが現れる条件を説明しよう。少年バットの正体はある女性クリエイターが生み出した現実逃避の手段だ。しかし、ニュースで事件が流れた結果、様々な人がその架空の存在を利用して現実逃避をするようになった。当然、容疑者の場合はただ後頭部を殴られても逮捕された事実は変わらない。一番逃げる道は死以外なかった。というわけだ。」
「でも、存在しない架空の少年がどうやってそんなことを?」
「あの世界は変わっていて、人の想いがある程度実体化してしまう。そして、様々な人が少年バットを利用した所為で、少年バットは実体を持った。」
「でも、実体を持ったのなら、逮捕できるんじゃ?」
「相手は人間ではない。逮捕は不可能だ。それに、出現する条件はかなり特殊で、精神的に追いつめられた人の前にしか現れないんだ。」
「それじゃあ、捜しようがない。」
「そうだ。最初の事件の被害者は職を失うかの瀬戸際、次の被害者は慰謝料が支払えない記者。その次は少年バットの容疑をかけられた児童会長候補。次は二重人格の女性。その次は家族がうまくいかない男性。様々な人が被害に遭うのだが、追いつめられた被害者にとって少年バットに襲われることは救いになってゆき、それは世界を侵食するようになっていった。もっとも、その事件は最初の被害者が全てを受け入れることで終息したが。」
「そんな世界も、世の中にはあるんだね。」
「ああ。さて、僕はそろそろ行かないといけない場所があるから行ってくる。夜も遅いからみんなはここで寝る準備をしてほしい。」
雅は出て行った。

「誰か、助けてくれ!」
石橋の辺りで悲鳴が聞こえ、雅が向かうと、スーパー1の敵、ドグマ帝国の改造人間ライギョンがいた。
「ドグマの改造人間、そこまでだ!」
雅はライギョンに襲われている人を逃がす。
「貴様、何故ドグマを知っている!消えてもらう!」
「消えるのは、お前の方だ!」
【CHANGE RIDE-FOURZE DRIVER-】
雅はディロードライバーをフォーゼドライバーに変える。
[three two one-]
「変身!」
雅は仮面ライダーフォーゼに変身する。
「ライギョンは魚の怪人。それなら!」
[ファ イヤー オン]
フォーゼはファイヤーステイツにチェンジする。
「これでどうだ!」
フォーゼは専用武器のヒーハックガンでライギョンを撃ち続けると、ライギョンはあっという間に倒れて動かなくなった。
「やったのか?いや、気は抜けないな。」
[リミット ブレイク!]
フォーゼはファイヤースイッチをヒーハックガンにセットしちゃう必殺技を発動する。
「ライダー爆熱シュート。」
フォーゼの必殺技を受けライギョンは燃え上がる。
「これで大丈夫か。」
雅は変身を解除し、去って行った。そして、少し経ち、ライギョンの体は崩れるように無くなり、その中から別の姿が現れる。そう、ライギョンは戦闘データを収集する為の姿で、その正体は寄生虫の怪人、ギョストマであった。
「仮面ライダーめ、貴重なファイターの祖体を逃がしてしまったではないか!」
ギョストマはドグマ帝国の基地に向かっていった。

「ファイター達よ、次の指令を与える。スーパー1との戦闘でファイター達の数が激減している。補充は利くが限度がある。そこで、お前たちにはその祖体となる人間を誘拐してこい。もちろんバレることの無いように今流行りの都市伝説、少年バットは振りをしろあとは我々が建てたドグマ病院で祖体をファイターに改造する。それから、これが誘拐する人間のリストだ。少年バットは苗字に動物の名前が入っている人間しか襲わない。気を付けるのだ!」
ドグマ帝国の幹部、メガール将軍はドグマの戦闘員、ドグマファイターに指示を下し、ドグマファイター達は少年バットに変装して各自行動を開始した。

翌日、ニュースは大騒ぎであった。
『連日話題に上がっていた少年バットの事件。ついに被害者は20人を超えました。徳間病院に入院されました棋士の─』
「おかしい。確かに少年バットは誰の前にでも現れる。だが、頻繁に現れない。様子をみてくる。」
雅はニュースを観ると飛び出すように出て行った。

「あれは!」
雅が驚いてマシンディローダーを止めて歩み寄ると、スーパー1に変身する青年、沖一也が倒れていた。
「あなたは!確かスーパー1ですね?」
「きみは、何故そのことを?」
「詳しい話はあとです。まずはあなたのメンテナンスを。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は沖を背負い、ワープのアタックライドでスーパー1のメンテナンス基地に転移した。

「操作はこちらで行います。」
雅はチェックマシーンを作動させて、沖の機械部分の修復を行う。
「ありがとう。きみは一体、何者なんだ?」
「紹介が遅れました。僕の名前は凪風雅。武術凪風流の当主。またの名を、仮面ライダーディロード。」
「仮面ライダー?」
「はい。仮面ライダーとは、正義と平和を守る戦士のことです。」
「それで、雅君はどうして俺を?」
「実は、ある事件を追っていまして、協力していただきたくて。それで、沖さんは一体、何があったのですか?」
「俺は昨日、ドグマ怪人のライギョンと戦ったんだが、それを基にしてギョストマという怪人を作り、俺の赤心少林拳が破られてしまったんだ。」
「そうだったのですか。」
「それで、雅君が追っている事件は?」
「はい、今話題となっています、少年バットによる事件ですが…」
「どうしてその事件を?」
「実は、その事件がドグマと関係があるようなので。」
「何か、証拠を掴んでいるのか?」
「当然です。まず、今回の被害者は皆、徳間病院という病院に搬送されましたが、この徳間病院、実は事件が始まる1週間前にできて間もない病院です。それからこの病院、何故か少年バット関連の患者しか入院を受け入れていないのです。それだけでも十分に怪しいのですが、この病院、患者に面会出来ないのです。」
「なるほど。それで、どうするんだ。」
「今夜、病院に潜入します。」
「その作戦、俺にもやらせてくれ。」
「沖さんもですか?」
「雅君の推測が正しければきっと、ギョストマはその病院にいるだろう。」
「分かりました。では今夜決行で。」
「それで、雅君にお願いがあるんだ。」
「僕に出来ることならいくらでも。」
「赤心少林拳の一つ、梅花の型を身につけたい。協力してほしい。」
「分かりました。僕も凪風流の当主。その言葉に全力で協力させていただきます。」
メンテナンス基地は道場ほどの広さがあったため、沖と雅はすぐ稽古を始める。
「雅君、俺を殺す勢いで攻撃してくれ!梅花の型は相手の攻撃を受け流す力。その力が強いほど真価を発揮する。」
「分かりました。期待に沿えるか分かりませんが、出来る限りやってみます!」
雅は普段の戦闘のように沖に拳を放つ。
「グッ!清んだ拳をしているね。」
「そうですか?」
「ああ、あとで一度、真剣に手合わせ願いたいほどだ。」
雅と沖は、日が落ちて、夜空になるまで稽古を続けた。

暗い夜空の中、雅はマシンディローダーに、沖はVマシンに乗って徳間病院に着く。
「では、計画通り裏口から行きましょう。」
雅と沖は従業員が出入りする裏口に向かう。
「では、入りましょう。」
雅がロードスラスターを取り出すと、扉は開き、中から少年バットが現れ、雅の後頭部を狙うが、雅は軽やかなステップで回避し、少年バットの足を払う。すると、少年バットは転けて変装が解除され、ドグマファイターの正体を曝した。
「やはりドグマの仕業だったか!」
雅と沖は構える。すると、
「バレてしまったか。」
中からドグマファイターを連れてギョストマがあらわれる。
「いこう、雅君。変身!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「はい!変身!」
雅はディロードに、沖は惑星開発用改造人間、仮面ライダースーパー1に変身する。
「雅君、ファイターは任せた。俺はギョストマをやる。」
「分かりました!」
スーパー1はギョストマと一騎打ちに持ち込み、ディロードはドグマファイターローラースケート部隊と戦闘を開始する。
「くっ、動きが読めない!」
一人なら先ほどのように足払いで対処出来るが数が増えればそうもいかない。ディロードは次第に翻弄される。
「リィンフォース、力を貸してくれ!」
【SUMMON RIDE-REINFORCE-】
ディロードはリィンフォースを召喚する。
「夜天の光よ、我が手に集え。祝福の風、リィンフォース!セットアップ!」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはスノーレインフォームに変身し空を舞う。
「今回はこれだ。」
『紫電一閃!』
リィンフォースはかつてシグナムから強制的に収集させられたリンカーコアの力を引き出し、ロードスラスターから爆園の一閃を放ち、ドグマファイターを焼き払う。

「これでどうだ!」
ギョストマは素早い拳でスーパー1を追いつめてゆく。
「くっ、このままでは!」
スーパー1は回避し続けている。すると、ギョストマの後ろからローラースケートの音が聞こえてくる。
「おおっ!増援か!」
ギョストマは歓喜するが、次の瞬間、そこにいた誰もが驚いた。何故なら、その少年バットはギョストマをバットで殴り去っていったからだ。
「まさか、あれは!」
ディロードはハッと気がつく。そして、
「おのれ!こうなれば!」
殴られたギョストマは怒りの矛先をスーパー1!向けて拳を振りかざす。
「させない!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER SUPER1-】
ディロードはスーパー1の世界のワールドホープを発動する。
「くらえ!」
ギョストマの拳はスーパー1の心臓部に延びる。しかし、
「赤心少林拳、梅花の型!」
ギョストマの拳はスーパー1に受け止められた。
「沖さん、そのままでお願いします!くらえ、石化の槍、ミストルティン!」
ディロードはロードスラスターから1本の光線を放ち、ギョストマの動きを止める。
「雅君、決めよう!」
「はい!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「トウッ!スーパーライダー、閃光キック!」
「『ディロード雷天キック!』」
スーパー1とディロードの必殺のキックがギョストマに直撃する。
「テラー、マークロー!」
ギョストマはドグマ帝国の忠誠の言葉である、ドグマ帝国の首領の名を叫びながら爆発した。
「雅君、中にいる患者を救出しよう!」
「はい!」
ディロードとスーパー1はドグマ病院に入ってゆく。
「静かですね。」
ディロードとスーパー1は慎重に進入し、病室を覗く。すると、中には入院していた患者いた。
「大丈夫ですか!」
ディロードは患者に声をかける。すると、患者はドグマファイターに変わり、ディロードに襲いかかる。
「そんな!」
ディロードはロードスラスターでドグマファイターを切り裂き、倒す。
「雅君、どうやら、患者は皆ファイターに改造されたようだ。諦めよう。チェーンジ、パワーハンド!」
スーパー1は自身の腕を近接戦闘特化のパワーハンドに変え、壁に穴を開けてディロードと共に脱出し、
「チェーンジ、レーダーハンド!レーダーミサイル、発射!」
スーパー1は探査用の腕に変えて、装備されたミサイルを発射してドグマ病院を爆破し、事件を終息させる。
「ありがとう雅君。雅君のおかげで、ギョストマに勝てた。」
「こちらこそ、協力していただきありがとうございます。」
雅と沖は分かれていった。

翌日、雅はある病院に行き入院している一人の男性に会っていた。
「馬庭刑事、いえ今は馬庭さんと呼ぶべきですね。少年バットが再び現れました。後はどうするか、解りますね。」
雅はかつて妄想世界で少年バットと戦闘を繰り広げた男性、馬庭にそう言うと、馬庭はピクリと反応し、それを見た雅は去って行く。馬庭の病室の壁には何かの数式が書かれていた。何の数式かは不明であるが、その数式のイコールの先には9と書かれていた。そして、その隣にはスズメバチとドラゴンの絵が描かれていた。 

「よし、次は異変の元凶、仮面ライダーZXの世界だ。」
「ついに来たんだね。」
絵巻には、10人の仮面ライダーが描かれていた。
つづく


次回予告
巡り巡った守護者の旅。次はいよいよ異変の元凶。さて次回は─『10号誕生!異変を砕け』
 
 

 
後書き
新カード紹介
フォーゼドライバー:ディロードライバーをフォーゼドライバーに変えて仮面ライダーフォーゼに変身するためのカード。
仮面ライダースーパー1(ワールドホープ):スーパー1の世界のワールドホープ。赤心少林拳 梅花の型をマスターする。 
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