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ヘタリア大帝国

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61部分:TURN6 北京星域会戦その七


TURN6 北京星域会戦その七

「大丈夫よ」
「そうね。じゃあ頑張ってね」
「ええ。あと南京の方はどうなの?」
「こっちは平和よ」
 ランファは微笑んでリンファに答える。
「安心していいから」
「そう。じゃあここで日本帝国軍を退けて」
「満州奪還ね」
「そうするわ」
「わかったわ。それとね」
 ここでだ。ランファは急にだ。
 モニターにある男を出してだ。きつい顔で言うのだった。
「わかってるわよね」
「は、はい」
 樋口だった。彼は慌てながら出て来てランファに答える。
「それはもう」
「若し作戦に失敗したらね」
「その時はですね」
「あの写真ばら撒くわよ」
「わ、私の密会現場ですか」
「あんたがあの娘とホテルから出た場面をね」
 つまりだ。所謂フォーカスをだというのだ。
「ばらすから」
「わ、私はその様な趣味は」
「あんな小さな女の子とホテルで何をしてたのよ」
「何もしていません」
 必死にだ。樋口は嘘を言う。
「特にやましいことは」
「けれどあの娘の告白も録音しているわよ」
 そうしたこともしているというのだ。
「だから。わかるわね」
「は、はい。それでは」
 樋口を脅して釘を刺してからだ。ランファはモニターから消えた。かくしてだ。
 戦闘がはじまった。まずは中帝国軍が動く。
「樋口艦隊を先陣にしてです」
「そしてですね」
「そのうえで」
「はい、敵軍を左右から包み込みます」
 そのだ。日本帝国軍をだとだ。リンファは将校達に告げる。
「そのまま包囲して殲滅します」
「畏まりました。それでは」
「これより敵軍を」
 それぞれの艦隊司令達が応えてだ。そのうえでだ。
 樋口艦隊を楯にしてだ。中帝国軍は左右から日本帝国軍を覆おうとする。それを見てだ。
 東郷はすぐにだ。秋山に言った。
「ではこちらもだ」
「はい、動きますね」
「田中に伝えてくれ」 
 こちらの先陣のだ。彼にだというのだ。
「敵の扇の要を攻めろとな」
「樋口の艦隊をですね」
「楯は最初に壊す」
 そうするというのだ。
「そしてそのうえでだ。
「一気に攻めますか」
「こちらは数が少ない」
 このことはだ。東郷は誰よりも強く認識していた。
「それならだ。いいな」
「中央突破を仕掛けて」
「そのうえで機動戦を挑む」
 これがここでの日本帝国軍の戦術だった。
「そうするからな」
「では」
 こうしてだ。日本軍はまずは田中に攻撃命令を伝えた。それを受けてだ。
 田中はいきり立ちだ。こう言った。
「よし、やってやるぜ!」
「では田中さん頑張って下さい」
 その田中に小澤がモニターから言ってきた。
「次には私が続きます」
「ああ、頼むぜ」
「敵の先陣はあの助平親父だね」
 南雲もモニターに出て来た。
「あんたあいつは嫌いだったね」
「俺はセクハラとか大嫌いなんだよ」
 田中は顔を顰めさせて南雲に答える。
 
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