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鋼の錬金術師 貴方を守りたい――12人の巫女と1人の神――

作者:猫丸
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2

エド「使えねぇーなァー!!!」
ロイ「だったら君が何とかしてみせろ!」
アル「てゆうか、付いて来ないでよ!あいつが狙っているのは大佐だろ!」
追いかけてくるグラトニーからロイ達は深い森の中、同じ方向に逃げる。
しばらく走っていると木で隠れているが奥に3つの道が見えてきた。
それを見つけたロイは、エドとアルに命令する。
ロイ「あそこへ逃げ込め! 散開!」
そう言った直後エドが左側の道。アルは右側の道。そしてロイは真ん中の道に逃げ込んだ。
ロイの逃げ込んだ道は細い木がたくさん生えており、その木の枝をバキポキ折りながら走り逃げていく。
だが、その横からグラトニーが姿を現した。
リザ「…………。」
グラトニー「クワ?」
『パンパンパンッ』
だがまたその後ろから出てきたリザに背中を銃で撃たれる。
しかしこの攻撃はあまり効果がみたいでグラトニーはまたあの攻撃をしてきた。
グラトニー「グワァァァァ!!!」
ロイ「…くっ。」
リザ「…………。」
ロイもリザもギリギリのスレスレでかわす。
『スッ』
ロイ「ふぅ……ふぅ……くっ! お、あっ!!」
グラトニーへの反撃を考えたロイだったが、前の戦いの傷が開きしゃがみ込んでしまった。
「くっ、こんなときに……」
腹を押さえながら、傷を恨んだ。



そして、そんなロイの元にグラトニーがやって来た!!
グラトニー「グウウウ……ロイ・マスタングゥゥゥ!!!」
ロイのことを飲み込もうと…!!!
グラトニー「ウ?」
だがしかしご安心を、これはロイそっくりの人形なのである。
これがロイではなくただのそっくり人形だと知ったグラトニーは、
グラトニー「タアアアアアアアアァァァァアァァ!!!」
森中に響き渡るくらいの声で叫んだ。
そして、本物のロイはと言うと……
エド「ふっ、ダミーに引っ掛かったか。」
アル「そうとう頭に来てるみたいだね……。」
エド達と一緒にここから逃げるためメガネのおっさん(名前忘れた)の車に乗り込もうとしていた。
だけどここにレンリの姿はない…。
エド「ほら、さっさと乗れ! この役立たず!」
ロイ「うっくっ。」
少し乱暴だが、怪我人のロイを車に乗せる。
今の衝撃でまた傷口が開いてしまったみたいだけど…。
アル「中尉はこっち、ランファンをお願い…。」
ロイ「この状況でおめおめ、帰れと言うのか!」
傷口を押さえて苦しそうな顔のロイにエド達が厳しく、
エド「足手まといなんだよ!」
アル「帰って!」
シレーナ「…役…立たず…」
リザ「本気で役に立ってません。大佐。」
とはっきり言う。
こうもはっきりと言われてしまったので、ヘニョ~ンとロイは落ち込んでしまった。
当たり前の反応と言えば当たり前の反応なのだろうが…。


エド「いいから自分の仕事をしろ。
   軍のトップがホムンクルスだなんてほおっとける問題じゃねぇーだろ。」
エドの言葉にロイとリザは驚く。
ロイ「えっ?」
リザ「軍のトップってまさかブラットレイ大総統?!」
メガネ「その話はあとだ!さぁ、早く乗れ!」
とエド達に車に早く乗るようにせかすが、
エド「満席だろ?行ってくれ。」
メガネ「なっ?!バカヤロー!!」
リザ「戦場に子供だけ置いて行けるわけないでしょ!!」
エドの言葉に怒るリザとメガネにエド達は冷静に、
リン「おたくらの闘う相手は、軍上層部だロ?」
エド「こっちは、あのグラトニーって奴から情報を聞き出さないとならないしね。」
アルト「それに、さっきから見えないレンリを探さないといけないし…。」
アル「ここに残ってあいつと戦う。」
シレーナ「……(コクン)……」
アル「子供だからとかそんなの関係ないよ。」
エド「今回の作戦の言いだしっぺは俺達だ。ここまで手を貸してくれてありがとな。」
ここまで静かにエドたちの話を聞いていたリザが銃に弾を詰め、エドに話しかける。

リザ「エドワード君。」
エド「ん?」
そして、エドに向かって銃の持ち手を差し出す。
リザ「持っていきなさい。使い方は分かるわよね。」
アル「それは…人を殺す道具だ。」
リザ「貴方達の命を守る道具よ。」
エド「………借りとく。」
いろいろ頭に浮かぶことはあったがエドはリザから銃を受け取った。
『グァァァ グァァァァ』
少しずつ少しずつ、グラトニーが木々を飲み込んで行ってる音が近づいてくる…。
ランファンに膝枕をする感じで座っているリザに近づき、
リン「ランファンを頼む。」
ランファン「…若……? …若! 若!」
とだけ言うと暴れまわっているグラトニーの元へと走り出した。


走り去っていくエドの背を見ながらロイは、
ロイ「行こう! 行くんだ!」
とメガネに言う。
メガネは物凄く悔しそうな顔で悔しそうな声で、
メガネ「くそぉ、ガキ共が! ああゆうのが早死にするんだよ!!」
と言いながらも車を発進させ、急いでその場から逃げて行った。



『ボーンボーン グァァァァ バキボキッ』
グラトニー「マスタング…。ロイ・マスタングは何処だ?!
      よくもラストを…。許さないんだァァァァ!!!』
グラトニーが暴れまわってそこらじゅうの木を飲み込みまくっている。
そんな恐ろしい光景をエド達は少し離れたところから、見つめる。
エド「戦うつったけど、ぶっちゃけおっかねぇー。」
アルト「初めて会った時とキャラ全然違うよ…。」
アル「どうやって捕まえよう…。」
プルプル震えながらグラトニーを見つめるエド達。
そして、その少し離れたところでとある番組が行われていた。
リン「リン・ヤオと~」
シレーナ「…シレーナ……リ…ブス…の…」
リン&シレーナ「3分クッキング~(……キング…)」
なんか知らんが料理番組が始まった…。


リン「シレーナ先先。
   今日作る料理はなんですカ?」
シレーナ「……闘蛇…の…丸ごと…煮…です…。」
リン「はい。とゆうことで用意するのはお鍋と闘蛇と塩とコンソメでス。」
シレーナ「…まず…闘蛇の…毛皮を……はがしま…」
ブルース「はがさせるかぁぁぁぁ!!!」
シレーナ先生が闘蛇の毛皮をはがそうとしたらいきなり闘蛇もといブルースが暴れ出した!
さっきまでまな板の上でいい子にしていたのに!!
そしてそれをエドが遠目で、
エド「なにやってんだ…、おまえら……。」
みながらリン達に向かっていった。
リンは「照れるなぁ~」と言う感じの動作で、
リン「いやぁ~、最近シリアスな感じばかりだったしボケ担当のレンリが居ないから、ここはオレ達がボケるしかないかなぁ~とナ?」
シレーナ「……うん…。」
言い、シレーナも「そうなんです。」と言う感じの顔で答える。
エドが「お前らなぁ~」と呆れていたその時、
『ガサッ』
後ろから気がこすれる音がした。
全員バッと後ろを向く。

シャオメイ「ハッ…!」
リン「…………!」
アル「どうしたの…?」
振り向いた先には一匹の黒い犬が赤い目でエド達の方を見ていた。
アルト「……犬…?」
犬?「止まれ、グラトニー。」
グラトニー「グァ?」
エド「しゃ、喋った?!」
不審な犬が喋ったことに皆驚いていると犬は、
犬?「やぁ、久しぶりだねねぇ~。
   鋼のおチビさん。」
と言いながら犬?はエンヴィの姿に変身した。


リン「さっきも気配を感じたぞ。
   中に何人いる? ホムンクルス!」
エンヴィ「…………。
     お前だなぁ~、ラースと切り結んだという小僧はぁ~。」
リン「小僧とはなんダ?! 俺はシンの国第十二支その名も…!」
エンヴィ「…飲んでよし。」
リン「たはぁぁぁ! 待て待て!」
レンリ「…アホ。」
エンヴィに馬鹿にされ格好よく自分の名前を言おうとしたリンだったが、それは悲しくも無理に終わって、グラトニーに追いかけられる。
そんなリンをレンリはめっちゃ冷めた目で見る。
走っていくリンの後姿を見た後、エドとアルは顔を見合わせ、
エド「なるほど…。」
アル「僕ら兄妹には手出しが出来ないみたいだね?」
エド「だったら…」
と言った直後エド逃げてきたリンとグラトニーの間に大きな壁を作った。

 
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