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鋼の錬金術師 貴方を守りたい――12人の巫女と1人の神――

作者:猫丸
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第十二章 森の番人

 第十二章 森の番人





また数日ほとんど何も食べずに来たのは静かな森の中にある小屋の前。
小屋の前には二台の車が止めてあって……。
レンリ「リザさん?!」
病院でお世話になったリザさんらしき人が見張りをしていた。
この人は本当にリザさんなのかそれとも姐さんなのか……私にはどっちがどうなのか全然分かんない!
リザ「レンリちゃん…? どうしてあなたがここに…?」
この声は…たぶん病院のほうもとい本物のリザさんだよね…?
じゃあ適当にこう言っておこうかな…。
レンリ「いやぁ~、それはいろいろとありましてぇ~……」
リザ「病院を逃げ出したのも、そのいろいろに含まれているのかしら?」
レンリ「うっ。」
レンリはトゲトゲの言葉攻撃を食らった。
120のダメージを食らった。
瀕死状態です。誰か薬草かホイミを!!
リザ「まぁ、いいわ。ここは危険だから中に入りなさい。
   エドワード君達もいるから。」
周りをキョロキョロ見ながらリザさんはそう言った。
危険って何が危険なんだろ?見張りを付けるくらい重要なものが中に…?
とゆう感じな事を考えながら、私とブルースは小屋の中へと入って行った。

***

小屋の中はなんでか電気を付けてなくて真っ暗闇だった。
なんで電気をつけないんだバカやろぉー!
心の中でそう叫んでいるとブルースが、
ブルース「あそこに明かりがあるぞ。」
とボソッと言った。
確かにブルースの言った方向にはボヤァ~と明かりがあった。
それに誰かの話し声が聞こえる……。
エド達かな?リザさんが居るって言ってたし…。
私とブルースは明かりの方へと言ってみることにした。


ロイ「ん?君は!!」
明かりを頼りに進んでいると、どっかで見たことある人に声を掛けられた。
顔をよ~く見てみると、
レンリ「あ、ロイさん!!」
カジノのバーでトマトジュース奢ってもらったあのロイさんが何故かエド達と四角いメガネをかけてヒゲを生やしたオッサンと居た。
レンリ「あの時はありがとうございましたぁ~♪」
あの時言ったかどうか忘れたし、いい人ぶるために一応御礼を言っておく。
やっぱり、こうゆうお金持ちぽっい人には昆布を売っておかないと!
ロイ「いえいえ、喜んでいただけたならいいんですよ。
   それよりもしよろしければまたお食事でも…」
エド&アル「レンリ今までどこにいたんだ?!」
ロイさんが「食事に行きませんか?」的な事を言おうとしていたら、エドとアルが前に出てきて口をはさんだ。
チェ、高級レストランに行けるチャンスだったのに…。


レンリ「どこってまぁ………いろいろ?」
あそこをどう説明したらいいのか分かんないから適当に言う。
それにちゃんと説明してたら時間が超かかりそうでめんどいしなんか嫌。
エド「いろいろって何処だ?!」
うわ、言って来たよ…こう言ったらこう言うのが当たり前的なセリフ。
私こういうセリフ言う人大嫌いなんだよね。
面白みに欠けるというか王道すぎてオリジナルティが無いって言うか…。
レンリ「いろいろはいろいろだよ!!」
そして思わず私も普通の答えで返してしまった。
く、ハエ叩きで顔に止まった蚊を『バチン』と叩いて逃げられてしまった波にしょぼい…。
ロイ「鋼のレンリと知り合いなのか?」
エド喧嘩というかバトル?それとも喧嘩?
まぁ、どっちでもいいか。そんな感じの事になりそうになった時、ロイさんがエドに私との関係を聞いて来た。
そういえば、なんでロイさんはエドの事を「鋼の」って呼ぶんだろ?


エド「まぁ、いろいろ………」
アル「兄さんまで言ってるよ………(呆」
さっきまで「いろいろってなんだ?!」ってギャーギャー言ってた奴が「いろいろ」って言ってるよ………。
人の事なんて言えないじゃん…。それにそれじゃあ、全然面白くないし。
リン「レンリちょっと………。」
レンリ「あ゛?」
もっと面白いこと言えねぇーのかよ!
とプンプンと怒っていたらリンが外へ行こう的な感じで手招きをする。
私を呼ぶとかキモッ!五千万年早ーよ!と思いながらもブルースを置いてリンの居る方に行く。
なんかブルースは、ランファン達が居るとかなんとかの部屋に行くらしい。
その理由はオッサンだからかな?


そんなくだらねぇー事を考えながら私とリンは小屋の外へと出て行った。
なんでさっき入って来たばかりなのにまた出ないといけないんだよ!
そもそも、なんでリンなんかと手を繋がないといけないんだよ!
階段くらい自分で降りられるっつうの!

小屋を出て少し歩いた所でリンは歩くのを止めた。
そして私の方へ振り返った。
振り返った時の顔は凄く真剣な表情だった。物凄く似合っていないのに…。
レンリ「なんだ、似合ってない真面目な顔して。」
少し強い感じで言ってやると、リンは重たそうな口を開いた。
リン「あれから何処にっていたんダ?」
レンリ「チッ」
やっぱりそれかよ。みんなそれしか聞くことないのかよ。
もっとあるだろ、他に来蟹といけない大事なことが!!
ホントに面白くないなぁ~。


レンリ「いろいろ。」
そっぽを向いてめんどくさぁ~と思いながら言うとリンが「まだそのネタ続けるの?」的な顔をしやがった!
腹立つ~!なんでお前なんかにそんな顔を~!!
…仕方がない。ここは素直になってあげましょう。
レンリ「勇気の神殿だよ…。」
リン「勇気の神殿…?」
レンリ「ペッ」
素直に言ってやったのに今度は「ナニソレ…オイシイノ…?」的なリ役所ンしやがった~!!
ちょっと面白いのがまた腹立つ~!!
レンリ「ちょっと、やることがあったから行って来ただけだよ。
    エフィネア出身のお前が知らなくていい事だから気にするな。」
と言ってわざと突き放す。
ホントは関係あると言えば関係あるんだけどね…。でも、巻き込みたくないし…。
それに……。


レンリ「今お前が一番知りたいことって、私が何処に行っていたかなのか?」
リン「ッ!」
さっきまでしょぼ~んとしていたリンの顔が一気に強張る。
図星みたいだな…。
ま、同然だよね!私の勘は結構な確率で当たるし!
レンリ「それでなに?」
リン「……はぁ~」
聞いてんのに大きなため息で答える。
イラッ(怒
リン「テレジアに戻るのカ?」
レンリ「……何当たり前のこと聞いてんの?
    帰るに決まってんじゃん。私の故郷だよ?」
リン「だが、今のテレジアは危険ダ!レンリにもしものことがあったら!!」
本気で私の事を心配してるリンの顔を見てたら、なんだか腹が立ってきた…。


レンリ「生きていけない?」
リン「…ッ!」
レンリ「心底私に惚れてるお前は。私なしに生きていけない?」
リン「もちっ」
私の質問に「もちろん」的な事を言おうとするリンにさらなる追い打ちをかける。
レンリ「そうなんだぁ~。
    じゃあさぁ~、死んでって言ったら死んでくれる?」
リン「……………」
レンリ「無理だよねぇ~。リンにとって大切なのは私より国民、国、ランファンだもんねぇ~。」
リン「そんなことは……」
レンリ「うるせぇーよ。」
リン「レンリ……」
おびえた子犬みたいな目でリンは私を見てくる。
私が怖い?そうか、嬉しいな。なんだったらそのまま嫌いになってくれればいいのに。
誰かを守りながら戦うのにはもういい加減疲れて来たし…。


レンリ「兄ちゃんは、死んでくれるって言ってくれたよ?
    まぁ、もちろんすぐにとは言わなかったけど。
    私凄くうれしかったなぁ~。そんなこと言ってくれたの兄ちゃんが初めてだったから。」
リン「だから、命をささげてでも忠義を誓うのカ?」
レンリ「う~ん…別にそれだけって言うわけでもないけど、まぁそんな感じかなぁ~?」
夜空に輝く満月を見ながら、リンに言う。
なんか、こいつと居るとつい本音まで出そうで怖いんだよね…。
リン「レンリ!それはッ」
説教先生みたいにリンが何かを私に言おうとしたその時! 獣みたいな雄叫びが聞こえて着て爆発したみたいな衝撃が背中側…小屋の方からしてきた。
レンリ「なっ、なに?!」
リン「グラトニーが暴れ出したのカ?!」
何かを知ってるっぽいリンが私を置いて小屋へと走って行った。
レンリ「あっおい待て!リン!」
???「やぁ、久しぶりだね。レンリ。」
リンを追いかけようとした私を誰かが呼び止めた。
振り返るとそこには……













~レンリside~終





レンリとリンが小屋から少し離れたところで話をしていたその頃、
小屋では「ロイ・マスタング」という名を聞いた途端グラトニーが暴れ出していた。
リザ「大佐!ご無事ですか?!」
グラトニー「グワァァァァ!!ロイ・マスタングゥゥゥ!!」
何かに抉られたかのような小屋に銃を持って近付いたリザの前に、お腹がバッ栗われて大きな牙が生えていて少し前と見た目が全然違うグラトニーが姿を現した。
リザが銃を向けグラトニーを打とうとしたその時!
グラトニー「グアァァァァ」
グラトニーが腹の中から何かをだしで、銃弾をすべて吸い取った。
『ガタガタン』
リザ「…ッ!1」
何かが崩れる音がしリザが銃口を向けると、そこにはがれきの中から顔にシャオメイを付けたロイ達がいた。
リザ「大佐…!」
驚くリザにロイは冷静にしがみ付くシャオメイを取った後リザに向かって、
ロイ「中尉…挑発するな!そいつの狙いは私だっ!」
グラトニー「マスタングゥゥゥ!!」



***


一方小屋の中では…



アルト「なっ、何? 外で何が起こってるの?」
ランファン。アルト、シレーナの3人が中で何が起こっているのか分からないまま怯えていた。
シレーナ「……復讐…が……動き……だした……。」
アルト「えっ?! なに? シレーナ。」
どこか遠くを見つめ、シレーナが独り言のように言っている。
これはどうゆう意味なのだろう……。
リン「ランファン!!」
アルト「あ、リン!」
がれきを押しのけリンが外から入って来た。
そしてすぐランファンの元へ駆け寄り、
リン「ランファン、ここから出るぞ。」
ランファンの体を抱え、持ち上げる準備をする。
ランファン「何が…あったんですか…?」
リン「怪物が腹の中に怪物を飼ってやがっタ…!
   周りをばっくり飲み込みやがった!」
リンの言葉に3人は声も出ないほどに驚きそのまま固まってしまったが、すぐに我を取り戻しランファンと一緒にここから逃げる準備を始めた。



***


本性を現したグラトニーの姿を見てエドは、
「こんなものまで作り出すのか……。錬金術は……。」
と改めて錬金術の恐ろしさを感じていた。
ロイ「仕方ない、倒させてもらうぞ。」
と言いながら手袋をつけ焔を出す態勢に入るロイ。
そんなロイの姿を見て、
アル「ちょっ、せっかく捕まえたホムンクルスだよっ?!」
と言いロイを止めようとするが、
ロイ「生き残るのが優先だ。
   それに、我々の顔と名前を憶えられた。こいつを生かして返す理由がない!」
と超もっともなことを言って焔を放つ。

グラトニー「グワァァァァァ。」
焔はグラトニー直撃し、グラトニーは悶え苦しみこれで終わりだ!
と誰もが思ったが…
グラトニー「ゲプッ」
またあの全てを飲み込む力を使って…
エド「焔を…」
アル「飲んだ…?」
グラトニー「ハウゥゥ!!」
エドアルロイ「うわぁぁぁぁぁ!!!」
焔をすべて飲み込み、エド達に襲いかかってきた!
   


 
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