ヘタリア大帝国
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42部分:TURN4 長官の娘その九
TURN4 長官の娘その九
「我が国で言うと明石大佐です」
「あの者に匹敵するか」
「油断できません」
「ううむ、ソビエトを第一に何とかしたいのだが:」
「状況はそれを許しませんね」
「全く。厄介なことだ」
宇垣は目を顰めさせて言った。
「しかし今は中帝国と戦うしかないか」
「はい、北京にこちらから攻め込みますので」
「頼んだぞ」
宇垣は東郷に告げた。そうしてだった。
話が一段落したところでだ。真希が三人に言ってきた。
「ねえ、肉じゃが美味しい?」
「ああ、これなんだぜ」
「韓国さん肉じゃが好き?」
「美味いんだぜ」
唐辛子をたっぷりとかけながら食べてだ。答える韓国だった。
「これが旦那の料理なんだぜ」
「そうだよ。だから一杯食べてね」
「言われなくてもたっぷりと食うんだぜ」
真希に笑顔で応えながらだった。
「この通りなんだぜ」
「うん、じゃあ真希も食べるよ」
「そう。子供は食べるべきだ」
宇垣も暖かい目で真希に話す。
「そうして大きくなるのだぞ」
「宇垣のおじちゃんいつもそう言うよね」
「ははは、子供は国の宝だ」
こうも言う宇垣だった。
「ならば大事にせねばな」
「それでなのね」
「そうだ。なら食べるのだ」
無論自分も食べながら言う宇垣だった。
「よいな。それではだ」
「うん、今日もたっぷりと食べるよ」
こんな話をしてだった。彼等は。
明るく楽しくだ。肉じゃがにムニエルを食べた。その次の日だ。
韓国は日本にだ。笑顔で東郷の家のことを話していた。そして言うのだった。
「あの肉じゃがってのは最高なんだぜ」
「東郷さんの得意料理のですね」
「そうなんだぜ。あんな美味いものはじめてなんだぜ」
「あのお料理は実は私が最初に作ったのです」
日本はここでこのことも話した。
「ビーフシチューから」
「ビーフシチュー!?エイリスの?」
「はい、あれからです」
「いや、全然違うんだぜ」
韓国は真顔で日本の今の話を否定した。
「味も何もかも」
「そうですね。全く違いますね」
「それでどうしてあれがエイリス起源なんだぜ」
「実は。ある方にビーフシチューを作ってくれと言われたことがありまして」
「上司の人なんだぜ?」
「はい、少し前にある方に」
それが誰かは言わない日本だった。しかしだった。
「その方に是非にと言われまして」
「それで作ったんだぜ」
「ところが私はビーフシチューの作り方を知りませんでした」
「デミグラスソースとか知らなかったんだぜ?」
「はい、そうです」
このことも話す日本だった。
「トマトやああしたものを使うことも」
「それでどうしたんだぜ?」
「御肉とジャガイモ、それに人参やタマネギを使うことは聞きました」
その上司にだというのだ。
「ですからそれをお鍋に入れて」
「それからどうしたんだぜ?」
「お酒にみりんにお醤油を入れました」
「それ完全に和風なんだぜ」
「はい、本当にどういったものかわからないので」
それでそうした作り方にしたというのだ。
「御鍋で煮て作りました」
「ううん、今わかった衝撃の事実なんだぜ」
「それで食べてみたところ」
その味がだというのだ。
「あの味だったのです」
「それでできたんだぜ」
「そうだったのです」
「ううん、かなり凄い話なんだぜ」
韓国は腕を組んで唸った。ここまで聞いて。
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