ヘタリア大帝国
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
41部分:TURN4 長官の娘その八
TURN4 長官の娘その八
「しかも受注は少ない。そんなものだからな」
「キリング家も大して力を入れていないんだぜ?」
「そう。ガメリカが日本帝国と戦争をした理由は」
「日本を倒して市場を独占したいのだ」
宇垣はわかりやすく話した。
「太平洋の全ての市場をな」
「じゃあ俺達が弱かったら戦争にならなかったんだぜ?」
「そうなる。日本をそのまま市場にすればいいのだからな」
「ううん、段々わかってきたんだぜ」
「まず俺達日本にだ」
東郷が再び話す。
「それにエイリスだ」
「あの国もなんだぜ」
「ガメリカは実は日本だけじゃなくエイリスもどうにかしたいと考えている」
東郷は既に見抜いていた。ガメリカの真意を。
「大統領の下にいる四長官、四大財閥の四姉妹達は特にな」
「ああ、あの四人なんだぜ」
「あの四人はそのまま財閥の代理人、いやそのものだな」
大統領の下にいてだ。ガメリカを動かしているというのだ。
「アメリカという国自体も四人の言うことをかなり聞いてるからな」
「戦争しようっていう悪い奴なのになんだぜ?」
「あの四人も悪じゃない」
東郷はこのことは否定した。四姉妹が悪かどうかというとだ。
「彼女達もガメリカ、そして自分達の祖国のことを真剣に考えている」
「そうだったんだぜ」
「その通り。お互いに国益を考えて動いているということだ」
「だから俺達は下手をしたら戦争になるんだぜ?」
「その通り。だからガメリカはエイリスも何とかしたいと考えている」
「エイリスについてはどうするんだぜ?」
「噂では俺達にはオレンジプランという戦争計画を立てている」
ガメリカは既にだ。そこまで考えているというのだ。
「そしてエイリスにもだ」
「考えているんだぜ」
「何だったか。ゴールドだったかブラックだったか」
どちらにしろだ。エイリス相手の戦争計画も立案しているというのだ。
「エイリスとも戦うつもりだ」
「エイリスは世界一の帝国なのにそれでもなんだぜ」
「そう、ガメリカは元々エイリスの植民地だったがそのエイリスから独立した」
歴史の話にもなった。ガメリカとエイリスの関係の。
「そしてやがてはそのエイリスの太平洋の市場も全て自分のものにしたいという訳だ」
「じゃあその為に戦争をするんだぜ?」
「エイリスと直接戦争をしなくてもいいがな」
市場を手に入れることが目的だからだった。このことは。
「何につけてもガメリカは太平洋の市場を手に入れることを望んでいるってことだ」
「わかったんだぜ。何となくにしても」
「そうか。とにかく今はかなりキナ臭い」
東郷は実感していた。海軍長官として。
「中帝国だけじゃなくガメリカとも戦争をすることはな」
「頭の中に入れておくことだ」
宇垣も韓国に話す。
「そうしてくれると有り難い」
「わかったんだぜ。じゃあ妹にも言っておくんだぜ」
韓国は自分の妹のことも話に出した。
「中帝国だけじゃないってことなんだぜ」
「正直中帝国やガメリカはある程度どうにかなるんだがな」
この二国についてはだ。東郷は憂慮していたが極めて深刻なものではなかった。
「日本を倒したいとは思っていても滅ぼしたいとまではあまり考えてないからな」
「しかしソビエトは違うのだ」
宇垣は東郷に合わせてこの国の話を出した。
「あの国は今では暖かい場所だけではなく世界の全てを共有主義にしたいからな」
「あのカテーリン書記長は危険過ぎる」
東郷は今のソビエトの指導者であるこの人物の名前を出した。
「ゾルゲとかいう工作員は日本にも来ている」
「あの男は何者なのだ?」
宇垣もそのゾルゲという名前に反応してだ。東郷に問うた。
「只の工作員ではないな」
「尋常じゃない。言うなら超人ですね」
それだとだ。東郷は宇垣に話した。
ページ上へ戻る