ヘタリア大帝国
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32部分:TURN3 新生連合艦隊その十
TURN3 新生連合艦隊その十
「今愛情を使える回数は二十回か」
日本が五回、後の五人がそれぞれ三回ずつだ。合わせてそうなるのだった。
「有り難い、祖国さん達にもかけられるな」
「それもお一人に何回もです」
「余計にいい。では頼むな」
「では」
こうしてだ。それぞれの提督達にも愛情が注がれだ。艦隊があらためて編成された。
港で田中がだ。忌々しげに述べていた。
「ったくよ、魚だらけになってきたな」
「そうだね。それにしてもあんたもね」
「ああ、祖国さん達の愛情を受けてな」
「指揮できる船の数が増えたね」
「有り難いぜ。これで派手に暴れられるぜ」
こう言ってだ。田中は南雲に祖国達に対する感謝の感情を述べる。
「さあ。まずは護るんだな」
「いや、艦隊が増えたからね」
それでだとだ。南雲は田中に話す。鉄の床やパイプの港には実際に魚達が満ち溢れている。その中でだ。南雲は明るい笑顔で田中に対して言った。
「攻めるらしいよ」
「おいおい、自分達からかよ」
「まずは北京にね」
最初はだ。そこだというのだ。
「全十六個艦隊で攻めるってさ」
「派手だな、おい」
「それから西安、南京を攻めて」
北京だけでなくだ。さらに攻めるというのだ。
「香港、マカオもね」
「中帝国の星域の殆どを攻めるのかよ」
「あの秋山の兄さんの作戦さ」
参謀総長である彼の立案だった。
「敵艦隊の配置や艦艇の状況も調べてね」
「それで攻勢に出るってのかよ」
「そう決めたんだよ」
「あいつそんなに好戦的な奴だったか?」
「いや、あの兄さんは理性的だよ」
「けれどここはかよ」
「戦力が揃ったし相手の状況も見てね」
双方の戦力を見ての分析だというのだ。
「それで決めたんだよ、あの兄さんは」
「じゃあやれるのかよ」
「みたいだね。あんたはあの兄さんは嫌いかい?」
「いや、特にな」
田中は秋山は嫌っていなかった。東郷とは違い。彼は東郷から連合艦隊司令長官、そして海軍長官を奪い自分が海軍のヘッドになることを目指しているのだ。
だからだ。秋山に対してはこう答えるのだった。
「嫌いじゃないさ」
「じゃあいいね」
「ああ、それじゃあ攻勢か」
「あんたもあたしも参加するよ」
日本の総力を挙げた戦いだった。まさにだ。
「全十六個艦隊だからね」
「そうだよな。しかし十六個艦隊っていったらよ」
「はい、そうです」
小澤が出て来て答える。
「我が国の歴史上で最大の動員戦力になります」
「だよな。派手な戦いになるよな」
「そしてです」
そしてなのだった。
「その艦艇ですが」
「魚な。大丈夫なのかよ」
「調べたところその質は癖がありますが」
「いいってんだな」
「田中さんが指揮されても大丈夫です」
「おい、俺もってどういう意味なんだよ」
「御気になさらずに」
「気にするってんだ。しかし俺の魚はな」
ここで田中は己の艦隊の艦艇を見た。そのどれもがだった。
「潜れる?潜水っていうんだな」
「レーダーに映らない隠密の魚ばかりですね」
「あれを使って隠れて戦うんだな」
「はい、そうなります」
「また変わった戦い方だな」
「噂によればです」
小澤はぽつぽつと述べていく。
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