ヘタリア大帝国
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24部分:TURN3 新生連合艦隊その二
TURN3 新生連合艦隊その二
「私達からお話させてもらいますね」
「ただ。ちょっとどうなるかわからないんだぜ」
韓国は眉を曇らせて東郷に話す。
「あんたと山下さんの仲を考えると俺も不安なんだぜ」
「まあそれはな。色々と話すさ」
「そうですか。ではとりあえずは」
「山下さんには俺達から話しておくんだぜ」
こう話してだった。陸軍のことは台湾達に任せてだ。
そしてそのうえでだ。東郷と秋山は日本と共に海軍省に戻った。そしてそこでだ。
ある面々を呼んだ。彼等はというと。
「お呼びですか?」
「ああ、ちょっとな」
まずは小澤に応える東郷だった。彼女の他にだ。
南雲と田中もいた。それに皺だらけの白髪に白い顎鬚、頬髯とそのまま一緒になっている髭を持った老齢の男もいた。顔は日に焼けて年齢こそ感じさせるが明るい。
その老人の横には豊満な肢体に紫がかった長い絹の様な黒髪に鳶色の優しい瞳にだ。穏やかな表情の女もいる。服はピンクのナースの服と帽子だ。
その二人も入れてだ。五人を置いた。
その五人に対してだ。東郷は微笑んで言った。
「俺が第一艦隊でな」
「そうしてです」
東郷に続いてだ。秋山も述べる。
「小澤さんが第二艦隊です」
「私が提督に」
「はい、そして南雲さんと田中君は第三、第四です」
「へえ、出世したねえあたしも」
「へっ、当然だな」
南雲は明るい微笑みで、田中は威勢よく応える。
「そして山本無限さんは第五艦隊をお願いします」
「わしにもう一度艦隊を指揮させてくれるのか」
「宜しくお願いします」
東郷もだ。この老人には丁寧な口調だった。
「今の状況では是非にと思いまして」
「わかった。それではこの老いぼれも及ばずながらな」
戦うとだ。山本は右目を瞑ってみせて微笑んで答えた。
「ではやらせてもらおう」
「ですが山本さんは無理はできません」
ここでこの女が言う。心配する顔で。
「この前も何とか大病から復帰したばかりですから」
「おいおい、そう言うのか」
「はい、ですから私としては」
勧められないとだ。困った顔で述べる女だった。
「あまり遠出は」
「それは俺もわかっている」
東郷は女にも答える。そしてだ。
まずはだ。その彼女にこう問うたのだった。
「ところで君名前は」
「はい、古賀ひとみです」
女は問われるまま己の名を名乗った。
「山本さんの専属看護士を務めています」
「そうか。では君は山本の爺さんの副官を頼む」
「私がですか」
「そうだ。ナースが傍についていてくれると何かがあっても安心できる」
だからだというのだ。
「そうしてもらえるか」
「そしてそのうえで、ですね」
「山本の爺さんさえよければな」
頼むというのだ。提督のことも副官のこともだ。
「それでどうでしょうか」
「ははは、わしは構わん」
山本は明るい笑顔で東郷に応える。
「最近提督の仕事がなく暇でな」
「お酒と博打ばかりだったんですよ」
古賀が困った顔でこう言う。
「特にお酒は止めて欲しいのですが」
「酒は百薬の長じゃ」
山本は呑んべの言い訳を堂々と言ってみせた。
「だからかえって飲まんとな」
「御身体に毒です」
「いやいや。酒は薬じゃよ」
こう言って全然反省する素振りを見せない山本だった。古賀はその山本の横で困った顔になっている。だがそれでもだった。彼も提督になった。
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