ヘタリア大帝国
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214部分:TURN21 富嶽その四
TURN21 富嶽その四
「来られていたのですか」
「日本さん、この状況は一体」
「富嶽が来ます」
「富嶽?」
「御存知でしょうか」
「確か」
エルミーも富嶽のことは聞いている。それは。
「日本とその周囲に現れる巨大生物ですね」
「はい、そうです」
まさにそれだとだ。日本はエルミーに答えた。
「何時どうして出て来たのかはわかりませんが」
「四国にいるガワタスカル=ビゥもその様ですね」
「大怪獣です」
日本は言った。
「他にはエアザウナもいますね」
「あの時折星域に出て来て荒れ狂う」
「そういったものと同じです。そして富嶽はです」
「星喰らいと言われていますね」
「そうです」
まさにそれだというのだ。その富嶽というものは。
「我が国にとって最悪の災厄です」
「日本さんはこれまで富嶽に悩まされてきたそうですが」
「私が生まれた頃からです」
それこそだ。国家として人格を持った頃からだというのだ。
「あの大怪獣には悩まされています」
「どうして防いでいるのですか?」
「儀式によってです」
「儀式?」
「はい、儀式によってです」
そうしているとだ。日本はエルミーに答えた。
「防いでいます」
「あの、儀式とは一体」
「そうですか。このことは御存知ありませんでしたか」
「儀式といいますと」
エルミーはその儀式については知らなかった。しかしだった。
儀式と聞いてだ。彼女はこう考えてだ。その考えを日本に対して述べたのである。
「帝と関係があるのでしょうか」
「その通りです」
返答はエルミーの考え通りだった。
「あの方が儀式を執り行われます」
「そうして富嶽をですか」
「防いでいるのです」
「帝はただの国家元首ではなかったのですか」
「帝は特別な力を持っておられます」
日本はエルミーにとっては到底信じられないことを言った。
「大怪獣、そして宇宙怪獣を操られるのです」
「そうした力の持ち主がいることもいるのは聞いていますが」
特殊能力である。人間としての。
「しかし。日本帝国の帝もまた」
「そうです。そうした力を持っておられます」
「信じられません」
本当に驚きを隠せずにだ。エルミーは答えた。
「それで富嶽を防いでいるとは」
「宜しければ御覧になられますか」
日本は表情にも驚きを表しているエルミーにこう述べてきた。
「特に秘密にしていることではありませんから」
「宜しいのですか?」
「はい、どうぞ」
一も二もなくだ。日本は答えた。
「御覧になられて下さい」
「そう仰るのなら」
こうしてだ。エルミーは日本に案内されてその儀式を見ることになった。彼女は日本に長門の艦橋に案内された。そこには東郷と秋山、そして国家達が集まっていた。
韓国は腕を組みだ。こう台湾に言っていた。
「またこの時が来たんだぜ」
「最近来てなかったけれどね」
「あいつはどうにかできないんだぜ?」
「艦隊で倒せるかっていうのよね」
「そうなんだぜ。それはできないんだぜ?」
「あんなの普通の艦隊で倒せると思う?」
台湾はその顔を思いきり曇らせて韓国に返した。
「ガメリカ軍より強いでしょ」
「確かに。大怪獣はどうしようもないんだぜ」
「宇宙台風とかイナゴとかうぽぽ菌もそうだけれど」
宇宙の災害は多いのだ。そうしたものもあるのだ。
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