ヘタリア大帝国
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213部分:TURN21 富嶽その三
TURN21 富嶽その三
「その時から非常に変わっていると思っていたが」
「実際に聞かれるとですか」
「余計にそう思う」
エルミーにも話す。
「そんな国家があるということ自体が信じられなかったがな」
「私もです。そしてこの目で見ますと」
「驚くばかりか」
「非常にです。そしてです」
「そして?」
「海軍長官は非常に不真面目な人物です」
東郷のことはだ。エルミーは自分から話した。
「始終女性の出入りが耐えません」
「そんなに酷いのか?」
「言語を絶します」
エルミーは嫌悪を露わにしてレーティアに話す。
「全く以てです」
「噂には聞いていたが」
「どれだけ忙しくとも日に何人との女性と関係を持っている様です」
「一日に何人もか」
「そうです」
「それはまた凄いな」
唸るしかなかった。レーティアも。
「カサノヴァの様だな
「カサノヴァを越えているかと」
「ではドン=ジョヴァンニか」
オペラの主人公の名前も出た。
「あの男の様なものか」
「そうですね。近いですね」
実際にそこまでだというのだ。
「あの人は」
「そうか。だがエルミーなら大丈夫だな」
レーティアはエルミーの生真面目さを知っていた。それ故の今の言葉だった。
「男の誘惑には乗らないからな」
「はい、そのことは御安心下さい」
「信じている。ではだ」
「はい、それではですね」
「今から仕事だ。それではな」
「また次の定期連絡の時に御会いしましょう」
「それではな」
こう話してだった。二人は今は別れた。そうしてだ。
エルミーはノートパソコンの電源を切ってそれをテーブルの上に置くとそのままベッドの中に入り休んだ。そうしてその日は終わったのだった。
その次の日だ。エルミーが起きて海軍省に来るとだ。そこは。
何かと騒がしかった。エルミーはすぐにこう察したのだった。
「まさかガメリカと」
「そうですね。何時開戦になってもおかしくないですし」
「それならですね」
「やはりこれは」
「開戦に至ったのでしょうか」
ドクツの軍人達もだ。海軍省の慌しさからこう考えた。しかしだ。
どうやら様子が違うことに気付いた。見れば東郷もだ。秋山と日本に話していた。
「ではだ」
「はい、帝は今着替えに入っておられます」
「柴神様も来られました」
「なら用意はいいな」
東郷はこう二人に話していた。
「すぐに用意に入るか」
「はい、それではですね」
「今から祭壇の準備も」
「?祭壇?」
祭壇と聞いてだ。エルミーは眼鏡の奥の目をしばたかせた。そのうえでだ。
部下達とだ。こう話した。
「今祭壇と言っていましたしね」
「はい、確かに」
「そう言っていました」
「では開戦ではないのでしょうか」
やや首を捻ってだ。そうして言ったのである。
「どうやら」
「確かに。開戦にしてはです」
「雰囲気が違いますね」
「この状況は」
「では何なのでしょうか」
エルミーは首を捻りながら話していく。
「今起こっていることは」
「あっ、デーニッツ提督」
日本がエルミーに気付き声をかけてきた。
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